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主演・筒井真理子、共演・光石研で贈る荻上直子最新作『波紋』が2023年初夏に全国公開決定

2022/11/29 13:02掲載
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主演・筒井真理子、共演・光石研で贈る荻上直子最新作『波紋』が2023年初夏に全国公開決定
 主演に筒井真理子、共演に光石研磯村勇斗柄本明キムラ緑子木野花安藤玉恵江口のりこ平岩紙を迎え、日本を代表する映画作家の荻上直子監督がメガフォンをとった映画『波紋』が、2023年初夏に全国公開することが決定。このたび、スチール写真や豪華キャスト陣の発表、特報映像が公開されています。

 主人公・須藤依子の毎朝の習慣は、庭に作った枯山水の手入れ。今朝も1ミリ違わず砂に波紋を描いています。“緑命会”という水を信仰する新興宗教に傾倒し、日々の祈りと勉強会に勤しみながら、依子はひとり穏やかに暮らしていました。ある日、長いこと失踪したままだった夫、修が突然帰ってくるまでは――。震災、老々介護、新興宗教、障害者差別など、世の中に起こっている得体の知れない闇を須藤家に縮図として落とし込んだ本作は、絶望を、ブラックユーモアを込めて、エンターテインメントへと昇華させた作品です。

 須藤依子を演じる筒井真理子は、2016年に映画『淵に立つ』で第38回ヨコハマ映画祭主演女優賞、第31回高崎映画祭最優秀主演女優賞、第71回毎日映画コンクール女優優主演賞と主演女優賞三冠を達成。2019年には、映画『よこがお』で第70回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞と、演技の幅が広く、気品ある女性の役から悪女役までその圧倒的な存在感と演技力で国内外問わず注目されている女優であり、現在放送中のドラマ『エルピス』(CX)にもレギュラー出演中。失踪した依子の夫、修を演じる光石研は、『あぜ道のダンディ』(2011)で最優秀男優賞、『お盆の弟』、『恋人たち』(2015)で助演男優賞を受賞。映画『アウトレイジ ビヨンド』(2012)やNHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』(2010)など、冷徹なヤクザ役からよき父親役まで、多様なキャラクターを見事に演じる日本を代表する名俳優として知られています。

 息子役・拓哉を演じるのは、磯村勇斗。『ヤクザと家族 The Family』(2021)、『劇場版 きのう何食べた?』(2021)で第45回日本アカデミー新人俳優賞を受賞。また、依子を取り巻く人々として、新興宗教“緑命会”の代表を努める橋本昌子役にキムラ緑子、信者である小笠原ひとみ役の江口のりこと伊藤節子役の平岩紙が絶妙に笑いを呼ぶキャラクターを体現。依子のパート先のスーパーでの迷惑な客・門倉太郎役を柄本明、パート先の清掃員・水木役を木野花、依子の隣人である渡辺美佐江役を安藤玉恵など、名俳優たちが脇を固めています。

 そして監督の荻上直子は、長編映画デビュー作『バーバー吉野』(2004)でベルリン国際映画祭児童映画部門特別賞を受賞したのをはじめ、『かもめ食堂』(2006)の大ヒットにより、日本映画の新ジャンルを築き、『めがね』(2007)は、ベルリン国際映画祭でザルツゲーバー賞を受賞。2011年には、第61回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞、2017年に『彼らが本気で編むときは、』で日本初のベルリン国際映画祭テディ審査員特別賞を受賞し、2022年には『川っぺりムコリッタ』が公開。そんな荻上は、自身がずっと温めてきたオリジナル作品『波紋』に対し、「私の中にある意地悪で邪悪な部分を全部投入したような映画になりました」とコメントしています。

 スチール写真に描かれているのは、美しく高貴な紫色のタイトルと、対照的にモノトーンで映し出されるキャストの面々。まるで依子を中心にこれから起こるさまざまな絶望が波紋のように広がる様子が表現されています。特報映像では、依子が憎悪を剥き出しにした表情で夫・修に対する恨みを表すシーンからスタート。夫・修の「俺、さっさと死ぬわ。」という一言から一変、声を上げて甲高く笑うシーンがとても印象的である映像となり、ラストは“絶望を、笑え”という言葉で締めくくられます

 荻上直子監督が人生最高の脚本と自負する本作に加え、日本を代表する俳優陣。依子を取り巻く人々の感情が今後どのような波で互いに交差し、依子の心を揺れ動かすのか期待が高まります。

[コメント]
最近は“壊れてゆく女性”の役が続いていたので、荻上監督の作風から想像するとご一緒させて頂ける機会はないかと思っていました。ですのでとても嬉しかったです。脚本を読んだ時、監督が醸し出す穏やかな空気の中に潜む日常の些細な棘、ビターな社会風刺が溶け合っていて目を見張りました。演出も人間の細部を見抜く力が的確で、身をゆだねることができ安心でした。
いまは先の見えない不穏なものに覆われているような時代ですが、是非この映画を観て絶望に絡めとられず前を進む気持ちになっていただけたらと思います。

――筒井真理子

久しぶりに荻上組へ参加させて頂き、凄く嬉しかったです。
監督は以前と変わらず、穏やかに粘り強く、俳優に寄り添い演出をしてくださり、安心して身を委ねる事が出来ました。
脚本に関してはただ一言、「女性は怖し」。
60年間、女性は聖母マリアだと信じて生きてきましたが、音を立てて崩れて落ちました。

――光石研

はじめに脚本を読んだ時、ひしひしと波紋のように迫り来る心理的恐怖を感じました。
特に、筒井真理子さん演じる母、須藤依子を中心に、家族や取り巻く人物達のやり取りは、怖いのだが、思わず笑ってしまうところが多く、荻上監督の描く世界は面白いなと、一気に引き込まれました。
そして今作では、手話が必要な役でした。新たな言語に触れる機会を頂き、現場でも一つ一つ丁寧に確認しながら作り上げていきました。
早くこの作品が皆様のところに届くのが楽しみです。
――磯村勇斗

その日は、雨が降っていた。駅に向かう途中にある、とある新興宗教施設の前を通りかかったとき、ふと目にした光景。施設の前の傘立てには、数千本の傘が詰まっていた。傘の数と同じだけの人々が、この新興宗教を拠り所にしている。何かを信じていないと生きていくのが不安な人々がこんなにもいるという現実に、私は立ちすくんだ。施設から出てきた小綺麗な格好の女性たちが気になった。この時の光景が、物語を創作するきっかけになる。

日本におけるジェンダーギャップ指数(146ヵ国中116位)が示しているように、我が国では男性中心の社会がいまだに続いている。多くの家庭では依然として夫は外に働きに出て、妻は家庭を守るという家父長制の伝統を引き継いでいる。主人公は義父の介護をしているが、彼女にとっては心から出たものではなく、世間体を気にしての義務であったと思う。日本では今なお女は良き妻、良き母でいればいい、という同調圧力は根強く顕在し、女たちを縛っている。果たして、女たちはこのまま黙っていればいいのだろうか?

突然訪れた夫の失踪。主人公は自分で問題を解決するのではなく、現実逃避の道を選ぶ。新興宗教へ救いを求め、のめり込む彼女の姿は、日本女性の生きづらさを象徴する。くしくも、本映画の製作中に起きた安倍元首相暗殺事件によりクローズアップされた「統一教会」の問題だが、教会にはまり大金を貢いでしまった犯人の母と主人公の姿は悲しく重なる。

荒れ果てた心を鎮めるために、枯山水の庭園を整える毎日を送っていた彼女だが、ついにはそんな自分を嘲笑し、大切な庭を崩していく。自分が思い描く人生からかけ離れていく中、さまざまな体験を通して周りの人々と関わり、そして夫の死によって、抑圧してきた自分自身から解放される。

リセットされた彼女の人生は、自由へと目覚めていく。

私は、この国で女であるということが、息苦しくてたまらない。それでも、そんな現状をなんとかしようともがき、映画を作る。たくさんのブラックユーモアを込めて。

――荻上直子監督


©2022 映画「波紋」フィルムパートナーズ

『波紋』
2023年初夏、全国公開
https://hamon-movie.com
配給: ショウゲート
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