マーラーの交響曲全集を、3月発売の交響曲第5番でスタートさせた
パーヴォ・ヤルヴィ指揮
チューリヒ・トーンハレ管弦楽団が、その第2弾として交響曲第1番「巨人」を10月31日(金)に発表します。アナログ盤での発売もあり。
第1弾はマーラーが器楽のみによる交響曲の新境地を切り開いた第5番の快演で大きな評判となりましたが、このチクルスを通して、前回描いたその肖像に若き日と後期の作品で肉付けし、拡大していくというのがプロジェクトの意図とのこと。パーヴォはマーラーを「人間の内面世界を真に探求し、その中で何が起こっているか問うことのできた作曲家」と位置づけ、その音楽は「彼の前に存在した音楽の歴史のすべてを包括している」と解釈しています。
今回発売される第1番では、初演時の「巨人」という曲名と各楽章に付いていた標題を、3年後にはもともと第2楽章として作曲された「花の章」とともにマーラー自身が放棄したことに触れつつ、この作品が持つ標題的性格は音楽そのものに深く刻まれていることに注目。細部までこだわりぬいた表情とバランス、明快なメリハリと力強い躍動感で、この作品の瑞々しい魅力を最大限生かしたすばらしい演奏を聞かせます。