ヴァイオリニストの
五嶋みどりが、人気レーベル「PENTATONE」からのデビュー・アルバム『ロベルト&クララ・シューマン:ヴァイオリン作品集』を2026年3月上旬に発表します。
アルバムには、
ダニエル・ドッズ指揮
ルツェルン・フェスティバル室内管弦楽団と録音した
シューマンのヴァイオリン協奏曲と、
オズガー・アイディン(p)を迎えたシューマンの「民謡風の5つの小品」「3つのロマンス」、
クララ・シューマンの「3つのロマンス」を収録。ヴァイオリン協奏曲はクララ・シューマンと
ヨーゼフ・ヨアヒムがその内容に疑問を抱き、80年以上も出版が見送られたといういわくつきの作品ですが、近年ではその深い感情表現と率直な語り口から、独自性と力強さを備えたシューマン晩年の重要作として再評価されています。カップリングは、いずれも親密で明晰な表現が魅力の室内楽作品。人間のさまざまな感情が込められた協奏曲と組み合わせることで、クララの優しいリリシズムと、ロベルト晩年の作品が織りなす対話を描き出しています。
この新作について五嶋は「私はこれらの作品の歴史的・音楽的背景に敬意を払うだけでなく、シューマン晩年の音楽に潜む、深く人間的な側面──親密さ、葛藤、そしてかすかな希望の瞬間──を聴き手と共有したいと願いました(略)深く耳を澄ませることで、これら一つひとつの作品に恋をし、私たちの存在理由の多様さ──愛すること、苦しむこと、創造すること、残酷な世界を生きること、傷に触れ、時に傷つけてしまうこと、すべてを癒すわけではないと知りながら音楽に慰めを求めること、それでもなお希望を抱くこと──そして、人生の美しさと醜さの両方を受け入れ、乗り越えようとする営みへと、私たちを導いてくれるのです」(抄訳)とコメントしています。
また、五嶋はダニエル・ドッズ指揮ルツェルン・フェスティバル室内管弦楽団とともに来日。2026年3月13日(金)香川・高松 レクザムホールを皮切りに全国8ヵ所をまわる日本ツアーを開催します。
Photo by Timothy Greenfield Sanders