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星野源が、11月14日(金)に公開される映画『平場の月』に主題歌として「いきどまり」を書き下ろしたことを発表しました。
発行部数20万部を突破し、第32回山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみによる『平場の月』(光文社文庫)を原作とする本映画は、中学時代の同級生が時を経て再会。お互い独り身となり、様々な人生経験を積んだ2人が意気投合し、離れていた歳月を埋め、心を通わせていくストーリーです。
妻と別れ、地元に戻り印刷会社に再就職し、慎ましく、平穏に生活する主人公・青砥健将を演じるのは、映画主演が『
DESTINY 鎌倉ものがたり』以来8年ぶりとなる
堺雅人。近年、『
半沢直樹』や『
真田丸』『
VIVANT』などで強烈なキャラクターを演じることが多かった堺が、本作では一転、等身大の男性を演じています。その青砥が中学生時代に想いを寄せていた須藤葉子を演じるのは、堺と『半沢直樹』(2020年)以来の共演となる
井川遥。夫と死別し、今はパートで生計を立てているますが、中学の時に感じた大人びた線の太さを残しつつも、どこか儚く、切なさを感じる女性を演じています。
さらに、監督を務めるのは『いま、会いにゆきます』『
ハナミズキ』など恋愛ドラマの名手として知られ、『
花束みたいな恋をした』で興行収入38億円の大ヒットを記録した
土井裕泰。堺とのタッグは初となり、土井監督の恋愛映画に新たなエッセンスが加わることでどのような作品が生み出されるのか、注目が集まります。脚本は、『ある男』で第46回日本アカデミー賞最優秀脚本賞、第44回ヨコハマ映画祭脚本賞を受賞した向井康介が担当しています。
また、星野源が歌う主題歌「いきどまり」をのせた最新予告映像も公開。今回解禁された最新予告では、地元に戻って平穏に生活する青砥と須藤が再会し、共に過ごす何気ない穏やかな時間の中で、“なんかちょうどいい”距離へと徐々に関係を深めていく様子が映し出されます。視線や仕草のひとつひとつにお互いへの特別な感情をにじませる2人の交差する想いを、星野源が歌う主題歌「いきどまり」がより鮮明に浮かび上がらせ、優しい光で包み込みながらささやかな希望をもたらします。
星野はこの主題歌について「いただいた脚本を読み、ピアノをぽろぽろと鳴らしながら作曲していきました。最近私は自身を焼き付けるような楽曲を書いてきましたが、この新曲〈いきどまり〉は自身を歌ったものではなく、歌の中に物語があり、それが一人称で語られる楽曲です。劇場の中で、そして貴方の中で、ぜひこの楽曲を聴いてください」とコメントしています。
[コメント]ある日、土井監督と那須田プロデューサーが「直に話したい」と僕の作業場まで来てくれました。映画『平場の月』の主題歌を制作して欲しいというオファーでした。今まで何度もお仕事ご一緒しているけど、こんな風に自分の居場所まで来てくれて3人だけで話すなんて滅多にないなあ、と嬉しかったのを覚えています。いただいた脚本を読み、ピアノをぽろぽろと鳴らしながら作曲していきました。最近私は自身を焼き付けるような楽曲を書いてきましたが、この新曲「いきどまり」は自身を歌ったものではなく、歌の中に物語があり、それが一人称で語られる楽曲です。劇場の中で、そして貴方の中で、ぜひこの楽曲を聴いてください。――星野源[コメント]曲を聴きながら、井川遥さん演じる須藤と過ごしたいろいろなシーンを思い出しました。映画の世界を、月光にも似た淡く優しい光で照らしてくれるような曲ですね。また、「間違いだらけの優しさ」「忘れられぬ呪い」「行き止まりの二人」といった、星野さんが言葉にしてくださったフレーズのおかげで、物語をより理解できた気がします。出演者として本当に嬉しく思います。星野さん、ありがとうございました。――堺雅人[コメント]俳優・星野源とはこれまで何度か仕事をしてきたけれど、勿論そのずっと前から、彼の音楽や文章のファンだった。紛れもない現代のPOPSTARでありながら、その表現のベースには常に市井の人の視線や実感があって、だからこそ彼の眼を通して見た世界はとても信用できる。
この平場の男女の物語は彼の眼にはどんな風に映るのだろうか?ある時、そんな興味に急にとらわれて、多忙な彼に台本を届けに行ってしまった。
数か月経って、ツアーが一段落した彼から返ってきたのは、彼の声とピアノだけのシンプルで美しい曲だった。
「切ない、大人の、恋物語」などという惹句ではとても掬いきれない、愚かしくも愛おしい人間の営みへの眼差しがあって、シニカルなのに温かく、諦念の中にささやかな希望を忘れていない。
この曲をもって完結することができる「平場の月」はなんと幸福な映画だろう。星野源の歌う言葉を、どうか劇場で、最後の一音までもらさずに聴いてほしい。――土井裕泰監督©2025映画「平場の月」製作委員会