今年デビュー30周年を迎える
鈴木祥子が1998年から2000年まで在籍していたワーナーミュージック時代のオリジナル・アルバム3タイトル『
私小説』『
あたらしい愛の詩』『
Love, painful love』が、豪華4枚組のボックス・セットとなって復活。7月25日(水)より、通販とライブ会場のみで販売されます。
いずれも現在入手困難のこの3作品。移籍第1弾となった『私小説』(98年)は、制作当初に予定されていたオリジナル曲順どおりに復活。『あたらしい愛の詩』(99年)は、オリジナル盤の最後に一部リプライズとして収録されていた名曲「帰郷」の
デヴィッド・キャンベル編曲によるストリングス・セッションをフルサイズで収め「IN THE END OF THE BRAND NEW LOVE SONG」と題し装いも新たに収録しています。『Love, painful love』(00年)は、ベスト・アルバムのみに収録されていたアナザー・ヴァージョンやアルバム未収録曲等をボーナス・トラックとして追加収録。さらにDISC 4として、この時期に録音された未発表曲3曲を収録した18曲に及ぶデモ音源集を『SYOKO SUZUKI ULTRA RARE RECORDINGS』と題して初公開。そして48頁に及ぶブックレットには、名村 武、菅原弘明、山口州治、スタン・カタヤマ、
内田直之、
佐橋佳幸という各アルバムのディレクター / プロデューサー / エンジニアにインタヴュー。この時期の3作品を時代的・多角的に解き明かします。また鈴木祥子による全曲解説とアルバムのカヴァー・フォトのアウトテイクもふんだんに掲載。
なお、リマスタリングを担当したのは、ソニー・ミュージックスタジオの内藤哲也。SBM(スーパー・ビット・マッピング)ダイレクトを使用し、オリジナル・アナログマスターにより近い臨場感あふれるサウンドを再現しています。まさにワーナー時代の鈴木祥子の活動内容を完全凝縮した待望のリイシューとなります。
『THE COMPLETE WARNER RECORDINGS 1998→2000』はあなたに心地よい幻想を見せないかわりに生きている実感、があります。30代の女がこの国で、何かしら「自分」を持って生きようとした時の出口の無さ、を馬鹿正直に歌い上げる愚直さもさることながら、それをロックのサウンドで表現するってのは直球も直球、ひねりが無い故に説得力があります。ヒリヒリとして均一じゃない、歪んだり不安定だったりしながら常にひとつの方向を示すもの。その方位磁石の針が揺れながら指しているものは音楽、だと思います。――鈴木祥子。