東京在住のサウンド・アーティスト、
Hiroshi Ebinaがシンガポール「KITCHEN. LABEL」からは3作目となるニュー・アルバム『On Solitude』を2月20日(金)にリリースします。
『On Solitude』は、断絶のかすかなざわめき、デジタル過多がもたらす疲労のリズム、そして再発見された静寂の優雅さを捉えた作品。漂うリズムと霧のようなシンセサイザーを背景に、Ebinaはアンビエントが導く内省の時間、ドリーム・テクノの明晰さ、そして自身が「ポストデジタル・ミニマリズム」と呼ぶ音楽的領域のあいだに、新たな感情の風景を描き出しています。
本作は、過剰につながりすぎた現代に対する静かな反抗として構想されました。「見えないこと」を孤立ではなく再生として捉え直し、絶え間なく情報が流れ続ける世界のなかで、自身の内なる声に耳を澄ますための音楽的空間を提示しています。その佇まいは、
ヴィム・ヴェンダース監督作『
Perfect Days』と共鳴する面も。
サウンド面では、これまでの作品を超え、ドリーム・ポップ、ソフト・テクノを融合させたより豊かな質感と動きで静かな内省の時間を表現しています。ロンドンを拠点とする日本人アーティストHinako Omoriをフィーチャーしたオープニング・トラック「The Village in the Sky」は、静かな息づかいと透明な存在感によって、本作の世界観を象徴的に提示。続く楽曲群も、揺らぎや記憶、覚醒といった主題を簡潔なモチーフで織り込みながら、内省的な時間を紡いでいきます。アルバム終盤では言葉が後景へと退き、音そのものが時間と空間を形成。クロージング・トラック「A Silent Room」には、日本の新世代アンビエント・シーンを担う
marucoporoporoを迎え、穏やかなヴォーカルが静寂に人間的な温度を与え、深い余韻とともに作品を締めくくります。
マスタリングはニューヨークのJoseph Branciforte(Greyfade Studio)が担当、アートワークは画家・益村千鶴が手掛けています。