“音の魔術師”と呼ばれ、世界中から引く手あまたの名匠、
シャルル・デュトワ(Charles Dutoit)が芸術監督・首席指揮者を務めるイギリスの老舗、
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団を率いて間もなく来日! 東京都内3ヵ所でコンサートを行ないます。
6月27日(木)19時開演の東京・サントリーホール公演のプログラムは、前半に
メンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」と
ショパンのピアノ協奏曲第1番、後半に
ドビュッシーの「海」と
ラヴェルのバレエ「ダフニスとクロエ」第2組曲が予定されています。
ショパンの協奏曲のソリストは、
ユジャ・ワン。世界中が注目する無敵のライジング・スターであり、デュトワとも何度も共演して音楽的に抜群のパートナーシップを誇るピアニストです。ショパンの協奏曲を日本で披露するのは初めてとのこと。
今回の来日直前に実現したデュトワへのインタビューで、マエストロはユジャについて次のように語っています。
「(ユジャ・ワンに)初めて会ったのは彼女が16歳の時でした。彼女がフィラデルフィアのカーティス音楽院で師事していたゲイリー・グラフマンから連絡があって、“彼女の演奏をどうか一度聴いてみてほしい”と誘われたのです。演奏を初めて聴いた時は文字通り、耳を疑いましたよ。アンビリーバブル! 稀有な才能を持っていると確信しました――勿論、技術の高さに驚かされたわけですが、さらに“音楽家として最も重要な点”が秀でていることに感銘を受けました。つまり、彼女の音楽に対する感受性の豊かさに心打たれたのです」 2009年にロイヤル・フィルの芸術監督に就任したデュトワですが、このオーケストラとは60年代からの長い付き合いだといいます。
「ずいぶん昔に遡りますが……。まだ指揮者として駆け出しの頃に、私のロンドン・デビュー [注:1966年] で演奏を共にしたのが、ロイヤル・フィルなのです。ですから現在、この楽団の首席指揮者と芸術監督を自分が兼ねているのは“めぐり合わせ”でしょう。このオーケストラ を1946年に創設したサー・トーマス・ビーチャムが、20世紀に多くのすぐれた新作を委嘱した偉大な人物であったという点にも惹かれています。そうした諸々の理由から、私は常にロイヤル・フィルとは強い結びつきを感じているのです。彼らとは世界中で幾度も共演しています。極めて反応が速く、かつ、とても器用なオーケストラだと評価しています」 サントリーホール公演のほか、25日(火)には文京シビックホール、26日(水)には東京文化会館でも公演があり、それぞれ違うプログラムが予定されています。
オーケストラからどんな音でも引き出すミラクルな技を、ぜひご自身の目でお確かめください!