8月25日は、94年前の1931年の同日に東京都大田区羽田に国内初となる民間航空機専用空港「東京飛行場」(現・東京国際空港)が開港したことを記念して、「東京国際空港開港記念日」に制定されています。当時、民間航空会社は立川陸軍飛行場を使用していましたが、軍との共用で制約が多かったこともあり、民間の航空の需要が高まったタイミングで、東京中心部からもほど近い羽田の地に目を付け、1930年より空港施設の建設工事を開始。その後、いくつかの試験飛行を経て、翌年の8月25日に東京飛行場(羽田飛行場)が開港しました。
開港当初は飛行機1台が発着できるくらいの規模でしたが、その後改修と拡張を重ねて、1952年に「東京国際空港」(通称「羽田空港」)に改名、現在は成田国際空港とともに首都圏および日本の空の玄関口、日本最大のハブ空港にまで発展しています。
その羽田空港の開港日にちなんで、“羽田”にまつわる楽曲を7曲紹介していきましょう。
まずは、
フランク永井が歌った「羽田発7時50分」です。
岡田真澄のほか自身もフランク役で出演したアクションスリル映画『羽田発7時50分』の主題歌として1957年にリリースされました。同年には永井の代表曲のひとつ「
有楽町で逢いましょう」も発表しています。
続いて、
ハイ・ファイ・セットの「土曜の夜は羽田に来るの」です。旅が好きだった今は帰らないあなたに会えるかと思って、土曜の夜はたったひとりで羽田に来てしまう……という悲しく切ないこの曲は、1975年に4thシングル「スカイレストラン」のB面として発表されました。作詞は“ユーミン”こと
荒井由実で、作曲は
赤い鳥「翼をください」や
ピーター「夜と朝のあいだに」、
辺見マリ「経験」などのヒットで知られる
村井邦彦です。シングルA面曲ではありませんが、ファンに根強い人気がある曲として愛聴されています。
2012年には、
TOKIOが45thシングルとして「
羽田空港の奇跡 / KIBOU」をリリース。
松岡昌宏が主演を務めたドラマ『13歳のハローワーク』の主題歌に起用されました。同曲は2004年に「トランジスタGガール」を作詞・作曲した
クレイジーケンバンドの
横山剣が楽曲を提供。“昭和”の匂いを存分に漂わせた横山らしいサウンドとなっています。
もうひとつ、横山剣つながりで挙げておくのは、
シシド・カフカの「羽田ブルース」です。2017年にシシド・カフカの横山剣 with CRAZY KEN BANDとの初コラボレーション曲としてリリースされました。横山ならではの昭和のムード漂う平成のデュエットソングで、シシド・カフカと横山剣が初共演というトピック以上に、同曲のミュージック・ビデオにて、それまでシシド・カフカのトレードマークともいえるロングヘアをバッサリと50センチ断髪し、ショートカットに変貌したシーンも話題となりました。
5人組バンドの
wacci(ワッチ)は、2012年のミニ・アルバム『
ウィークリー・ウィークデイ』にて「羽田空港」を発表。ゲートの中へ消えて、遠くの空へ飛び立つ“君”との別れを綴った、センチメンタルなナンバーとなっています。同曲は2016年リリースの1stフル・アルバム『
日常ドラマチック』でも聴くことができます。
山本譲二に見いだされ、2012年にメジャー・デビューを果たした韓国出身の男性歌手
パク・ジュニョンは、2016年に6thシングルとして「
羽田発」(写真)をリリース。見送りに来ない別れた恋人を空港ロビーで探すなど後ろ髪を引かれながらも、振り返らずにしあわせ行きの白いジェットに乗ると意地を張る、女心を歌っています。
最後は、
一十三十一(ヒトミトイ)の「羽田まで」です。コケティッシュな魅力でシティ・ポップを歌う“媚薬系”シンガーで、2025年は東洋化成のシティ・ポップに特化したアナログ・レコード・イベント「CITY POP on VINYL 2025」のアンバサダーにも就任しています。「羽田まで」は、2014年のミニ・アルバム『
PACIFIC HIGH / ALEUTIAN LOW』にて発表。作・編曲を務めた
KASHIFがデュエットでも参加した、スウィートなアーバン・ラヴ・ソングとなっています。