巨匠
スティーヴン・キングの最新長篇小説を原作に、製作総指揮スティーブン・スピルバーグをはじめとする名クリエイター陣が製作を務めるTVシリーズ「アンダー・ザ・ドーム」。日本でも完全無料のBSテレビ局「Dlife」(
www.dlife.jp)にて昨年10月より字幕版の放送がスタート、好評の中シーズン1が終了。1月からは、吹替版の放送がスタートしています(毎週月曜 23:00〜24:00 / 再放送: 毎週日曜 13:30〜14:30)。
突如現れた謎の“ドーム”に覆われ、外部から完全に孤立してしまった田舎町。閉じ込められた住人たちはこの状況をどう生き抜くのか。“ドーム”とは一体何なのか。それぞれに過去を背負ったキャラクターたちが、ミステリアスな現象に翻弄される姿を描く「アンダー・ザ・ドーム」。ベテラン声優陣が声を担当する吹替版にも注目です。
また、頼り甲斐のある優しさと、身元不明の怪しさを兼ね備えた劇中きってのイケメン・キャラクター“バービー”を演じる
マイク・ヴォーゲルのインタビューも到着。モデルとしての活動を経て役者に転身、
マット・リーヴス監督作
『クローバーフィールド / HAKAISHA』などへの出演で知られるマイク・ヴォーゲルは、「アンダー・ザ・ドーム」をどう感じたのでしょうか。放送と併せてぜひお楽しみください。
[マイク・ヴォーゲル(バービー役)]――あなたの役どころのバービーは、ミステリアスな存在ですよね。今後もっと彼の秘密は明らかになるのでしょうか?「そうだね。シーズン1のほとんどは、次々起こるいろんな出来事の中に、キャラクターたちを絡ませていく事が中心に描かれているんだ。ただ、バービーに関しては、シーズンの最初の頃は、ほとんどキャラクター設定を描くのに時間を使い、シーズンの終わり頃にやっと秘密が見え隠れしてくるんだよ。だから、最初の頃のバービーは、自分がしゃべる言葉に細心の注意を払ったり、過去に起きた事を隠したり、みんなが知っていることや、知らないことに気を配りながらふるまっているんだ。この番組の素晴らしい点は、撮影中以外でも、ずっと僕らに先のストーリーを知らせないことなんだ。本当に次のエピソードの撮影3日前にストーリーを知らされたりするしね。彼らは物語がどこに進んでいくか大まかなアウトラインは教えてくれるけど、僕らは本当にどうなるか分からないんだ。僕が今理解していることから言うと、本当にダークで深刻な秘密があらわになってきている。そのことで、バービーが自分の過去をもっとさらけ出すきっかけになると思うんだ。彼が戦争に行っていた頃に、海外で残虐行為を見たりしたこととかね。そういったことがきっかけで彼はこの街に来たんだ。シーズン2があるとすれば、その辺りも深く掘り下げるんじゃないかな」――バービーはちょっとアンチヒーローな役ですが、こういう役を演じるのはいかがですか?「好きだね。なぜなら僕自身は、自分の人生でスポットライトを浴びるのは得意じゃなかったし、注目されるのも苦手なんだ。そういったことをごまかすために、自分自身を茶化したりする。僕はバービーのそういった面には感情移入出来るんだ。バービーという役は、僕が今までに演じた中で最も体を張った役だよ。これがすべて終わる頃には、僕はアザだらけで、殴られ、ぼろぼろになっているね。でもそういったことのあらゆる瞬間が大好きなんだ。こういう役を演じる方が、スポットライトを浴びることに慣れていたり、称賛されることが平気な役を演じるよりも、ずっと僕にとっては楽だね。土壇場で勝利を収めるような、よくあるヒーローというのは、僕には難しいね。だからこの役を楽しんでいるよ」――シーズン1で、あなたのお気に入りシーンやエピソードはありますか?あなたのキャラクターで好きなところはどこですか?「シーズン1は僕にとって密度が濃いね。僕が大好きなのは、エピソード7だよ。妊娠している女の子が赤ちゃんを産むエピソードだ。それは僕の心に確かに響くものがあった。実はそのシーンを撮影した時、僕の妻は妊娠6ヶ月だったんだ。僕はそこで出てくる“人生が一回りする”という比喩が大好きだった。そのシーンではアリスが死にかけていて、あと数分で死ぬといったところで、新しい命がこの世界に出てくるんだ。それを撮影するのは美しかったね。すべての役者たちも素晴らしかったしね。そこでは本物の赤ちゃんで撮影してたんだ。その部屋にいるすべての父親と母親は、生まれたてで滑りやすい赤ちゃんを持っている僕に向かって、“ヴォーゲル、その子を落としちゃ駄目よ”って感じだったね。でも赤ちゃんを持っている時に、そういった質問はしちゃいけないよ。なぜなら僕もそれ以外のことは考えられないからね。僕にとってはそれは“人生が一回りする”素晴らしい瞬間だった。あらゆる混乱のさなかにおいてね。人生は続いていくんだ。新しい世代には希望が持てるんだ。そういう撮影ができたのはとても良かったよ」――日本の視聴者の為に、この番組の見所について話してもらえますか?なにがこの番組の最大の見所だと思いますか?視聴者にはなにを一番楽しんでもらいたいですか?「僕が思うこの番組の一番素晴らしい点は、(物語の)組み立て方で、(物語が)常に動いているということなんだ。最初に番組が始まった時、バービーが死体を埋めるところが出てくる。そしてカリスマ性のあるビッグ・ジムがみんなに愛想を振りまいている。この人は、本当に町のためにいるという感じでね。いい内容の作品ということだよ。ど真ん中は歩かない。真ん中の道は横切らない。常にあっちこっちに話がそれながら進むんだ。“バービーはひどい奴だ”と思ったら、“違う。待って。彼はそうじゃない”という感じでね。僕はそういう風に行ったり来たりするのが好きだ。彼はいい奴だけど、そういったダークな面もあるんだ。ビッグ・ジムも同じだね。それによって全体の見え方が、普段と違うものになるんだ。ドームの下に取り残された町の中ではね。ドームは仕掛けなんだ。金魚鉢の中にいろんな魚を入れて、ガラスを叩いて、彼らがどう反応するか見ているようなものなんだ。逃げる魚もいるし、他の魚と喧嘩し、その魚を食べる魚もいるし、食べられそうになった魚を守る魚もいる。僕らは金魚鉢の中にいて、人々がその中でどう反応するかを見るのが楽しいんだ」(c)2013 CBS Studios Inc.