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バースデープレイリスト〈6月25日〉篇〜ジュリー、ジョージ、あやや、てち

2025/06/25掲載
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6月25日が誕生日のアーティストはだれかいますか。
バースデープレイリスト〈6月25日〉篇〜ジュリー、ジョージ、あやや、てち
 同じ日に誕生日を迎えるアーティストの楽曲をプレイリストにしてしまおうという本企画の6月25日篇。年代順にアーティストを挙げながら、1曲ずつピックアップしていきましょう。

 1934年に誕生したのが愛川欽也。“キンキン”の愛称で親しまれ、映画『トラック野郎』シリーズやドラマ『土曜ワイド劇場』シリーズ、バラエティ番組『なるほど!ザ・ワールド』『出没!アド街ック天国』など、俳優、声優、タレント、司会などマルチに活躍しましたが、歌手としてもシングルやアルバムを発表。妻でタレントのうつみ宮土理と“キンキン・ケロンパ”名義でNHK『みんなのうた』でオンエアされた「ワン・ニャン物語」なるデュエット曲を発表したりもしていますが、ここでは映画『トラック野郎』シリーズの主題歌として菅原文太と歌った「一番星ブルース」を挙げておきましょう。

 1943年にはカーリー・サイモンが誕生。ニューヨークに生まれ、姉ルーシーとのフォーク・デュオのサイモン・シスターズを経て、1971年にソロ・デビューを果たしました。「幸福のノクターン」「アンティシペイション」がヒットすると、グラミー賞で最優秀新人賞を受賞。以来、70年代のシンガー・ソングライター・ブームを牽引するひとりとなり、高い人気を獲得。同じくシンガー・ソングライターのジェイムス・テイラーと結婚していたこともありました。全米2位となった映画『007 私を愛したスパイ』の主題歌「私を愛したスパイ」や全米6位のマイケル・マクドナルドと共作した「ユー・ビロング・トゥ・ミー」、映画『ワーキング・ガール』の主題歌でアカデミー歌曲賞を受賞し、のちに日本のドラマ『HOTEL』の主題歌にもなった「ステップ・バイ・ステップ」(Let the River Run)など多くのヒット曲がありますが、ノークレジットながらバックヴォーカルにミック・ジャガーが参加した全米ナンバー1ヒット「うつろな愛」(You're So Vain)をピックアップします。

 1946年にイギリス・ミドルセックス州(現・グレーターロンドン)で生まれたのが、ロック・ミュージシャンのイアン・マクドナルドです。キング・クリムゾンには前身のジャイルズ・ジャイルズ&フリップ時代に加わり、1969年に『クリムゾン・キングの宮殿』でアルバム・デビュー。この1作でキング・クリムゾンを離れることになりましたが、1977年にフォリナーを結成。デビュー・アルバム『栄光の旅立ち』から全米4位と成功を収めると、2ndアルバム『ダブル・ヴィジョン』が全米3位、3rdアルバム『ヘッド・ゲームス』が全米5位と、ミリオンヒットを連発しました。フォリナー脱退後は、1999年に初のソロ・アルバム『ドライヴァーズ・アイズ』を発表。2019年にも『テイク・ファイヴ・ステップス』をリリースしています。ここでは、キング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』からピーター・シンフィールドと共作した「風に語りて」(I Talk To The Wind)を選曲しておきます。

 “ジュリー”こと沢田研二は、1948年に鳥取県で生を受けました。ザ・タイガースのリードヴォーカルとして「シーサイド・バウンド」「モナリザの微笑」「君だけに愛を」などでGS(グループ・サウンズ)ブームのトップに君臨し、若い女性を中心に熱狂的な人気を獲得。PYGへの参加を経て、1971年にソロ・デビューすると、1973年の「危険なふたり」で不動のソロ人気を確立。以来「時の過ぎゆくままに」「勝手にしやがれ」「憎みきれないろくでなし」「サムライ」「ダーリング」「LOVE(抱きしめたい)」「カサブランカ・ダンディ」などヒットを連発。また、ほぼ毎年アルバムを発表し、多作のアルバム・アーティストとしても知られています。ヒット曲だけでも数多にあふれ、選曲に頭を悩ませますが、ファンの間でも人気が高く、TV番組などのステージではバックバンドが隠れてしまうほどの大きさの紅白縞模様のパラシュートを背負い、電飾を施したスーツ姿が強烈なインパクトを与えた「TOKIO」をセレクト。Spotifyでは「勝手にしやがれ」の910万再生超に続き、640万再生超を数えています。

 スタジオミュージシャンとして著名な鍵盤奏者のデヴィッド・ペイチは、1954年にアメリカ・カリフォルニアに生まれました。70年代前半よりキャリアをスタートさせ、ボズ・スキャッグスと共作した「ロウダウン」でグラミー賞最優秀R&B楽曲賞を受賞。その後、同曲や「ウィアー・オール・アローン」などを収めたボズ・スキャッグスのアルバム『シルク・ディグリーズ』に参加したデヴィッド・ハンゲイトジェフ・ポーカロとともにTOTOを結成し、1978年にデビューを果たしました。

 TOTO時代にもセッション・ミュージシャンとして活動し、マイケル・ジャクソンスリラー』をはじめとするアルバムやツアーにも参加。パティ・オースティンが歌った映画『旅する女 シャーリー・バレンタイン』の主題歌「ザ・ガール・フー・ユースト・トゥ・ビー・ミー」では編曲を担当し、第62回アカデミー賞の主題歌賞にノミネートされています。そんなペイチからは、2022年にリリースしたキャリア初のソロ・アルバム『フォガットゥン・トイズ』からの1stシングル「スピリット・オブ・ザ・ムーンライズ」(Spirit Of The Moonrise)を。同アルバムにはジョセフ・ウィリアムズやスティーヴ・ルカサーのTOTOの面々や、ブライアン・イーノレイ・パーカーJr.、マイケル・マクドナルドなど豪華ゲストが参加しています。

 1963年にイギリス・ロンドンで生まれたのが、ジョージ・マイケルアンドリュー・リッジリーとのデュオ“ワム!”での成功はもちろん、ソロとしてもアレサ・フランクリンとの「愛のおとずれ」のほか、「フェイス」「ファザー・フィギュア」「ワン・モア・トライ」「モンキー」「プレイング・フォー・タイム」、エルトン・ジョンとの「ドント・レット・ザ・サン・ゴー・ダウン・オン・ミー」が全米1位を獲得しています。ここでは、4週全米1位となった「フェイス」に続くヒットとなる「ケアレス・ウィスパー」を挙げましょう。同曲は1984年にリリースされ、3週全米1位を記録。日本ではワム!として、アメリカではワム!フィーチャリング・ジョージ・マイケル名義でリリースされましたが、イギリスやヨーロッパではジョージ・マイケル名義で発表された事実上のソロ曲となります。日本では同年に西城秀樹が「抱きしめてジルバ -Careless Whisper-」としてカヴァーすると、それに続いて郷ひろみが「ケアレス・ウィスパー」としてカヴァーしました。

 2000年代のアイドル・シーンに登場したのが、“あやや”こと松浦亜弥つんく♂のプロデュースのもと、2001年に「ドッキドキ! LOVEメール」で歌手デビューするとゴールデン・アロー賞最優秀新人賞を受賞し、同年末の『NHK紅白歌合戦』に初出場。2005年まで5年連続で『紅白歌合戦』出場を重ねました。ハロー!プロジェクトのシャッフルユニットをはじめ、後藤真希藤本美貴との“ごまっとう”、安倍なつみ、後藤との“後浦なつみ”、安倍、後藤、石川梨華との“DEF.DIVA”、藤本との“GAM”などのスペシャルユニットにも参加。音楽活動のみならず、女優やタレントとしても幅広く活躍しています。

 デビュー曲「ドッキドキ!LOVEメール」を皮切りに、「トロピカ〜ル恋して〜る」「LOVE涙色」「100回のKISS」とシングル・リリースしてきた“あやや”ですが、本格的なブレイクを果たした2002年の5thシングル「桃色片想い」(写真)をプレイリストの1曲に加えておきましょう。資生堂「ティセラ」のCMソングにも起用されて話題を集め、現時点で松浦の最大のヒット曲となっていますが、チャートでは最高2位と、自身のシングルでは1位となっていないのは意外です(ごまっとう「SHALL WE LOVE?」やDEF.DIVA「好きすぎて バカみたい」では1位を獲得)。

 Kis-My-Ft2の人気メンバー、藤ヶ谷太輔も6月25日生まれ。2011年にKis-My-Ft2のメンバーとしてシングル「Everybody Go」でCDデビューして以降、音楽活動や俳優、ラジオパーソナリティやトーク番組の司会者など、さまざまな分野で高い人気を博しています。2014年からは3年連続でベストジーニスト(男性1位)を受賞し、殿堂入りも果たしています。

 これまでに単独名義作品としてリリースした作品(CD)はありませんが、Kis-My-Ft2のアルバム内では、メンバー同士でユニットを組むほか、ソロ曲も発表しています。そのソロ曲のなかから、デビュー10周年記念ベスト・アルバム『BEST of Kis-My-Ft2』の特典CD「ソロ&ユニット厳選集 + ファン投票第1位 再レコーディング楽曲」に収録された「MARIA」をチョイスしておきましょう。

 欅坂46のメンバーを経て、女優、歌手、モデルなどで活躍する“てち”こと平手友梨奈は、2001年に誕生。2016年の欅坂46の1stシングル「サイレントマジョリティー」でセンターを務めると、欅坂46にて圧倒的な存在感を発揮。映画『響-HIBIKI-』で映画初出演&初主演を果たし、主題歌「角を曲がる」を歌唱。2019年の日本アカデミー賞では新人俳優賞を受賞し、女優としても脚光を浴びました。グループを離れた後は、2020年にデジタル・シングル「ダンスの理由」でソロ・アーティストとしてデビュー。女優としてはドラマ『ドラゴン桜』『六本木クラス』『うちの弁護士は手がかかる』などの話題作に出演しています。今夏は7月の『FNS 歌謡祭 夏』への出演や、8月に初のワンマン・ライヴの開催が決まるなど、精力的な音楽活動が期待できそうです。

 そんな平手のソロ曲からは、2021年配信リリースの「かけがえのない世界」をセレクト。それまでの平手のイメージを覆すような意外性のあるポップ・ナンバーです。

 2001年にアメリカ・ワシントン州で誕生したのが、シンガー・ソングライターのベンソン・ブーン。TikTokに歌唱動画投稿を始め、人気オーディション番組『アメリカン・アイドル』出演時に注目を浴びました。TikTokで900万フォロワーを擁するブーンは、2021年にシングル「ゴーストタウン」でデビュー。2024年の9thシングル「ビューティフル・シングス」が全米2位、ビルボードのグローバルチャートやイギリスをはじめとするヨーロッパなどで1位を記録し、2024年に世界で最も聴かれた楽曲の称号も得ることになりました。同年の1stアルバム『ファイアワークス・アンド・ローラーブレイズ』も全米6位とヒットし、グラミー賞の新人賞にもノミネート。2025年1月に盛況のうちに終えた初来日公演も記憶に新しいところです。6月には2ndアルバム『アメリカン・ハート』をリリースしています。やはり、ここではブレイクした「ビューティフル・シングス」を選曲しておきましょう。

 最後はおまけとして、6月25日にふさわしい人気曲を。1978年6月25日にサザンオールスターズがメジャー・デビューしたことにちなんで、6月25日は「サザンの日」に制定され、メンバーやファンにとってスペシャルな日として祝われています。そのメジャー・デビュー・シングル「勝手にシンドバッド」をプラスして、プレイリストを完成としましょう。

バースデープレイリスト〈6月25日〉篇
菅原文太・愛川欽也「一番星ブルース」
カーリー・サイモン「うつろな愛」
キング・クリムゾン「風に語りて」
沢田研二「TOKIO」
デヴィッド・ペイチ「スピリット・オブ・ザ・ムーンライズ」
ジョージ・マイケル「ケアレス・ウィスパー」
松浦亜弥「桃色片想い」
藤ヶ谷太輔「MARIA」
平手友梨奈「かけがえのない世界」
ベンソン・ブーン「ビューティフル・シングス」
サザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」
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