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宮沢りえ、池松壮亮、吉田大八監督『紙の月』、東京国際映画祭で舞台挨拶

宮沢りえ   2014/10/27 15:15掲載
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宮沢りえ、池松壮亮、吉田大八監督『紙の月』、東京国際映画祭で舞台挨拶
 開幕した〈第27回東京国際映画祭〉、10月25日(土)にはコンペティション部門での唯一の邦画作品となった『紙の月』の記者会見、公式上映前の舞台挨拶が行なわれ、主演の宮沢りえ池松壮亮、そして吉田大八監督が登壇しました。

 まず記者会見では、「海外メディアにも注目されて興奮しています」(宮沢)、「この映画祭から作品が勢いづけばいいなと思います」(池松)、「コンペティションという言葉の意味はわかっているつもりです。競争ですから、負けたくはありません」(吉田監督)との意気込み。国内外の記者から多くの質問が寄せられるなど、本作への期待値の高さが伺える内容に。

 記者会見終了後には、本作の公式上映が行なわれるTOHOシネマズ六本木スクリーン7に移動し、舞台挨拶。薄いピンクのミニ・ドレスという華やかな装いの宮沢をはじめ満席の客席から大きな拍手で迎えられると、一般のお客さんへの初お披露目ということで緊張感も漂わせつつ、3人は和気あいあいとした雰囲気で撮影秘話やお互いの印象などを語りました。

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(C)2014「紙の月」製作委員会

『紙の月』記者会見 / Q&Aより

――コンペティション部門の日本代表として、世界に挑むわけですが、自信のほどはいかがでしょうか?

吉田監督 「普段は日本語でものを考えて作っているので、日本以外の広い世界ではどういう位置づけで見えるのか、想像するのは刺激的で楽しみです」

宮沢 「監督は撮影中はとても緻密な演出をなさる方で、梨花という役、『紙の月』という作品はこれ以上は出来ないというぐらいの思いでどのシーンも作り込んで、それが積みあがって出来上がった作品です。自信を持って、胸をはって、皆さんにお見せできる作品になっています」

池松 「コンペに選ばれたからには、自信を持って結果を待ちたいと思います」

――(アメリカの記者から質問)エンドロールに流れる曲は「ファムファタール」という母国アメリカの音楽でしたが、この曲を選んだ理由を教えてください。

吉田監督 「好きな曲なんです(笑)。男性が女性を見つめている曲だと思うのですが、「ファム ファタール」になれる人ってそうそういないですよね(笑)。梨花が見送られながら、向こう側に歩いていくイメージなんです。すべての男性が彼女を見送っているわけです。あと、宮沢さん演じる梨花の姿とニコの歌声がマッチするんですよね」

――この映画祭で国内外問わず注目されるわけですが、今、海外から出演オファーがあったら積極的に参加されますか?

宮沢 「素敵な監督と脚本があれば、どこへでも飛んで行くつもりです!」

――先日のレッドカーペットイベントで、「7年間ためていたものをすべて出し切った」とおっしゃっていましたが、その「ためていたもの」とはなんですか?

宮沢 「7年間舞台を経験していました。30歳で野田秀樹さん演出の『透明人間の蒸気(ゆげ)』(2004年)に出させていただいたとき、自分の無力さを痛感したんです。それで40歳になるまでは出来るだけ身も心も舞台に費やしたい、舞台にきちんと立てる役者になりたいと思ったんです。その間も映画のオファーはありました。でも、40歳までの目標を達成するために舞台をやってきました。そこで学んだこと、豊かになったことがたくさんありました。そろそろ映画をやりたいと思ったときに、ちょうどこの映画のオファーをいただいたんです。タイミングってとても大事ですね。7年間ためておいたものを全部放出できました!」

――今のお話をお聞きになって、監督いかがですか?

吉田監督 「蜷川幸雄さんや野田秀樹さんなど、世界的な舞台演出家とお仕事をされて、映画から距離をとっていらしたのを映画人としては悔しく思っていました。この作品をオファーするときも一か八かという感じでした。タイミングが良かっただけというのは後で知りましたけど(笑)。彼女が引き受けてくれたことで勝負できる作品になったと、改めて自信を持ちました」

宮沢 「タイミングが良かっただけではなく、吉田監督にも興味があったんですよ(笑)」

『紙の月』舞台挨拶より

――一言ずつご挨拶をお願いいたします。

吉田監督 「一般のお客さんに観ていただく最初の日なので、武者震いしています!」

宮沢 「梨花という役を演じると決めてからこれまで地球3周分マラソンをしたぐらいのエネルギーを使いました。初日がゴールだとすると、そろそろゴールが見えてきて歓声が聞こえてきそうなクライマックスに差し掛かったところです。観た方がどのような感想を言ってくださるのかとても怖いですが、妥協せずに大切に携わってきた作品ですので、楽しんでご覧いただきたいと思います」

池松 「劇場公開前に観てもらうのはとても緊張します。この映画祭で間口が広がって、どうなるのかワクワクしています。ぜひ応援してください!」

――7年ぶりの主演ということで、どのように臨まれましたか。

宮沢 「脚本をいただいて役作りをするとき、いつもはモデルのような人がいるのですが、今回は“こんな人いない!”と初めてモデルがまったく見当たらない役でした。このような危険な女性を演じきることができるかという不安はありましたが、吉田監督と手探りで始めて、池松さんとのやりとりがあって、ようやく梨花という輪郭が見えてきました。最後には熱を帯びた梨花が出来上がっていました」

――ヒロインが堕ちていくきっかけにもなった光太を演じた池松さん。宮沢さんとの共演はいかがでしたか。

池松 「撮影は1ヵ月ちょっとだったのですが、りえさんの10%もわかった気がしないです(笑)。ただ、この仕事をしていていろんな女優さんとお会いしてきましたが、りえさんに出会って、一つの作品に身も心もすべて投げ出せる人を、僕は初めて見ました」

――宮沢さん、池松さん、お二人の印象はいかがでしたか。

吉田監督 「宮沢りえさんにやっていただくことからスタートした作品です。主人公の梨花は逃げながら大きなものに立ち向かっていくんですが、その中にも繊細な心の揺れが見えるんです。ダイナミックなスケールの大きな表現とミリ単位の繊細な表現をどちらも彼女が完璧にこなしてくれて、それを余すことなくフィルムにこめた自信があります。池松くんとは二度目の仕事だったんですが、今回は宮沢さんの新しい表現を引き出す役目でした。その大役をきっちり果たしてくれました」
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