ジャズ・ピアニストの
ブラッド・メルドー(Brad Mehldau)とテノール歌手の
イアン・ボストリッジ(Ian Bostridge)が、コラボレーション・アルバム『The Folly of Desire』を6月中旬に発表します。このアルバムには「純粋な欲望からの脱却」というテーマがあり、「欲望から解放された愛こそが人生の最高到達点である」という哲学的かつ道徳的なメッセージが込められています。
2016年にドイツ・南バイエルンで出会った2人は、食事をするうちに意気投合してお互いのコンサートへ足を運ぶようになり、いくつかの共演コンサートを行なってきました。アルバムはメルドーがボストリッジのために曲を書くことを思いついたのをきっかけに制作が始まり、アルバムの前半には、メルドーが書いたいくつかの曲から成り立つ「The Folly of Desire」を収録。メルドーがボストリッジのために書いたこの曲は、
ウィリアム・ブレイクが書いた詩「The Sick Rose」から始まり、
シェイクスピア、ゲーテ、カミングスといった詩人たちの作品群をもとにしたものです。
アルバムの後半には
コール・ポーターの「ナイト・アンド・デイ」「いつもさよならを」や、
フランク・シナトラらが歌った「In the Wee Small Hours of the Morning」、
ビリー・ホリデイらが歌った「ジーズ・フーリッシュ・シングス」といったジャズ・スタンダードと、ボストリッジが得意とする
シューベルトの「夜と夢」を収録しています。レコーディングは2022年7月に英国サドベリーで行なわれました。
Photo by Stephanie Berger