たとえば「ワンダーランド」や「ウラワン」で、「次のせ〜の!で - ON THE GREEN HILL -」や「ここからだ!」がパフォーマンスされたのは知っているし、体感した人も多いだろう。その2曲に限らず、9年の間に発表してきた楽曲たちは、すでにステージで磨かれた状態で新しいアルバムに収録されることになるだろう。そのことは、アルバムというパッケージ(吉田美和は“家”と表現する)においてもツアーという場所においても大いなる可能性を含んでいるように思える。なぜなら、共通の理解があるからこそ超えていける楽曲の完成度やストーリーの解像度のアップ、演者と観客が一緒になって表現できる余白が残されているという自由度は、とくにツアーに寄せて言えば、これまでで一番“参加”することに意味のあるライヴであり、より“私たちのドリカム”を一緒に立ち上げることのできる可能性に満ちているのだ。一人ひとりがこの9年で温めてきた“私のドリカム”を持ち寄って、ひとつの大きな“私たちのドリカム”をつくる――それこそが、DREAMS COME TRUEがずっと描いてきた理想のライヴであり、一方通行ではないライヴ・エンターテインメントの新しい形なのだと思う。
今度のDREAMS COME TRUEのツアーは、「ワンダーランド」のきらめきと、「ウラワン」の深い楽曲世界の両方が楽しめるスペシャルでユニークなものになる――そう断言しておこう。