ローリング・ストーンズのミューズとして知られる
アニタ・パレンバーグの生涯を、
スカーレット・ヨハンソンの声で蘇る彼女の回顧録とともに振り返るドキュメンタリー映画『アニタ 反逆の女神』。このたび、10月25日(土)からの公開に先駆けて、アニタのファッショナブルな姿を映した場面写真が公開されました。
“ロ-リング・ストーンズの女”、アニタ・パレンバーグ(1944―2017)。始まりは
ブライアン・ジョーンズとの恋、ブライアン没後は
キース・リチャーズと運命的な絆を結び3人の子の母に。
ミック・ジャガーをも虜にしてしまう魔性の女ながら、彼女は単なる彼らの「女」ではありません。1960-70年代のロック文化における象徴的存在で、多言語を操り、反体制的で自由奔放。自身のペルソナとクリエイティビティで時代を体現した先駆者でした。
バンドのミューズであり共作者、女優、モデル、ボヘミアン・ロック・シックを生み出したファッションアイコン、そして愛情深い母親でもあったアニタ・パレンバーグの実像に迫る本ドキュメンタリーは、本人の死後発見された未発表の回顧録を、キース・リチャーズと彼女の息子、マーロン・リチャーズが製作総指揮を務め映画化したもの。その見どころのひとつは、全編を彩るアニタのファッションです。
アニタの代名詞である“ボヘミアン・ロック・シック”は、1960〜70年代に形づくられたファッション・ライフスタイルの美学で、「ボヘミアン(自由奔放で芸術家的)」と「ロック(反体制的でエッジー)」を融合させたスタイル。具体的には、ヴィンテージ風のドレス、ファーやベルベットのコート、エスニックなアクセサリー、スリムなパンツ、ミリタリー調アイテムなどをミックスした服装で、そこにはファッションだけでなく「型にはまらない生き方」や「アートとロックの交差点で生きる」という精神性も含まれます。
アニタのミラノでのモデル経験、アートへの造詣、ヨーロッパ的な洗練は、ローリング・ストーンズのブルースロックに「知的で退廃的な美学」を持ち込んだと言われます。アニタがまとう服や態度が「ボヘミアン・ロック・シック」スタイルの原型となり、後にファッション誌やブランドがこの「アニタ的スタイル」を引用。さらに、アニタがローリング・ストーンズのサークルにいたことによって、音楽シーン全体がこのスタイルを共有するようになり「音楽とファッションと生き方を融合させたロック・シック」という概念が浸透しました。
アニタ・パレンバーグは“ボヘミアン・ロック・シック”という言葉が生まれる以前から、そのエッセンスを体現していた人であり、彼女の生き方・装い・関係性がこのスタイルをロックの世界に定着させました。後に
ケイト・モスや
シエナ・ミラーといった90年代以降の“ボーホー・シック”の原型となっており、本作の中でもケイト・モスが「今でもお手本にしている」とその魅力を笑顔で語っています。
また、10月25日(金)公開初日には東京・新宿K‘s cinemaで、12:20の上映回終了後、
立川直樹(プロデューサー / ディレクター)と浅野順子(画家 / モデル)によるトーク・イベントが開催されることも決定。60年代後半からメディアの交流をテーマに音楽、映画、美術、舞台など幅広いジャンルの仕事を手掛けてきたプロデューサー / ディレクターの立川と、60代で画家としてのキャリアをスタートさせ、現役のモデルでファッションや生き方も注目を浴びる浅野の2人による反逆のトーク・ショーは必見です。詳細は、映画公式サイトおよびK‘s cinemaのホームページをご確認ください。
©2023 Brown Bag Productions, LLC