アルヴァ・ノト 2020/06/03掲載(Last Update:22/07/13 13:11)
坂本龍一とのコラボレーションでも知られるドイツ人サウンド・アーティスト、
アルヴァ・ノト(Alva Noto)が、“デジタル複製”をテーマに2007年にスタートさせた“ゼロックス・シリーズ”の最新作『Xerrox Vol.4』(CD AMIP-0215 2,180円 + 税)を6月26日(金)に発表します。アルバム収録曲「Xerrox Voyage」が公開されています。
5部作となる予定のこのシリーズは、コピー(複製)というプロセスをベースに、無限の複製によるデータ操作で作曲を行なうプロジェクト。「他のコピーからコピーを作成するという手順には固有の間違いが生じるため、複製元である日常のサウンドはオリジナルと関連づけることができなくなるほどに大きく変化し、その結果、全く新しい音が作り出され、オリジナルのコピーがオリジナルそのものとなる」とアルヴァ・ノトこと
カールステン・ニコライはコメントしており、ここではよりハーモニー重視の作曲テクニックを披露しています。
外部素材からのサンプリングやレコーディングの断片が出発点となっていたこれまでのXerrox作品とは異なり、Vol.4では、統一感のあるシネマティックなサウンドスケープ、温かみのあるコード、爪弾かれるデジタル・アンビエンス、液状化したエレクトロニクス、ドローン、そしてストリングスの洪水に支えられたノイズを融合させて、有機的な暖かさと静かな曲線の間の緊張感、遠くに聞こえる轟音や電子の滝の中に広がるトーンを生み出しています。
Photo by Andrey Bold