辻一郎のソロ・ユニット“
Dissecting Table”が、13枚限定の作品『Moral Collapse』をCDRで9月11日(日)にリリースします。
辻一郎は、東京で1986年から“Dissecting Table”という名義でノイズ・インダストリアル・ミュージックの制作を開始し、1998年に故郷の広島に戻り音楽活動を展開。おもに自主レーベル「UPD organization」とヨーロッパとアメリカのレーベルよりレコードやCD作品を発表してきました。初期、中期の作品は、シンセサイザー、サンプラーをシーケンサーで制御することで作品を制作していましたが、2012年頃から、コンピュータでUSB接続デバイスから出力されるPWM信号を制御して音楽制作を行なうようになり、現在は、独自のシンセサイザーシステムを開発しながら作品を制作しています。
開発したシンセサイザーシステムのコンピュータとuniversal serial bus(USB)接続デバイスは、USBインターフェースで接続されます。USB接続デバイスは、5つの pulse width modulation(PWM)信号を出力することができます。
本作の1曲目は、USB接続デバイスから4つのPWM信号を出力して、4つのフィルタに入力。フィルタは、2つの複合型シンセサイザー、オールパスフィルタ及び、状態変数フィルタが用いられました。複合型シンセサイザーは、ウィーンブリッジ発振器や乗算器などで構成されています。この曲は、ラインセレクタでPWM信号とフィルタの接続の変更を行ないませんでした。4つのPWM信号は、断続的に演奏されますが、あるPWM信号が演奏しない時は、別のPWM信号が演奏することにより、曲が持続的になり、フィルタが変更されて音色が変化します。
また、3曲目では、USB接続デバイスから5つのPWM信号を出力して、5つのフィルタに入力。フィルタは、2つの複合型シンセサイザー、バイカッド回路、オールパスフィルタ及び、状態変数フィルタが用いられました。この曲は、ラインセレクタでPWM信号とフィルタの接続の変更を行なっているため、フィルタの音色が様々に変化しました。また、ラインセレクタを用いたため、1曲目よりもこの曲の方が、音色の変化が激しくなっています。1つのPWM信号を持続的に演奏して、4つのPWM信号を断続的に演奏しました。複合型シンセサイザーと状態変数フィルタでハードな音色作りを行い、ハーシュノイズを制作しました。