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2月15日生誕記念 わたせせいぞうCDジャケットワークスあれこれ

わたせせいぞう   2023/02/15掲載
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わたせせいぞうさんが描いたCDジャケットってなにがありますか。
 80年代〜90年代カルチャーのリバイバルが定番になりつつある近年。音楽では、世界的な人気を誇るカナダのシンガー・ソングライターのウィークエンドが、自身の楽曲「アウト・オブ・タイム」で亜蘭知子の「Midnight Pretenders」をサンプリングするなど、いわゆる“シティ・ポップ”(その解釈やその範囲などはひとまず置いておいて)が海外においても注目されたり、K-POPシーンを席巻しているNewJeansが、「Ditto」でボルチモア・クラブダンス(ビーモア)マナーのサウンドとビデオカメラやビデオテープといったアイテムが登場するミュージック・ビデオを、「Attention」で90年代後半〜00年代初期のR&Bサウンドと以前なら“ダサい”と言われたファッションを採り入れたミュージック・ビデオをそれぞれ手掛けたりと、当時を知らない世代には新鮮に映り、それらに触れた世代には“一周してカッコいい”としてムーブメントとなっています。2018年頃にTikTokで“バズった”倖田來未のカヴァー「め組のひと」の“本家”となる鈴木雅之の1994年の楽曲「違う、そうじゃない」がTikTokからブレイクし、2022年末の『紅白歌合戦』でも披露したり、人気バスケットボール漫画『スラムダンク』が30周年を機にアニメ映画化されて国内外で話題を集めたのは、記憶に新しいところです。

 80年代において多くを魅了した一人が、漫画家 / イラストレーターのわたせせいぞう。都会的で洒脱な作風と各作品で画風や装丁などのフォーマットを基本的に踏襲したスタイルで、鮮やかな色彩によるランドスケープと甘酸っぱくもキラキラとした登場人物を描いて、人気を博しました。2月15日はわたせせいぞうの誕生日ということで、わたせせいぞうワークスのなかから、CDジャケットとなった作品をいくつか紹介したいと思います。

 まずは、やはり代表作となる『ハートカクテル』でしょう。TVアニメ化された際には日本たばこ(JT)の一社提供ということもあり、「たばこ1本のストーリー」とのキャッチフレーズとともに放送。松岡直也をはじめ、三枝成章島健らが手掛けたサウンドトラックはシリーズ化され、好評を博しました。3月21日(火)・28日(火)には、20年ぶりに書き下ろした『ハートカクテル カラフル』がNHKにてミニアニメ化。“ボクとカノジョの恋”という不滅のテーマを軸に、多様化する現代の恋愛を描いていきます。亀梨和也満島ひかりが声優を務めることで、早くも話題となっています。

 わたせワークスのCDジャケットは、松岡直也らハートカクテル“御用達”アーティストはもちろん、TUBEがよく採用したことでも知られ、『BOYS ON THE BEACH』『Remember Me』『Melodies & Memories』といった80〜90年代のアルバムのジャケット・ヴィジュアルには、しっかりとわたせせいぞうワールドが描かれています。

 当時だけにとどまらず、2000年以降もジャケット・ヴィジュアルに採用するアーティストは少なくなく、山下達郎のシングル「君の声に恋してる」をはじめ、Retro G-Styleのシングル「What's the Answer?」やアルバム『Party 3』、ジャンク フジヤマのドライヴをコンセプトにしたベスト・アルバム『風街ドライヴ』などにも見られます。ドラマ『続・最後から二番目の恋』の劇中歌で、同ドラマに主演した小泉今日子中井貴一がデュエットしたシングル「T字路」(写真)のジャケットも、わたせせいぞうの書き下ろしです。

 TUBEは2000年以降もわたせワールドをたびたび採り入れ、バラード・ベスト『Melodies & Memories II』やシングル「空と海があるように」、最近では2021年リリースのシングル「BLUE WINGS」で、色彩豊かなスタイリッシュな画風を確認することができます。

 鈴木英人や永井博とともに時代を築いた、“一目でわかる”わたせせいぞうのジャケット・ヴィジュアルの作品を、あらためてチェックしてみてはいかがでしょうか。
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