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ケニアの知られざる音楽家“ジョセフ・カマル”、編集盤『Heavy Combination』リリース

2025/09/17 16:49掲載
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ケニアの知られざる音楽家“ジョセフ・カマル”、編集盤『Heavy Combination』リリース
 ケニアの知られざるローカル・ヒーロー、故ジョセフ・カマル(Joseph Kamaru)の編集盤『Heavy Combination』が10月31日(金)にリリースされます。

 ジョセフ・カマル(1939〜2018)は、アフリカの外ではほとんど知られていませんが、1967年以来、母国ケニアの音楽シーンに多大な影響を与えてきた人物。初期のヒット曲「Celina」と「Thina wa Kamaru」は、妹とともに録音したリズミカルなダンス曲であり、これがカマルをケニアでもっとも有名なベンガとゴスペルの音楽家の一人へと押し上げる礎となりました。1980年代後半には、当時外国人アーティストしか出演しなかったカーニボア・レストランにて初のケニア人アーティストとして演奏しています。

 彼は母語であるキクユ語で多くの歌を歌い、政治活動家であり国民的アイコンでもありました。推定50万枚のレコードを売り上げた彼の音楽は、人生の教訓、政治、社会問題を幅広く取り上げており、政府を称賛するものもあれば批判するものもあったとのこと。90年代に入ると、長年の世俗音楽の演奏をやめることを発表し、ゴスペル音楽に転向。孫であり同名のジョセフ・カマル、すなわちKMRUは現在ベルリンを拠点に音楽家・サウンドアーティストとして活動しています。

 KMRUは、祖父のアーカイブを掘り起こし、古いカセットを何十本もデジタル化し、Bandcampページを立ち上げ、現在までにおよそ50作品をアップロードしています。これが発端となり、レーベル「Disciples」とのやりとりを経て、愛情のこもった本作『Heavy Combination』が完成。音源は、ベルリンのDubplates & Masteringにて丁寧にリマスタリングされているほか、スリーブはカマル家のアーカイブ資料を使用。Karolina Kolodziejがデザインを担当し、ライナーノーツには、ケニアの学者Maina wa Mutonya、音楽ジャーナリストMegan Iacobini de Fazio、そしてKMRU自身によるエッセイが収められています。レーベルとカマル家は、この作品のリリースを通じて、このケニア音楽界の象徴的人物に対する認知とリスナー層の拡大を願っており、国内流通仕様盤CDにはライナーノーツの日本語訳も封入されます。

 収録される17曲は、ハイライフ風のギターを用いた活気あふれるダンスフロア向けのチャントから、アフロ・ファンク、ドラムマシンやキーボードを駆使したディスコ・グルーヴ、フォーク調の哀歌に至るまで幅広い内容。生々しく、直接的で、踊れるだけでなく、心に残るフックに満ちている一方、鋭い歌詞はプロテストソングから恋愛指南にまで及びます。クルアンビンを筆頭に盛り上がりを見せるオリエンタル・ファンクの源流をも感じさせる貴重なコンピレーションを是非チェックしてみてください。

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■2025年10月31日(金)リリース
ジョセフ・カマル
『Heavy Combination』

beatink.com/products/detail.php?product_id=15362
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