“金沢三文豪”のひとりである室生犀星が遺した小説を石井岳龍監督が映画化、2016年の公開を予定している『蜜のあわれ』。先日明らかにされた二階堂ふみ、大杉 漣に加え、新たに真木よう子の出演が発表されました。

　室生犀星の理想の“女（ひと）”の結晶といわれ、変幻自在の金魚の姿を持つ少女“赤子”と、老作家との会話で構成された超現実主義的小説を映画化した『蜜のあはれ』。本作では、妖艶な美しさを兼ねそろえた魅惑的な赤子を二階堂ふみが熱演、老作家を大杉 漣が演じ、さらに、老作家の過去の女である怪しげな幽霊として三角関係を繰り広げる“田村ゆり子”役を真木よう子がつとめます。

今回、フィルムでの撮影だったので、その中に役者として立っていられることを私は純粋に嬉しいなと思いました。気にし過ぎる事でも無いかもしれませんが、NG出したらフィルムがね……無駄にしたらいけない感じがするんですよ（笑）。今回演じたのは幽霊役なんですが、監督からは「感情がないわけではないんだけれども、どこか生と死の狭間を演じてほしい」と言われて。そんなこと言われてもできないですよね（笑）。だからこそ役者としてはやりがいがあって、今まで演じたことのない役どころなので面白いなと思い演じました。
――真木よう子

この役はとても難しかったと思います。幽霊だけど普通に見えるし、でもやっぱり幽霊だし、ギャグなのかシリアスなのかよくわからないオフビートな会話もたくさんあるし。私的も、どう演出したらベストなのか迷った時もありましたが、ご本人はさすがに演技勘が鋭く、天然でお茶目な面もあり、最終的に繋がってみると、ぴったり彼女ならではのキャラにハマって見え、さすがでしたね。
――石井岳龍監督