大貫妙子 2003/04/25掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
大貫妙子の初期作品を収録したベスト盤が5月1日に出ます! すでに作品をすべて揃えてしまっている筆者のようなファンには、特にレア音源も無く無用ですが、これから70年代のシティポップスの何たるかを知ろうとしている若い音楽ファンには、かなりいいアイテムだと思いますよ!
しかし初期作品と言えば、「横顔」や代表曲の「突然の贈り物」など名曲多数な初期の傑作中の傑作、
『MIGNONNE』(写真)からは1曲も入っていないのが残念でならない。が、しかし全体的にグルーヴィーな曲でまとまってるのは新鮮味があって良いかも! シュガーベイブの復刻CDのボーナス・トラックにはライヴ・ヴァージョンが収録されていた「愛は幻」の大貫ヴァージョンは、上原ユカリの超絶ファンク・ドラムが今聴いても抜群にカッコイイ! フィラソウル調の傑作「サマー・コネクション」が入ったのは嬉しいが、残念ながらアルバム・ヴァージョン。これは倍速テンポで演奏した清涼感たっぷりのシングル・ヴァージョンを入れて欲しかったな!(アルバムはみんな持っているわけだから)レア・グルーヴとして名高い「くすりをたくさん」、「都会」ももちろん収録。ジャズを経由してから、これらの曲を聴くと、いかに素晴らしく洗練された楽曲だということが良くわかります。特に「都会」など、フュージョン寄りのサウンドは、エリック・タッグなんかに通じるLA流儀で、心地良いのひと言! この頃の
細野晴臣のベースはチャック・レイニー直系って感じですね!
さらに嬉しいオマケは、
松任谷正隆(マンタ)の唯一のソロ・アルバムに収録されて、ゲストで大貫妙子が歌った、隠れた名曲「荒涼」(作詞はユーミン)を収録! これはね、暗いけど、とてもイイ曲なのでぜひ聴いてください! ついでに、この松任谷正隆のソロ・アルバム『夜の旅人』(CRCP-149)は、キャラメルママを総動員したファンキーなポップスが楽しめる、素晴らしいアルバムなので、聴いたことがない人にはオススメです。ユーミンに提供した異色のディスコ・ナンバー「ホンコン・ナイト・サイト」(『水の中のアジアへ』収録)の自身によるセルフ・カヴァーでは、マンタの意外にも熱いヴォーカルが聴けます!
と、話が逸れましたが、今回のベスト盤を聴いて、大貫妙子〜EPO〜遊佐未森へと続く、ふわりと優しい癒し系シティーポップスの歴史を辿ってみてください!