SHACKLETONや
MORITZ VON OSWALD TRIO諸作でおなじみの名門レーベルHonest Jon'sよりリリースの
『Splaszsh』『R.I.P.』2作で、当代随一のオリジナリティとしての地位を確立した英国のエレクトロニック・ミュージック・アーティスト、ACTRESSことDarren J. Cunningham(写真)。彼が2014年、ニュー・アルバム
『Ghettoville』をリリース。ボーナス・トラックを追加収録した国内盤(BRC-403)が1月1日、世界に先駆け日本先行発売となります。
BURIALや
Andy Stott、
DEMDIKE STAREなどと並び、革新的な電子音楽アーティストのひとりに数えられるACTRESS。R&Bインスパイアの“ダンス・ミュージック”を極限までリスニング仕様に精錬した作品群は、新たな音響体験を与えてくれるものとして世界的に注目を浴びています。
最新作は、自身の主宰レーベルWerk Discsより2008年にリリースされたデビュー・アルバム『Hazyville』と対を成すべく制作された作品とのこと。音楽制作に対する落胆と読めるステイトメントを先日発表しているACTRESSだけに、『Ghettoville』が最終作となることも予想されています。
『Ghettoville』のリリースに合わせ、入手困難となっていた
『Hazyville』もリマスターが施され再発。こちらも国内盤(BRC-402 税抜2,000円)が2014年1月1日に同時発売されることが決定しています。


Ghettoville / Hazyville
「『Ghettoville』は、漂白され黒色を帯びたアクトレス・イメージの終焉だ。
模造プリズムから脱出せねばならないことを痛感しながらも、曲制作への要求により、魂を欠いて、このアーティストは倒れ伏してしまった。
4作のアルバムを作り上げ、もはや判読可能な言葉は音にも曲にも宿っはいない。
この原稿は今、涙に濡れている。世界は平坦にならされた状態へと戻り、窓の外では鳥たちが、かつて住処としていた籠を振り返っている。
静寂の白壁の裏で燃え上がる炎。
マシーンは石と化し、データはユーザーに向けた追悼記事のごとし。
スリルはもはや解放ではなく、脆く儚い呪い。満足度ゼロ、威力皆無、はびこる偽物のアーティストたち、だが道は続く。
音楽よ、安らかに眠れ」
2014年 ACTRESS