名古屋在住のノイズフリークス、Sotaro Fujiwaraによる1stアルバム『Tongues』がFree Babyronia主宰レーベルAUN Muteより10月15日(水)に発売されることが決定。
Sotaro Fujiwaraは、2018年にGonzo Murakami(as GONDHARA MURAKAMI)と共にノイズ・ユニット“SOSOS CLUB”を結成し、
Campanellaのアルバム『
AMULUE』の楽曲制作にも参加したアーティスト。
この度リリースが発表された彼の1stアルバム『Tongues』は、ラッパーのCampanella、SOSOS CLUBとしても活動を共にするGONDHARA MURAKAMIらが参加した意欲作。
そして、9月12日(金)よりCampanellaを客演に迎えた、タイトル曲「Tongues」の先行配信も開始。
また、AUN Muteからの作品発表でも知られる名古屋在住のプロデューサー
Ramzaによる、本作のリリースに寄せたテキストも到着しています。
[コメント]彼は何も語らないし、語られるべきことも語られていない。だがすでに、この作品には、語り尽くされるべきすべてが、「不在」ではなく、むしろ豊穣なる「実在」という名の沈黙の上で、静かに叫び、そして発狂している。
ここであえて私が一つ言葉を差し挟むとすれば、『Tongues』とは、音楽の“ふり”をした何かだ。音になる寸前の気配。言語に変換される以前の名を持たぬ情動。記憶の底で風化しつつあった感覚の断片。
そこにおいて明示されているのは、“音楽とは、人が人であることを想起するための媒介ではなかったか”という、絶望的なまでに透明で、率直な意志である。その意志が、音と沈黙のわずかな隙間から今、確かに立ち上がっている。
『Tongues』が、いわゆる「音楽」という制度的枠組みを逸脱し、ひとつの“生の振動”として立ち現れるとき、私たちは〈聴く〉という行為の根源へと立ち返り、かつて名づけ得なかった輪郭に、再び触れるという現実を、ここに記録した。
さあ、沈黙に耳を澄ませ、風の音を聴いて欲しい。
彼の長髪は風に触れ、時代の振動を全身で受信し、一つの音楽を紡いだのか?どうだろう――
――いや、彼はただ、声なき問いの残響を録音してしまっただけなのかもしれない。――Ramza