3月30日に録音されたこの曲は、アンドリーイが2月27日に投稿したインスタグラムの映像から、キーウのソフィア広場で歌う彼の声を使用。投稿でアンドリーイが歌う楽曲「ああ、草原の赤きガマズミよ(英題:Oh, The Red Viburnum In The Meadow)」は第1次世界大戦中に書かれた、人々の心を鼓舞するウクライナのフォーク・プロテスト・ソングで、同国が侵攻されて以来、世界各地で歌われてきました。ピンク・フロイドの曲のタイトルは、同曲の歌詞の最後にある「さあ、立ち上がろう、勝利の喜びを(HEY HEY RISE UP and rejoice)」を意味する一節からきています。
ウクライナ人の義理の娘と孫を持つギルモアは「世界の超大国のひとつが平和な民主主義の独立国家を侵攻しその人民を殺しているという卑劣な行為に、僕たちもたくさんの人々と同じように憤りと苛立ちを感じてきた」とコメント。また、アンドリーイとブームボックスとの出会いとこの曲の成り立ちについてはこう語っています。「2015年に、メンバーが投獄されてしまったベラルーシ・フリー・シアター(注:ベラルーシの地下組織劇団)を支援するコンサートをロンドンのココ(Koko)で行なったんだ。プッシー・ライオットとウクライナのバンド、ブームボックスも出演していた。彼らも自分たちのセットを演奏するはずだったけれど、シンガーのアンドリーイにビザの問題があって、残りのメンバーが僕のセットのバックを務めてくれたんだ。その晩はアンドリーイに〈あなたがここにいてほしい(Wish You Were Here)〉を捧げた。最近、アンドリーイがブームボックスのアメリカ・ツアーを離れてウクライナに帰国して、領土防衛隊に参加したという記事を読んだ。その後インスタグラムで素晴らしい動画を見たんだ。彼がキーウの、美しい金色のドーム屋根のある教会のある広場に立っている。そして、戦争のせいで交通や喧騒のまったくない静かな街の中で歌っているんだ。とても力強い瞬間だった。それを音楽にしたいと思ったんだ」