故郷・奄美大島に生活の拠点をおき、独自のスタンスで活動を続ける
元ちとせ。終戦70周年となる2015年、“忘れない〜繰り返さない”というコンセプトのもと、「今こそもう一度、平和を真剣に考える年になって欲しい」という平和への思いをこめたカヴァー・アルバム『平和元年(へいわがんねん)』を7月22日(水)に発表します。
本作に収録されている楽曲は、2011年にシングルでリリースされた「永遠(トワ)の調べ」以外はすべて新録。
谷川俊太郎、
寺山修司、
あがた森魚、
松任谷由実らによる作詞曲や、
中川五郎、
加藤登紀子、
岩谷時子らが日本語詞を手がけた洋楽曲と、全12曲が収められています。
元ちとせは今作へ込めた思いについて、「戦後60年が経った2005年、過去に戦争があった事を風化させない為にと思い、坂本龍一氏とのコラボレーション曲〈死んだ女の子〉を発表しました。戦後70年を迎える今年、『平和を祈る思い』『忘れない、繰り返さないという願い』をシンガーとして歌い継ぎ、母として残していければと思い、レコーディングに臨みました。このアルバム『平和元年』が、平和を思うきっかけになってくれればと思っています」と、言葉を寄せています。
サウンド・プロデューサーは、デビュー前から元ちとせの制作活動を支える間宮 工が担当(全曲ギターでも参加)。「美しき五月のパリ」「死んだ男の残したものは」「ケ・サラ」は、ドラムに
ASA-CHANG、ベースに
沖山優司、キーボードに
Dr.kyOnが、「腰まで泥まみれ」「スラバヤ通りの妹へ」「最后のダンスステップ」には
ルースターズの
池畑潤二、
井上富雄が参加。「最后のダンスステップ」では、今作の趣旨に賛同した
佐野史郎とのデュエットも。
また回、元ちとせが戦後60周年の年に、
坂本龍一プロデュースにより発表した「死んだ女の子」の収録も決定。これまでも、広島の原爆ドームの前や、岡本太郎が原爆の炸裂する瞬間を描いた『明日の神話』の前で歌うなど、平和への思いを込め歌い続けてきたこの楽曲、毎年夏に期間限定で配信が行なわれてきましたが、永久仕様となるCD通常盤に収録されるのは今回が初となります。
このアルバム『平和元年』の選曲に唸らされました。60年代終盤から70年代初頭にかけて、思春期に心奪われた楽曲の数々。戦後70年を迎える今、歌い継がれてきたこれらの作品が、元ちとせさんの声により「今」の唄として新たに我々の胸に突き刺さる。参加させていただき光栄です。――佐野史郎