2003/06/03掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
アニマルズ、ナッシュヴィル・ティーンズ、ハーマンズ・ハーミッツ、ドノヴァン、ルル、ヤードバーズなどを手掛けたプロデューサーのミッキー・モストが、癌との闘病生活の末にロンドンの自宅にて死去した。64歳だった。
ポップ・ミュージック界における“黄金の耳を持つ男”のひとりであった彼が携わった作品は、いずれも成功の栄誉に浴しており、彼の助力がなければ失敗に終わっていたであろう事例にも事欠かない。まさに英国ロックの黄金時代を築いた名プロデューサーのひとりと呼ぶに相応しい人物だ。69年には、当時としては珍しいプロデューサーによる独立レーベル“RAK”を設立。こちらでも数々の成功を収めている。
モストは、58年に“アレックス・マレーとモスト・ブラザーズ”として歌手デビューしており、その数年後にはソロ・シングルも制作している。ミュージシャンとしての成功は収められなかったモストだが、プロデューサーに転向した後にも、
ジェフ・ベックがヤードバーズ脱退後の67年に発表したソロ・シングル「Hi Ho Silver Lining」でコーラスとして録音に参加し、“昔取った杵柄”を披露してくれている。アルバム未収録のこの曲(ちなみに全英14位のヒットを記録)は、ベックの
『ベッコロジー』(写真)など、いくつかの編集盤で聴くことが可能だ。
奇しくも現在発売中のCDジャーナル6月号では、『プロデューサーの正体』と題した特集を組んでおり、その中の「名プロデューサー50人」の章でモストを取り上げたばかり。心より哀悼。
ちなみにジェフ・ベック御大は、ただいま新作を鋭意製作中の様子でありまして、これまで『Hot Rod Honeymoon』『Grease Monkey』などが、タイトル候補として流れてきております。タイトルが何になるにせよ、いつになったら聴けるのかはまったく未定のようですが・・・・・・。