来年結成30年を迎える
くるりが、9月から12月にかけて、4ヵ月連続でシングルを配信リリースすることが決定しました。
第1弾は約1年ぶりの新作「ワンダリング」を9月12日(金)にNOISE McCARTNEYよりリリース。力強いロック・バンドのアンサンブルに乗せて、軽快なハーモニーで幕を開けます。ヴァースのラップ調歌唱の後ろでは、新進気鋭のヴァイオリニスト山田周によるアイリッシュ・フィドル風のフレーズが縦横無尽に駆け回り、力強く歌心あふれるドラムは、旧知のドラマー
GRACEの素晴らしい演奏です。ブルース・ロックを演奏するバンド、くるりを再認識しつつ、心地よくドライブしながら楽曲を引っ張る
佐藤征史のベースも、少しいなたい
岸田繁のギターも、ざっくりと大胆な楽曲構成 / アレンジも、くるりらしくありながらとても新鮮な仕上がりになっています。
そして、11月から2026年1月にかけて全国14都市を巡る15公演の〈くるりツアー25/26 〜夢のさいはて〜〉の開催が決定。くるりオフィシャルサポーターズクラブ「純情息子」では、年会費コース会員向けの最速チケット先行受付もスタートしました。
また、8月15日(金)より、2025年6月1日にくるりが出演した〈NANO-MUGEN FES. 2025〉のライヴ映像ショート動画がオフィシャルSNSで毎週公開されます。ぜひお楽しみに。
[コメント]くるり新曲『ワンダリング』に寄せて奥田民生の『さすらい』を聴いたのは何年前だったろう。記憶というものは風化せずに、強く心に突き刺さったままその形や意味を変えていくことがある。
いつまで経っても怠け者の私は、さすらわぬまま、時が流れ去っていくことをじんわりと感じていた。
トラディッショナルにジェイムス・テイラーが詞をつけた『ワンダリング』という曲に出会った私は、心の中に柔らかい共感をおぼえた。そして慈悲に近い想いが湯水のようにこんこんと溢れ出した。
頑固で弱虫な、そして変化を恐れる自分自身の言葉を絞り出し、音楽をイメージにしたためることに成功した(ように思う)。
ここから先は私の物語でもあり、あなたの物語でもある。私に衝撃を与えたのは、先述した音楽家たちだけではない。心に突き刺さって抜けなくなった杭を、まるで親知らずを抜くようにググッと抜いた。その傷はなだらかに、そしてフラットになってゆく。ただ、親知らずという歯は、確かにそこにあったのだ。
変化を恐れずに旅を続けるということは、清水の舞台から飛び降りるような大袈裟なものではない。放浪とは、今までだらだらと生きてきたその結果だ。ただそれは決して怠け者の所作というわけではない。
私は私だ。どこかの誰かに権利を侵されるものでもない。杓子定規のようなものを使おうものなら、だだっ広い世界のことはおろか、自分自身のことは測れない。
そして、放浪とは孤独なものだ。孤独とは特別なものだ。誰かへの慈愛と、それが時空を超えて誰かに届くための祈りを生み出すための時間のことだ。
くるりを応援してくださっている皆さまへ。
お待たせしました。新曲『ワンダリング』を皮切りに、4ヶ月連続での新作リリースのお知らせです。
来る新作アルバムに向けて、久々にまとまった曲数の作品を鋭意製作中です。
今までのどの作品にも似ていない新しいくるりの作品群を、皆さまにお届けできるよう頑張ります。――岸田繁