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メモリアルデー〜5月23日 3代目ジェイムズ・ボンドことロジャー・ムーア

2025/05/23掲載
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ロジャー・ムーアの代表作を『007』以外でおしえてください。
 映画『007』シリーズの主人公ジェイムズ・ボンド役としておなじみのイギリス人俳優、ロジャー・ムーア。2017年5月23日に惜しまれながら89歳でこの世を去りました。そのメモリアルデーに際し、ロジャー・ムーアの代表作をいくつか紹介。『007』シリーズ以外からもピックアップしていきます。

 1927年10月14日にイギリス・ロンドンで警察官の息子として生まれたムーアは、高校中退後にアニメ・スタジオに就職。映画『シーザーとクレオパトラ』にエキストラとして出演していた時に精悍な顔立ちと長身が監督の目に留まり、俳優としてのキャリアをスタートさせます。

 第二次世界大戦中はイギリス軍の娯楽部隊に所属し、除隊後に渡米。モデル、ドラマのエキストラや端役などの下積み生活を経て、1954年の映画『雨の朝巴里に死す』で比較的大きな役をもらうと、1962年放送開始の英TVシリーズ『セイント 天国野郎』の主人公、神出鬼没の大怪盗サイモン・テンプラー役でスターダムに。同シリーズは1969年まで放映。1971年からは英ドラマ『ダンディ2 華麗な冒険』で公爵のブレット・シンクレア卿を演じました。日本で放送された際には、佐々木功(ささきいさお)がムーアの声を務めました。

 『ダンディ2 華麗な冒険』は途中で打ち切りとなりますが、そのタイミングで映画『007』シリーズの3代目ジェームズ・ボンド役に抜擢。1973年のシリーズ第8作『007/死ぬのは奴らだ』を皮切りに、『007/黄金銃を持つ男』『007/私を愛したスパイ』『007/ムーンレイカー』『007/ユア・アイズ・オンリー『007/オクトパシー』を経て、第14作『007/美しき獲物たち』まで、7作の『007』シリーズで主演を務め、初代ショーン・コネリーや2代目ジョージ・レーゼンビーが演じた野性的でタフなイメージとは異なる、エレガントでコミカルなボンド像を築き上げました。イーオン・プロダクションズによる『007』シリーズ25作のうち、現時点でジェイムズ・ボンドを最も多く演じたのが、ロジャー・ムーアの7作。ちなみに、初代ショーン・コネリーは6作、ジョージ・レーゼンビーは1作、ティモシー・ダルトンは2作、ピアース・ブロスナンは4作、ダニエル・クレイグは5作となっています。

 『007』シリーズ以外の出演作品は、人気コメディ映画シリーズ『ピンク・パンサー5 クルーゾーは二度死ぬ』やジャッキー・チェンバート・レイノルズサミー・デイヴィスJr.ほかオールスターが出演したカーアクション映画『キャノンボール』、ジャン=クロード・ヴァン・ダム主演の格闘アクション『クエスト』、スパイス・ガールズ主演の音楽コメディ映画『スパイス・ザ・ムービー』などが挙げられます。

 また、オードリー・ヘプバーンに勧められ、ユニセフ親善大使など慈善活動にも注力し、2003年にナイトの爵位を授受。ショーン・コネリーに次いで“サー”を冠するジャイムズ・ボンド俳優となりました。

 役を離れてもユーモラスな人柄で知られ、高い人気を博したロジャー・ムーア。ある時、空港で祖父を通してロジャー・ムーアにサインを求めた子供が、飛行機のチケットに“ジェイムズ・ボンド”と書いてもらえなかったことに落胆していると、「ブロフェルド(『007』シリーズに登場する悪役)に気づかれるから(別の名前を書いたんだよ)」とささやいたといいます。その子供が大人になり、放送作家として撮影現場でロジャー・ムーアと再会。子供の頃の空港での思い出を話すと、ロジャー・ムーアは「覚えてない」と言ったそう。しかし、撮影終了後に放送作家に近づき「覚えてないって言ったのは、この撮影クルーのなかにブロフェルドの手下がいるかもしれないから」とささやいたという逸話も話題になりました。

 在りし日のロジャー・ムーアに想いを馳せながら、出演作品を見返してみてはいかがでしょうか。

(写真は、2015年10月リリースの『007/ロジャー・ムーア DVDコレクション』)

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