サマーマッドネス2013(仮) アップアップガールズ(仮) 横浜〜赤坂BLITZ ワンマンライヴ・ドキュメント・レポート

アップアップガールズ(仮)   2013/10/01掲載
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  怒涛のライヴハウス・ツアー〈アプガ第二章(仮)開戦前夜〉全7戦を終えて、本戦の〈アップアップガールズ(仮)1st ライブハウスツアー アプガ第二章(仮)開戦〉を敢行したアップアップガールズ(仮)前回の南波一海さんとの対談でも触れた8月31日横浜BLITZでの〈横浜リベンジ決戦〉も含めて、ツアー・ファイナル〈赤坂決戦〉までの戦いを辿っていこう。
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 8月31日の〈横浜リベンジ決戦〉は、約2時間のフルタイムで行なわれるライヴハウス・ツアー本戦の第一戦目。会場は10月に閉館が決定した横浜 BLITZ。ハロプロエッグ時代の思い出が詰まった場所での最後のワンマン・ライヴは、念願叶ってチケットもソールドアウト。満員にできなかった4月の 〈3rd LIVE 横浜BLITZ大決戦(仮)〉での雪辱をひとつ晴らしたアプガ。しかし本当の戦いはライヴ本番にある。夏のイベント、〈開戦前夜〉ツアーでの成果を見せるのはもちろんのこと、アプガのワンマンを見るのは前回の横浜BLITZ以来という人、夏のイベントでアプガを好きになった人、ずっと応援してるファン、すべての観客を満足させるステージを見せなければ、真の意味でのリベンジにならないのはメンバーも重々承知している。
 本番前、ほどよい緊張感を持ちながらもメンバーのテンションは高め。〈開戦前夜〉ツアーは小さいステージでのライヴが多かっただけに、リハーサルでは大きなステージでのフォーメーション確認に余念がない。ご飯をしっかり食べ(スタミナを使うアプガにとってここは重要)、ファンとのハイタッチ会を行ない(佐保と新井は自らの手が赤くなるほどのフルスウィング!)、気合充分のメンバーはいよいよ本番のステージに向かった。
 SEのアンダーワールド「ボーン・スリッピー」から、オープニングの映像でアプガがこの夏駆け抜けた歴戦のシーンがスクリーンに流れる。そして、いつもの登場テーマ「overture(仮)」はなく、戦(いくさ)の始まりを告げるエレクトロ・ホラ貝の音が場内にこだまし、刀を持った、くノ一風の新衣装に身を包んだ7人がステージに登場。全員が鞘から抜いた刀を全力で振り下ろす。ここでついに本格的なアプガ第二章の幕が斬って落とされたわけだ。メンバーは刀をマイクに持ち替え、夏の戦いで強烈なインパクトを与えたハードなEDMチューン「SAMURAI GIRLS」からライヴをスタート。続けざまに、シリアスな表情を見せる攻めのパワー・チューン「サバイバルガールズ」へとなだれ込む。会場のボルテージはすでにすごいことになっている。
 MCタイムで、佐保はビッグマッチ仕様で“特別に”瓦5枚割り(!)に挑み、ガシャン!と破壊活動を成功させた。そして、「マーブルヒーロー」 「メチャキュン♥サマー( ´ ▽ ` )ノ」「バレバレI LOVE YOU」「夕立ち!スルー・ザ・レインボー」と、かわいいポップな曲(とはいっても勢いたっぷり)を歌ったあとは、新曲「ワイドルセブン」の初披露。8 ビットのゲーム音入りチップチューン・ロックといった勢いのあるナンバーで、マリオなどゲームっぽい振りが入ったダンスも楽しい。そしてポップなロックンロール「カッコつけていいでしょ!」「Burn the fire !!」とアゲていくと、うねるようなエレクトロサウンドで早着替えし、必殺のEDMチューン「UPPER ROCK」をブチかます。ステージが暗くなりブラックライトでブルーのタイトなコスチュームが発光。激しいアクションの残像と歌で攻めていく、まさに月光闇討ちデスマッチ状態。後半一気にライトアップされメンバーの姿がはっきり見えたときの会場の盛り上がりはハンパなかった。
 その後、白い新衣装にチェンジした7人は「リスペクトーキョー」を披露し、新井は「横ブリなう!」をシャウト。そして、この夏、あらゆる会場でタオルがグルグル回った「アップアップタイフーン」、キラー・チューン「チョッパー☆チョッパー」に「アッパーカット!」と、激しいナンバーを連続でたたみ込んでいく。間髪入れずのとどめは「お願い魅惑のターゲット」。ステージを走り回り全力で歌うメンバーに、全力で応える観客。激しさと汗と疲れと楽しさ、全部ひっくるめて強烈な高揚感に持っていくハイスパートなパフォーマンスをみせられるアイドル・グループは、いまやアプガ以外にはいないだろう。 そして、「銀河上々物語」では、夏を通じて全国各地でメッセージをもらい、メンバーが3日がかりで縫い上げた巨大な(仮)旗の掲揚があった。メロディアスでダイナミックな曲とともに、(仮)旗が天上高く掲げられた瞬間に会場全体からは大拍手。感動の中、本編は締めくくられた。
「サマービーム!」のオケを聴きながら
煽りのフレーズを考える佐藤。
 アンコールでは、最後の1曲「サマービーム! アプガの夏MIX」を歌う。が、このPandaBoYによるMixは、「サマービーム!」から始まり、「Beautiful Days!」「End Of The Season」「Rainbow」「チェリーとミルク」「shooting star」「SAKURADRIVE」「サイリウム」などなどが詰まった16分 12秒(!)にわたる長さ。満員のフロアに7色のサイリウムが無数に輝いたあと、最後に「サマービーム!」に戻る。締めの「♪ラララ」のコーラス・パートに入ると、 煽り隊長の佐藤が観客全員をリードするように大きな声で叫び、延々と「♪ラララ」のコーラスが続いていく。彼女だけでなく7人全員がすべての観客と向きあって、ひとつになる最高の空間を作り上げたのだ。春の〈対バン行脚〉を終えたあと、メンバーは「全体を包むようなライヴをしたい」と語っていたが、それを自分たちの手でリアルに作り上げることができたのだ。これまでのワンマン・ライヴとはまた違う、素晴らしいエンディングを見せ、この日のライヴは終了した。
感極まりエッグメンバーのサインが書いてある壁に抱きつく古川。
 見事、横浜でのリベンジを果たしたアプガ。メンバーの充実の思いは、上述した対談時のコメントを読んでいただければ伝わるはず。ライヴ開演前に話を戻すと、佐藤は「サマービーム!」の煽り部分をどうすればいいのか、ひとり廊下でオケを聴きながらずっと真剣に考えている姿がとても印象的だった。また終演後の話に戻ると、古川は、かつてエッグ時代にサインをした柱を抱きしめるようにしがみつき、廊下ででんぐり返しをして「横浜BLITZを全身で感じたい!」と大声で叫んでいた。すさまじいスケジュールを戦い抜き、思い出の地での決戦をきれいに締めくくれたのだから、その達成感は相当なものがあったはず。
 だがしかし、予期せぬ出来事も発生。関根が足を負傷していたのである。左足首靭帯の部分断裂という大ケガ。聞けば「アッパーカット!」の途中で足首をひねり、その後も我慢してステージを務めていたという。現場で彼女のアクシデントに気づいた人は誰もいなかったんじゃないだろうか。自分もあとで知ってかなり驚いた。彼女のプロ根性には敬服するが、ケガだけは誰もして欲しくなかったというのが本音。もちろん一番悔しい思いをしているのは関根自身。エッグ時代からステージでケガをしたのは初めてのことだという。関根は、このあとも続くツアーで、どうケガと向き合っていくのか。アプガのライヴ自体もどうなるのか。一抹の不安がよぎった。
 アプガは9月3日から6日まで、ニュー・シングル「SAMURAI GIRLS / ワイドルセブン」のリリースイベントを行なった。新井が再びショートカットになって、デコだし美少女から少年へカムバック。左足首にギブスを巻いた関根は1人立って歌と上半身の動きで参加し、ダンスは6人でフォーメーションを作ることとなった。自分は、お台場ガンダム広場でのイベントを見たが、そのときはまだ、この形での初戦ということもあり、アプガ本来のパワーを出せる状態ではなかった。当然の話である。それでも、笑顔で気丈にステージを進める7人の強さに、彼女たちならこの困難に打ち勝てるんじゃないかという期待感を持ったことは確かだ。


ライヴ前、入念にフォーメーションの確認をするメンバー。
 そして、9月7日は大阪umeda AKASOでの〈大阪決戦〉、翌日8日は名古屋クラブクアトロでの〈名古屋決戦〉が開催された。自分は名古屋に参戦したのだが、前日の大阪の話をスタッフの方々に聞いたところ、「ライヴの出来は横浜より良かった」「MCもいつも以上に面白かった」「会場の盛り上がりがすごかった」と、かなりの高評価。それを受けての〈名古屋決戦〉である。名古屋戦は、チケットが事前にソールドアウトしており、これには本当に驚かされた。以前から名古屋は洋邦のバンド/アーティストでも集客が苦戦する土地として知られていたからである。さらに同日、近くで3組ほどのアイドルがライヴやインストアを行なっており、 ちょっとしたアイドル興行戦争といった状態だったのだ。アプガのファン層の広がりをここからも感じ取ることができた。
 ライヴ前のリハーサルは綿密に行なわれた。関根の立ち位置、6人のフォーメーションをしっかりと固めるためだ。リハを進める中で、「マーブルヒーロー」の終わりのシャキーンの決めポーズが揃わないということも発覚。やり慣れている曲だが、フォーメーションがチェンジしたことによって、それぞれの動きの歩幅も変わり最後のタイミングがズレてしまうのだ。何度もやり直し、なんとかきれいに揃うようにまで持っていくことができた。逆にこのことから、普段いかに絶妙なタイム感で、メンバーそれぞれがパフォーマンスしているかということが分かった。いまや7人の間には絶対的な呼吸が存在しているということだ。さらには、誰かが欠けても、それを全員でカバーしあう、しっかりした絆がメンバー間に備わっているんだということも改めて知ることができた。
 ライヴ直前のメンバーは、笑顔はあるものの、かなりの緊張ぶり。それはライヴ後の仙石のコメントにもあるが、前日が良かった分、さらに熱くいかなければというパフォーマンスに対してのこだわりとプレッシャーから来るものだった。
 だが、ライヴ本番、超満員の観客の前に登場したアプガには、先ほどまでの不安感は微塵も感じられない。初っぱなから爆走するように、7人の女侍はブッチギリのステージを見せていく。歌に関しては声がよく出ているし、ダンスの切れ味もスピード感がある。苦戦していた「マーブルヒーロー」の締めのポーズもばっちり決まった。「ワイドルセブン」のオケもよりエモさが増したものとなり、ライヴ映えがさらにアップ。会場の熱気はアガる一方。メンバーの気合と観客の盛り上がりが良い形でクロスし、ものすごい汗となって弾け飛んでいるかのようだ。メンバーも汗まみれなら、観客全員も汗だく状態。それでも笑顔とシャウトが呼応する空間は文句なしで最高だ。「リスペクトーキョー」で新井が「名古屋なう!」を叫んだあとは、攻め攻めのナンバーで、熱い会場をさらにさらに熱くする。「銀河上々物語」では、ステージいっぱいにメッセージ入りの(仮)旗が広げられた。そしてアンコールに突入。MCで新井が「今日、名古屋で一番熱いライヴができたと思います!」「スピーカーの音に負けないくらい、大きな声を出してください!」と語ると、会場全体から大歓声が沸き起こる。 「サマービーム! アプガの夏MIX」を歌うと、名古屋でも「♪ラララ」の大合唱を巻き起こして熱いライヴを終える。〈アプガ第二章(仮)開戦〉の2時間フルタイムセットは、 大阪、名古屋を経て確実に成長を遂げたのだ。この日の終演後、突然のフォーメーション・チェンジで戦わなければならなくなった 大阪、名古屋での初決戦の思いをグループを代表して仙石に、そして、ケガを押してステージに挑んだ関根に赤裸々な気持ちを語ってもらった
 アプガは、14日に青森でのロックフェス〈AOMORI ROCK FESTIVAL '13〜夏の魔物〜〉に出演(2年連続)。16日、いよいよ〈アプガ第二章(仮)開戦〉のツアー・ファイナルの赤坂BLITZへと辿り着いた。おりしも当日は台風18号が本州を直撃するという超悪天候。〈対バン行脚〉のBiS戦は大雨、この夏の〈TIF〉のSMILE GARDENでも豪雨寸前など、なにかとビッグマッチに嵐を呼んでしまうアプガ。ついにリアルな「アップアップタイフーン」となってしまったのだ。しかし結果的にアプガは、台風の進路を逸らすほどのエナジーで無事ライヴを行なうことができた。
























 この日のリハーサルも、かなり念入りに行なわれた。フォーメーションも固まってきたとはいえ、広いステージだと、関根の立ち位置と6人とのバランスがどうしても悪くなってしまうのだ。全体を見ながら、時間ギリギリまで調整をしていくメンバーとスタッフ。ステージの細かい場位置(立ち位置)の割り振りも、ひとつひとつ実践して確認しないと分からない。しかも調整したものを即時に頭に叩き込まなければならない。この日、振付の竹中夏海先生も会場にいらしたので話を聞いてみたところ、時間的な問題もあり今回6人でのフォーメーションの直しは、先生はノータッチだという。つまり、ここまでのフォーメーション決めはすべてメンバー自身がやってきたのだ。彼女たちのスキルの高さをまたもや再確認してしまった。
 さあ、春の〈横浜大決戦(仮)〉以来となる久々のフルタイム2公演の、昼公演がいよいよ近づいてきた。メンバーの緊張感はこれまで以上。佐藤はずっと確認事項をひとりで喋り続け、森はガチで深刻顔。緊張をほぐすために仙石は新井に思いっきり背中を叩いてもらい、足りないとばかりに破壊王・佐保に強烈な一撃をもらい悶絶。古川と関根の笑顔は若干引きつり気味。それだけの大勝負なのである。7人はいつもの円陣を組み気合を注入するとステージに向かった。
 和風アレンジされた「overture(仮)」でメンバーがステージに登場し、「SAMURAI GIRLS」からハードに攻め立てていく。佐保と関根のラップもますます鋭さを増している。MCタイムの佐保の瓦割りは6枚を破壊! しかしMC、パフォーマンスともに、いつもより固さと緊張がリアルに伝わってくる。その大きな理由のひとつに、この日、初披露のメンバー・プロデュース・コーナーがあったからだ。実は横浜BLITZでのお披露目を目指していたのだが納得いくまでのものに届かず、赤坂前日の夜まで練りに練って完成にこぎ着けたという。「Burn the fire!!」のサウンドに合わせて、第二章を迎えたアプガに足りないものは何かを、演劇仕立てでコミカルに見せていくというもの。(仮)アイコンの存在感が大きくなり、自分たちが勝つにはそれぞれが個性を身につけるしかないというストーリー。ステージ後ろに張られた(仮)の幕に立ち向かうも弾き飛ばされ「キャッ」とズッコケる昭和ライクな森の動きに笑いが起き、それぞれが今まで自分とこれからの目標を語っていく。仙石の「アプガ第二章、みんなが個性を出しつつ、天下を取りに行くぞ!」の声から、7人で「Burn the fire!!」を熱唱。最後に(仮)の幕をブチ破ってのドヤ顔で、観客からは拍手と歓声が上がった。そこで肩の荷が下りたのか、「リスペクトーキョー」からは完全にパワーを取り戻したアプガ。新井の「赤ブリなう!」が飛び出し、会場のテンションはグングン上昇。「お願い魅惑のターゲット」ではステージ端までメンバーが乗り出し観客をアゲていく。佐藤はステージ前方の照明に足をぶつけるほどの勢いだ。
 アンコールのMCでは、仙石が「モーニング娘。さん、ももクロさん、AKB48さんも吹き飛ばしていきたい!」と力強く宣言。新井からは逆サプライズで、10月30日に両A面シングル 「Starry Night / 青春ビルドアップ」の発売決定が知らされる。そして、「サマービーム! アプガの夏MIX」では、がっちりと会場全体をひとつにし、赤坂BLITZでも温かい空間を作り上げることに成功した。
 その後、カーペンターズの「レインボウ・コネクション」に乗せて一連の夏の戦いを収めた感動的な映像が流される。ステージ上でメンバーも見つめる中、映像が突然ストップ。いきなりというか恒例のサプライズだ! 12月22日に横浜赤レンガ倉庫で〈アップアップガールズ(仮)アプガ第二章(仮)クリスマスイブイブイブ決戦〜横浜赤レンガ〜〉(キャパ1000人)、 12月28日に川崎CLUB CITTA'で〈アップアップガールズ(仮)アプガ第二章(仮)大晦日イブイブイブ決戦〜CLUB CITTA'〜〉(キャパ1300人)、そして、2014年2014年1月1日に赤坂BLITZで〈アップアップガールズ(仮)アプガ第二章 (仮)2014年元旦決戦〜赤坂BLITZ〜〉(キャパ1300人)の開催が発表となる。さらにそれが成功すれば全国ツアーが行なわれるかも? さらにさらにそれが成功すれば、夏までに中野サンプラザが行なわれるかも???という、うれしすぎる予告付き。これにはメンバーも大興奮の大騒ぎ。もちろん、冬の戦いを征することができなければ先に進めないことはメンバーも理解している。その上でもっと大きな会場を目指して突っ走っていくという思いをメンバー全員が語り、昼公演を終えた。
 赤坂BLITZでのひとつ目の山を越したメンバー。バックヤードでは笑顔が戻っていた。だが、台風で開演が遅れたことやサプライズもあり、時間が押して、夜公演までの時間はあとわずか。そんな中、佐藤は、アプガの楽曲を手がけるプロデューサーのmichitomoに、メロディが取れない部分を確認していた。彼女だけでなく、メンバー全員がとにかく上のものを見せたいという気持ちにあふれている。ちなみに弁当を食べ終えた佐保はスタッフに開演までの時間を確認し、「まだケーキを食べても大丈夫な時間だ!」と無敵の大物っぷりを発揮していた。
 そしてスタートした夜公演。彼女たちにとって、初めてのワンマン・ツアー最後のライヴである。7人は活き活きとした表情で気合みなぎるパワフルなパフォーマンスを見せ、観客を熱狂させていく。仙石は夏を通してノドの不調があったものの、ここまでなんとか乗り越えてきた。これまでのワンマン・ライヴでは夜公演に声を枯らしてしまっていたが、今回はそれもなくしっかりと歌い切る。古川は昼公演の後半にダンスの切れが落ちるところが見えたが、それを吹き飛ばす元気さを存分に見せる。森はライヴが進むに連れダイナミックなムーヴを見せモリモリ度全開。佐藤は煽りと汗でグループと観客を牽引していく。佐保は無尽蔵のパワーで、歌とダンスの勢いを加速し続ける。関根はケガのハンデを吹き飛ばす表情豊かな歌で会場を魅了する。新井はスタミナ不足という自らの弱点を克服するべくトレーニングに務めた結果、笑顔でパフォーマンスし続けることに成功。彼女たちは今持つ力をすべて出し切り、勢いだけでなく心地良い雰囲気も作りながら、観客すべての心ガッチリ掴むステージを見せてくれた。
 ライヴの最後に仙石が「あっつくて楽しくて戦闘的で心に残るライヴができたと思います。常にアップアップして上を目指すアップアップガールズ(仮)の応援をお願いします!」と語ると会場は大きな歓声と拍手に包まれ、ツアー・ファイナルを最高の形でフィニッシュ。
 4月の〈横浜大決戦〉と9月の〈赤坂決戦〉、ふたつのビッグマッチを比較するとアプガの成長ぶりが明確に分かる。これまでのワンマン・ライヴでは、激しさと汗と感動までは持っていけていたが、夏の戦いと初ワンマン・ツアーを通じて、激しさと汗と感動・プラス・幸福感溢れる空間を作れるまでになっていたのだ。だが、まだまだ課題があるのも事実。ライヴ終演後のバックステージでは、ボイトレの杉浦先生が「これからは歌をもうちょっと厳しくいきますね」と温かい激励の言葉をメンバーにかけていた。歌唱力を向上させることはアプガがもう一歩上へ上がるために必要不可欠なものだからだ。また今の彼女たちは、ファンの盛り上がりに支えられている部分も多く、逆に自分たちからもっとファンを引っ張っていくようにもならなければならない。何度も言うが、今の彼女たちのライヴは相当なハイレベル。だが、本人たちの闘志溢れる姿を見ていると、他にはないアグレッシヴ・ダンス&ヴォーカル・グループとして、コンプリート・ファイターになって欲しいという願望が沸いてしまうのだ。彼女たちなら、必ずやそれを成し遂げてくれることだろう。さて、9月22日の〈イナズマロック フェス2013〉出演をもって、ついにアプガの夏は終了。翌日23日のなんばLABIでのインストア・ライヴからアプガの秋の陣はすでに開幕している。まったくもってネヴァー・ストップなグループだ。10月7日には、エッグ時代からの盟友THEポッシボーとの1年ぶり3年連続の対戦が、なんと横浜BLITZ(これがホントにホントのラスト横ブリ)で開催。さらにいくつものイベント出演決定しており、休む暇もなく戦い続けるアプガ。次なる冬の3大決戦にむけて、冬へと走りだそう……というか走り出している彼女たちの動向にはこれからも大注目だ!
取材・文 / 土屋恵介
ライヴ撮影 / 相澤心也
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