東京公演も直前に迫った<情熱大陸 SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA'10>。オーガナイザーでもある
葉加瀬太郎さんに、過去の公演を振り返っていただきつつ、今年の東京公演の見どころをインタビューします!

――まず、<情熱大陸 SPECIAL LIVE>を始めるきっかけはどのようなかたちでしたか?
葉加瀬太郎(以下、同) 「10年前に発起人となって<熱帯夜>と題して行なったイベントをMBSの番組『情熱大陸』のスタッフが観に来られていて、番組のタイトルを掲げた“イベントを一緒に始めませんか?”と誘っていただいたのがスタートです」
――立ち上げ当初の思い出に残っているエピソードがありましたら教えてください。
「“何年かかってでもよいので、東京は表参道で大阪なら御堂筋を1週間ぶち抜いて行なう世界的なイベントにしたい”と熱く語ったことを思い出します。リオのカーニバルも最初は数人のマーチング・バンドの行進から始まったんです」
――このイベントに込められた、葉加瀬さんのイズムを改めて教えてください。
「夏のオーディエンス参加型の祭りです。盆踊りとかサマーピクニックとか、参加して自ら楽しみを見つける。“そんなイベントになれば!”と思い今回まで続いています」
――現在に至るまでを振り返ると、どのようにイベント自体が変わっていきましたか?
「毎年の恒例行事として楽しみにしつつ参加し続ける、いわゆる、リピーターの方々が増えていることを本当に嬉しく思ってます。定着して広がり始める次の段階に進んでいると実感してます」
――過去の<情熱大陸 SPECIAL LIVE>の公演中で、印象に残っている場面などはありますか? 例えば、過去9年間を初期、中期、後期に分けるとして……。
「初期は、常に雨に祟られている感じでした。一番始めのトークが“ゴメンナサイ”から始まったこともありました。“葉加瀬=雨男”の烙印を押された時期です(笑)。中期は、このイベントがきっかけで“何かが始まる瞬間”を何度も見ることができた時期です。<情熱大陸 SPECIAL LIVE>で
ゴスペラッツが生まれたのもこの頃です。現在は、この<情熱大陸 SPECIAL LIVE>をきっかけに新たなプロジェクトが始まるのが、かなり当たり前になってきましたね」

2010年<情熱大陸 SPECIAL LIVE>大阪公演より
――その中でも、とくに印象に残っているのはどんな場面でしたか?
「個人的には、昨年と一昨年、
小田和正さんに参加いただいたことが印象深いです。僕らの年代には“神様”みたいな存在ですから。小田さんが唄っている姿に見入って、弾き始めることを完全に忘れてしまった曲がありました」
――オーガナイザーとしての葉加瀬さんの目指すところはどんなイベントでしょうか?
「参加いただくアーティストの皆さんに“僕らは究極のBGMを目指します”とお話しさせていただいています。海水浴や花火大会など、夏のイベントの選択肢のヒトツとしてオーディエンスにカテゴライズされていて、一日をゆっくり楽しむピクニックのように楽しんでもらえる。そんなイベントを目指しています。いわゆる、お目当てではなかったアーティストの1曲に出逢う瞬間や上質な心地良い音楽に包まれた一日を楽しんでもらえると嬉しいです。そして、僕自身含め、参加するアーティストたちにとっても新たな刺激と可能性が広がる、楽しい場所です。アーティストだけでなく、バンドのメンバーも日本のミュージック・シーンを牽引し、支えている人たちばかりです。一日中、これ以上はない音楽がココにあります。充実したフードコートの料理と最上の音楽を冷えたビールと共に乾いた身体に流し込む最高の一日を体験できるのが<情熱大陸 SPECIAL LIVE>です」

2010年<情熱大陸 SPECIAL LIVE>大阪公演より
――今年の東京公演で、今までとは違った趣向などがありましたら教えてください。
「会場内に設置されていたフードコーナーを拡大して<フードコート・エリア>を設け、食事をさらに充実させました。あくまでも音楽のイベントであるにもかかわらず、設備を充実させるというところで、純粋に音楽を楽しんでいただきたいという気持ちですよね。それが<情熱大陸 SPECIAL LIVE>を創り出す全員にも行き届いているような気もします。拡大して行く<情熱大陸 SPECIAL LIVE>を実感しています」
――今年の東京公演の出演者の中で、初めて会われる方はいらっしゃいますか?
「
ASKAさんや
KREVAさん、
斉藤和義さん……というか半数近くの方に初めてお会いします。ミュージシャンやアーティストは、それぞれのプロジェクトとして独立して動いているので、皆さんが思っているよりも実は交流はないモノで……。僕らよりも、もう一世代上のアーティストの方々も、70年代にバンドを組んでいたとかで交流はあっても一緒に音を出すことは少ないと思います。以前から知っていてよく話しもするけど、初めて同じステージに立つなんてこともよくある話です。<情熱大陸 SPECIAL LIVE>はたくさんのアーティストとのコラボレーション曲があるので、僕自身、本当に楽しみにしています」
――今年の東京公演で葉加瀬さんが楽しみにしているところはどこでしょうか?
「今年は何よりも
森山良子さんとの共演です。僕にとっては本当に憧れの女神様のような存在です。そして、さらに、他ではなかなか観ることができない、
(森山)直太朗との親子共演にまで参加できるワケですから、本当に楽しみです」
――今年はとくに<情熱>という言葉はファンの人には力になるものだと思いますが、葉加瀬さんご自身、このイベントを通してどのようなことをファンの方に伝えたいですか?
「難しいことは考えず、とにかく楽しんでほしいです。当然、ステージ上の僕らは溢れ出すほどの情熱を持って必死にパフォーマンスしていますが、集まってくれたオーディエンスの皆さんは何も考えずに、ただただ楽しんでほしいです。肩肘張らずに自然体で楽しんでいるからこそ伝わる“音楽の力”がこのイベントにはあると思っています」
――今年の東京公演にて、葉加瀬さんご自身の抱負を教えてください。
「絶対外せない、あの曲はもちろん演奏しますが……、今年の秋にリリースするアルバムからの新曲の初お披露目が何曲かあります。また、他では決して観ることのできない共演が次々とありますから、1曲たりとも気が抜けない本気の葉加瀬をご覧いただきます! とにかく、世代もジャンルも超えた“素晴らしい一日”を楽しんでください」
――最後に、イベント以外の葉加瀬さんの活動について教えてください。
「今年でデビューして20周年を迎えました。記念アルバムや周年イベントなど大花火を打ち上げるのではなく、アルバムやツアーやコンサートなどすべての活動に120%で取り組むと決めました。当然この<情熱大陸 SPECIAL LIVE>も120%の葉加瀬で立ち向かいます。存分に楽しんでください」
取材・文/清水 隆(2010年8月)
ライヴ写真撮影:水野浩志
【Information】葉加瀬太郎のレーベルのHATSのモバイル・サイト「葉加瀬♪音楽監督」にて<情熱大陸 SPECIAL LIVE>特集ページが展開中! イベントのQ&Aやオススメ情報、アーティストからのコメント、フラッシュ待ち受けなどがダウンロードできるなど充実したモバイル・サイトです。
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