生誕90周年を迎えた伝説のジャズ・トランペッター、
ドナルド・バード(Donald Byrd)が、1973年にモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演した際のライヴ音源を収録する『
ライヴ:クッキン・ウィズ・ブルーノート・アット・モントルー』が12月9日(金)に発売されます。本音源の商品化は今回が初。アルバムからの先行シングル「ブラック・バード」が公開されています。
1973年7月、ブルーノート・レコードのスタッフは同レーベルに在籍するアーティストが多く出演するモントルー・ジャズ・フェスティバルの会場に向かいました。そこで録音され、当時の社長ジョージ・バトラーによってプロデュースされたライヴ・アルバムはすべて『ライヴ:クッキン・ウィズ・ブルーノート・アット・モントルー』と題され、
ロニー・フォスター、
マリーナ・ショウ、
ボビー・ハッチャーソンらが同名アルバムを発表しています。
同年バードは
マイゼル・ブラザーズと作り上げた傑作アルバム『
ブラック・バード』で大きな成功を収めていましたが、今回のライヴ音源ではその勢いをそのままパッケージしたようなすさまじい熱量によるパフォーマンスを聴くことができます。マイゼル・ブラザーズや
ネイサン・デイヴィスなど10人編成によるバンドで「ブラック・バード」のほか、「ザ・イースト」、「クワミ」、「ポコ・マニア」といった未録音のバード・オリジナル、そして
スティーヴィー・ワンダーの「ユーヴ・ガット・イット・バッド・ガール」の素晴らしいカヴァーを収録。
本作について、当時バードの作品に大きな役割を果たしていたマイゼル・ブラザーズのラリー・マイゼルは、「兄のフォンスと私は、ブルーノートの招待で1973年のモントルー・ジャズ・フェスティバルに参加して演奏するための旅に出た。当時、ドナルド・バードのアルバム『ブラック・バード』は、ボビー・ハンフリーの『ブラックス・アンド・ブルース』とともにブルーノートにとって大きな成功を収めていた。アメリカン航空の飛行機では、機内音楽として『ブラック・バード』から様々な曲が流れていたよ」と語っています。
また、現在のブルーノートの社長
ドン・ウォズは、今回の商品化について「2013年にバードが亡くなった直後、私たちはイギリスの著名な音楽アイコン、ジャイルズ・ピーターソンから、1973年のモントルー・ジャズ・フェスティバルでの伝説的な演奏について問い合わせのメールを受け取った。なんと、そのテープはブルーノートの保管庫にしまわれていたのだ。16トラック、2インチのアナログ・マスター・テープは、ドナルド・バードの70年代の音楽がより生々しく、よりハードなものであることを明らかにしてくれた。このジャズ界の不滅のレジェンドへの特別なトリビュートとして、またブルーノートの社員と同じように、彼が残した音楽を大切にしている多くの愛好家への贈り物として、我々は誇りをもって、1973年7月5日のモントルーでのライヴ音源である本作をお届けする」とコメントしています。