ピアニストの
アリス=紗良・オット(Alice Sara Ott)が、3年ぶり、通算10枚目のアルバム『Echoes Of Life』を8月6日(金)に発売します。新作では、独自の視点からショパンの傑作「24の前奏曲 作品28」に取り組み、曲集の合間に自身が影響を受けた7つの現代作品を「間奏曲」のように挿入することで、個性的なストーリーを展開しています。アルバムから、前奏曲第15番「雨だれ」が先行配信中。
組み合わせた現代作品は、盟友
フランチェスコ・トリスターノがバッハの前奏曲をベースにこのアルバムのために書き下ろした「イン・ザ・ビギニング・ワズ」や、
ジェルジュ・リゲティ、
ニーノ・ロータ、
チリー・ゴンザレス、
武満徹、
アルヴォ・ペルトらの楽曲。これらはそれぞれオットの人生と強い結びつきを持った曲で、ショパンの前奏曲の中にあっても絶妙のマッチングを示し、さらにショパンの現代性を浮き彫りにしています。そして、モーツァルトの死によって未完となったレクイエムのラクリモーサを元に、オットが作曲した美しい〈ララバイ・トゥ・エターニティ〉で「人生への永遠の問いかけ」を投げかけてアルバムは終わります。
オットはこのアルバムについて「今回の作品は私の人生を反映しています。一歩が次の一歩につながり、あるときは速く、あるときは遅く、あるときは円を描くように歩き、あるときは行き止まりに直面して引き返さなければなりません。つまり、すべての瞬間が何らかの形でつながっているのです。最初にこのアルバムのコンセプトを考えていたときには、音楽が私にとってこんなにも感情的な意味を持つとは予想していませんでした……全体を通して初めて聴いたとき、ショパンの前奏曲がいかに現代的で、挑発的で、時代を超越しているかを、現代の作品が裏付けていることに気づきました」と語っています。
©Pascal Albandopulos for DG