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アース・ウインド&ファイアー「日本のファンは最高だ!」ベストヒット・ライヴをレポート!

アース・ウインド&ファイアー   2012/05/21 15:57掲載
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アース・ウインド&ファイアー「日本のファンは最高だ!」ベストヒット・ライヴをレポート!
 一夜限りのアース・ウインド&ファイアー(Earth, Wind & Fire / 以下、EW&F)デビュー40周年コンサートの開催が急遽発表され、わずか1ヵ月で5千枚のチケットが完全にソールド・アウト! 5月17日(木)の東京国際フォーラム・ホールAは、まさに立錐の余地もないオーディエンスで埋めつくされました。

 定刻を過ぎた19:15。会場が暗転し、コーラス / パーカッションの若手2人が飛び出してきてオーディエンスを煽る中、EW&Fの3人、フィリップ・ベイリー(vo, perc)、ヴァーディン・ホワイト(b)、ラルフ・ジョンソン(vo, perc)が登場すると観客は総立ち! そのまま「ブギー・ワンダーランド」のイントロが流れると、オーディエンスのテンションはいきなりマックス。3人とも1951年生まれ(フィリップが61歳、他の2人は60歳)とはとても思えない軽やかなステップ。

 続く「シング・ア・ソング」では、メンバーが輪になってとび跳ねながら踊る。まばゆい白い衣装に、白いベース・ギターのヴァーディンは、「太陽の戦士」で激しいベース・ソロを披露。1975年の名作ライヴ『灼熱の狂宴』にも収録されたラムゼイ・ルイスとの共演曲「太陽の女神」ほどより、それまでの70年代のディスコのダンスフロアのような喧騒からジャジーでメロウな空気に変わりはじめる。

 「カリンバの歓喜誘惑」のイントロでは、フィリップがモーリス・ホワイトに代わってカリンバ(親指ピアノ)をプレイ。EW&Fの総帥であるモーリス・ホワイトは闘病生活のため第一線から退いていますが、そんなことを感じさせないバンドのタイトな演奏は、やはりEW&Fならでは。フィリップ・ベイリーの息子のフィリップ・ベイリーJr.ら若手2人がツアーに参加しはじめたことが、メンバーたちに刺激を与え、バンドを若返らせているのでは。

 EW&Fのアンセムともいえる「暗黒への挑戦」から、「今日ここに来ている恋人たちのため」にと前置きした至極のバラード「ラヴズ・ホリデイ」、デヴィッド・フォスター作で全米2位「アフター・ザ・ラヴ・ハズ・ゴーン」は椅子に座りながら歌うなど、中盤はしっとりとしたスロー / ミッド・テンポのナンバーが並ぶ。「リーズンズ」では天にも昇るような美しいファルセットが響き渡る。

 クラシカルなキーボードのインプロビゼーションに導かれるように「宇宙のファンタジー」のイントロがはじまると、広い東京国際フォーラムの最上階の一番奥まで全員が立ち上がり、歓喜の時へ……! 70年代からのベテランのファンも、20代・30代の若いファンも全員が揺れるように踊り、それに呼応するようにフィリップのハイトーンがますます響きわたる。さらに、ファンが最も好きな曲を決める企画「WE LOVE EW&F」第1位にも選ばれた「セプテンバー」のギターのイントロがはじまると、ステージ上のヴァーディンが観客へ“前に来い”と煽る。ステージ前は詰め寄ったオーディエンスで埋め尽くされ、さながらディスコのような状態に。腕を振りながら踊り狂う姿は、今が70年代かのような錯覚を起こすほど!


アース・ウインド&ファイアー


 間髪を空けず80年代を代表するダンス・クラシック「レッツ・グルーヴ」を繰り出し、推し曲TOP3を連投! そのままメドレーで1974年の「宇宙よりの使者」になだれ込み、観客とのコール&レスポンス。メンバー3人がファンに挨拶をしながらステージから去り、コンサートは幕を下ろしたかに見えたものの、間をおかず3人は再登場。1979年の名作『黙示録』のオープニング曲で、ホーンが炸裂する「石の刻印」を演奏。会場が一体となった心地よい雰囲気の中でデビュー40周年コンサートはフィナーレを迎えました(ちなみにフィナーレで、フィリップが抱きかかえていた2人の女の子は、親戚の娘さんとのこと)。

 演奏がほとんど止まることなかった1時間45分。まさにEW&Fの40年の歴史を凝縮したようなヒット曲だらけのコンサートは、良質のエンタテインメントそのもの。オーディエンスに対し「41年もの間、僕らをサポートしてくれてありがとう」とフィリップは挨拶しましたが、彼らは50周年に向けてすでに動き出しています!

 40年もバンドを続ける秘訣をインタビューで聞かれ、「ミュージシャンシップ」「素晴らしい楽曲」、そして「何よりもEW&Fスピリット」と答えた通り、彼らは現役バンドとして今もEW&Fスピリットで邁進しており、秋には7年ぶりの新作がリリースされる予定! こちらにも大いに期待です!(Photo by Yuki Kuroyanagi)
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