葉加瀬太郎   2010/08/03掲載
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 “あらゆる世代にも楽しめる夏フェス”こと、音楽フェスティヴァル<情熱大陸 SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA'10>がいよいよ開幕!

 9年目となる今年の記念すべき初日、大阪公演が7月31日(土)に万博記念公園もみじ川芝生広場で行なわれました! オーガナイザーである葉加瀬太郎を始め、豪華出演者による夢の共演の模様をライヴ・レポートで随時更新!


情熱大陸 SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA'10
大阪公演レポート








 岡本太郎作の太陽の塔のそば、7月31日(土)に万博記念公園で開催された<情熱大陸 SPECIAL LIVE>の大阪公演に行ってきました! 当日の大阪の気温は33℃! もの凄〜く暑い野外会場に、15,000人のお客さんが大集結。オープニング・アクトをつとめたカサリンチュの演奏が終わって12:30、<情熱大陸 SPECIAL LIVE>のオーガナイザーであり元祖夏祭り男、葉加瀬太郎が登場し、高らかに開会宣言。情熱大陸フェス大阪公演が幕を開けました!(東京公演に出演されるアーティストの演奏曲目は掲載しておりません)


01. おいしいうたファミリー(12:30〜)


 オープニングを飾るのは、おいしいうたファミリー。「おいしいうた」はMBS / 毎日放送が2008年10月から毎月、西日本地域でゆかりのあるアーティストの1曲を推す音楽にまつわるプロジェクトで、今年1月には歴代の収録曲を収録したコンピCDも発売。“おいしいうたファミリー”はこれまでに担当したアーティストが参加した特別ユニットで、今年の1月度の曲「明日の空」を演奏。地元、関西ではお馴染みの曲ということもあり、6人のアーティストの共演で1発目から盛り上げています。


※おいしいうたファミリー・メンバー
(“おいしいうた”を担当した月度):中孝介(09年9月)/植村花菜(09年2月)/前川真悟(from かりゆし58/08年11月)/しおり(09年7月)/ji ma ma(09年5月)/まきちゃんぐ(09年6月)

【セットリスト】
01. 明日の空(2010年1月度・おいしいうた)






02. 秦 基博(12:45〜)


 2番目は、昨年に続いての出演となる秦 基博がアコースティック・ギターを携えて登場。独特の美声を広い会場の隅々まで届くように、朗々と唄い上げます。3曲目には葉加瀬太郎も登場し、ヴァイリオンとヴォーカルが美しく絡み合うコラボレーションを披露。


【セットリスト】
01. フォーエバーソング
02. シンクロ
03. 虹が消えた日(w/葉加瀬)
04. アイ






03. Sing Like Talking(13:15〜)


 3番目に登場したのはSing Like Talkingの3人。グループとしての活動は2003年秋の<RENASCENCE>ツアー以来、なんと7年ぶり(昨年5月31日に大阪城ホールで開催されたイベントで1日だけ復活)! しかも、この<情熱大陸 SPECIAL LIVE>大阪公演が、そのお披露目の場として選ばれたこともあってか、3人が揃って登場するや会場のオーディエンスもヒートアップし、1曲目から懐かしのナンバーを披露。佐藤竹善は2003年の第2回から8年連続出演する同フェス最多出場のレコード・ホルダー。グループとしての参加は初めてですが、葉加瀬太郎とは息のあった絶妙なコンビネーションで、SLTバラードの名曲を競演。あのSLTのソウルフルでファンキーなステージが完全復活。東京、札幌公演でもたっぷりと魅せてくれそう。お楽しみに!





04. SLUG & SALT (13:45〜)


 藤井尚之(sax)に、日本を代表するプレイヤーの屋敷豪太(ds)、有賀啓雄(b)、松本圭司(key)が集まって結成した噂の新ユニットの登場です。インストゥルメンタル・バンドなのに、藤井尚之のサックスがヴォーカルのようなメロディを奏で、グルーヴ感溢れるドラムとベース、オルガンが渾然一体と絡んでいく様はもの凄くカッコいいです! 14時前と真っ昼間の時間帯なのに、SLUG & SALTが演奏すると周囲は、なんだか大人な夜の世界。11月には東京でワンマン・ライヴもあるよう。お酒を飲みながらフルステージで見てみたいです。SLUG & SALTも東京・札幌に出場します。お見逃しなく! マジでカッコいいです。





05. JUJU (14:00〜)


 SLUG & SALTの大人の世界に浸った後は、<情熱大陸SPECIAL LIVE>初参戦のJUJUが登場。1曲目にドラマ主題歌となった「Trust in you」を唄い、「大阪のみなさん、こんにちは! ずっとこのイベントに出たかったのが、今日実現しました!」とMC、地元のお客さんのハートをがっちりと掴む。7月28日にリリースしたばかりの「Hello,again〜昔からある場所〜」を歌い出すと、マイラバ世代はもちろん、着うた世代も巻き込み、広い会場を一挙に自身の世界へ誘うヴォーカルの力に圧倒されました。


【セットリスト】
01. Trust in you
02. いつからか...ずっと
03. Hello,again〜昔からある場所〜
04. 奇跡を望むなら(w/葉加瀬ストリングス)
05. やさしさで溢れるように






06. 藤澤ノリマサ(14:30〜)


 JUJUの圧巻のヴォーカルの後には、声楽出身の藤澤ノリマサが登場。7月17日に上海万博というアウェーな会場で、中国人のオーディエンスを唸らせた実績は本ステージでも遺憾なく発揮。藤澤の真骨頂はクラシックとポップスのテイストを融合させた“ポップ・オペラ”と。そのエッセンスが凝縮された「ダッタン人の踊り」では、辛口の大阪のお客さんをも唸らせました!



07. KREVA(14:45〜)


 オペラ声楽系に続くのはヒップホップ、KREVAが登場! このジャンルの節奏のなさが、実は<情熱大陸SPECIAL LIVE>の醍醐味。葉加瀬太郎の、ジャンル問わず面白い人をいっぱい呼んで、みんなに聴いて欲しい!という趣旨がもっとも生かされる瞬間でもあります。

 実際、KREVA本人も最初は戸惑いがあったようでしたが、集まった観客がスタンディングで迎えてくれると「今日はいちばんアウェイになると思ってたのに、想像してた以上に俺のファンが居て嬉しいっ!」とコメント。葉加瀬ストリングスとも共演し、ヒップホップとクラシックのコラボを披露するなど、普段のステージとはちょっと趣きを代えながら、実に楽しそうに唄っていた姿が印象的でした。





08. WEAVER(15:15〜)


 続いてピアノ・トリオ・バンドのWEAVERが登場。3人とも地元神戸ということもあってか、初出場にも関わらず落ち着いたパフォーマンスを見せてくれます。上野樹里瑛太のドラマ『素直になれなくて』の主題歌を1曲目に演奏してお客さんを掴み、KREVA兄さんが充分に暖めてくれた会場をそのままキープしていました。


【セットリスト】
01. Hard to say I love you
02. トキドキセカイ
03. 僕らの永遠






09. 押尾コータロー(15:30〜)


 SLUG & SALTに続いて本日2番目のインストゥルメンタル・アーティスト、押尾コータローの登場。2004年以来、7年連続出場で、佐藤竹善に次いで2番目の<情熱大陸SPECIAL LIVE>出演回数をほこり、もはやレギュラー!? お客さんも心得てるのか、押尾コータローが登場するや「お帰りっ!」な感じで、実に暖かく迎えてくれているよう。葉加瀬太郎とのコラボは、もはや伝統芸に域に達しています!






10. 植村花菜(15:50〜)


 ネタバレになるので“東京、札幌公演に出るアーティストの演奏曲目はなし”と書きましたが、この曲はいいでしょう! そう、植村花菜といえば、あの「トイレの神様」。押尾コータローがゲストで参加します。会場に集まった15,000人が総立ち。でも身体を揺らすこともなく、じっくり聴いてるんです。なかには涙ぐむ人もいる程。広い会場がシーンと静かになり、全員が聴き入ってる様は、感動的でした。






11. 森山良子(16:05〜)


 息子である森山直太朗から“打ち上げが楽しいよ”と誘われ、今回、<情熱大陸SPECIAL LIVE>に初参加することになった森山良子。大多数の人は「さとうきび畑」や「涙そうそう」の印象で、しっとりと唄い上げる歌手だと思っていたことでしょう(もちろん、そういった曲も演ります)。実際、私もそう思ってましたが、正直、今回の出演者で、いちばんぶっ飛びました。広い舞台を上下(!?)左右に動き回り、低音から高音まで自在に唄い上げる様は、圧巻。なんか凄いモノを見せて貰ったという感じです。

 そして最後の曲では、森山直太朗がサプライズで登場。葉加瀬太郎が「この2人をステージで共演させるために、9年間、<情熱大陸SPECIAL LIVE>をやってきました!」と紹介すると、舞台袖でステージを見ていた直太朗は「大勢の人の前で、母親が張り切っている姿を見るのは、恥ずかしい!!」と語りながら、ジャズのスタンダード曲「聖者の行進」がスタート。最初は普通にメロディ・パートを歌っていたのが、各楽器のソロパートになると、なんと、そのフレーズに合わせてふたりがボーカルで応戦。サックスやピアノだけでなく、ドラムやパーカッションまで、一緒に唄います。血管が切れるんじゃないか?と見ているこちらもハラハラ。拍手する事も忘れてステージに釘付け。卓越したふたりのボーカリストのパワーをまざまざと見せつけられました。いや〜お腹いっぱいです。東京で待ってる方、このシーンは見逃せませんぞ!





12. 森山直太朗(16:25〜)


 いったん、転換があってステージには森山直太朗が登場。森山良子のパワフルなステージとはうって変わって、しっとりと、じっくりと唄を聴かせてくれます。さきほどのステージで火照った会場を、ゆっくりと静かにクールダウンさせてくれます。よく考えてみると、この「動から静」の流れって、森山親子の見事に計算されたステージ運びかも。そうだとしたら、この親子、やっぱり侮れません。東京でも是非、この並びで出演して欲しいところです。






13. 鈴木雅之(16:57〜)


 イベントも、いよいよ終盤にさしかかり、4年ぶりの出演となる鈴木雅之が顔を黒く塗ってブラックスーツに身を纏い、ゴスペラーズの村上てつや&酒井雄二を伴ってゆっくりと登場。このメンバーは……そう、あのゴスペラッツ! 2005年に鈴木雅之デビュー25周年記念で<情熱大陸SPECIAL LIVE>に出演した際、この2人がゲストで参加し、MCで村上が「ゴスペラーズとラッツ&スターで、ゴスペラッツで〜す!」と冗談で言ったのが結成のきっかけ。ゴスペラッツは、まさにこの情熱大陸フェスで誕生したんです。

 中盤にはシャネルズラッツ&スターのメンバーで、鈴木の中学時代からの同級生でもある佐藤善雄が登場。4人揃って白手袋を着用し、グループ時代のヒット曲を惜しげもなく披露。鈴木が「今年はデビューして30周年。30年前のデビュー曲を、30年前の金ラメ衣装の“夏”ヴァージョンでやります!」と語り、ブラックスーツから金色のラメ・スーツ風Tシャツに着替え、葉加瀬太郎をメンバーに入れて新グループ“ゴスペラッツ・カンパニー”と名乗り、「ランナウェイ」を演奏すると、集まった15,000人の大観衆は総立ち! 本日、最大の盛り上がりを見せていました。……ちなみに、この日は、もう一人のメンバーが、白塗りのお殿様(?)の仕事で欠席だったとのこと。そうすると、東京・札幌公演には、あの“く○まん”も参加するかも?








14. 中孝介(17:27〜)


 <情熱大陸SPECIAL LIVE>4回目の出場となる中孝介は、本日はオープニングの“おいしいうたファミリー”にも参加していたので2度目の登場。暑い中、ご苦労様です……と思ったら奄美出身なんですよね、中さんは。この暑さも全然平気?と思わせるほど、清涼感ある伸びやかな唄声を広い会場に響き渡らせ、おかげで観ているこちらも、涼しい気持ちに。この会場、周囲は自然の森が広がっていて、よ〜く耳をすませば(後ろの方のブロックだけですが)、虫の声も聴こえて来るんです。いや〜、奄美島唄って、こういった野外で聴くと実に癒されます。こんなこと書くと、中さんにたいへん失礼なんですが、東京、札幌公演に行かれる方、このコーナーは(ちょっとだけ)横になって目を閉じて聴いてみて下さい。自分が自然の中に入ったような気がして、気持ちいいです! ちょっとだけですけどね!


15. 葉加瀬太郎(17:47〜)


 さてさて、遂に真打ち登場。と言っても葉加瀬さん、自分の出番の前にBONANZAステージ(正面ステージ)に出演した秦 基博、JUJU、KREVA、押尾コータロー、森山良子、森山直太朗、鈴木雅之と7組みの舞台に登場して演奏してるんで、疲れてるはず……なんですが、さすがは“お祭り男”。疲れを微塵も見せずに熱〜く暑〜くヴァイオリンを弾きまくります。




 葉加瀬太郎といえばクラシックの人、と思ってる方、そんな認識を吹き飛ばすかのように、ここでの葉加瀬さんのパフォーマンスは実にアグレッシヴ。広いステージを縦横無尽に走り回り、イベント・タイトルでもある「情熱大陸」の演奏が終わると、出演者全員が登場し、幕を閉じました。15組のアーティストが出演した6時間30分。最初は長丁場?と思っていましたが、あっという間に時間が過ぎ、帰るお客さんを見てると、みんな幸せそう。この後、葉加瀬太郎一座(←こういう言い方がいちばんしっくりきます!)は、東京、札幌へ向かいます。元気貰えることまちがいなし。是非、会場に足を運んでみて下さい!




撮影:水野浩志


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