愛知県春日井市出身のシンガー・ソングライターの
MASHが、1月7日(水)に20周年イヤーを記念する楽曲「コオロギの歌」を配信リリースしています。
「コオロギの歌」は、2025年に石川県金沢市・金石港に隣接する「石川メッキ工業」からの映像・楽曲制作依頼をきっかけに制作を開始。MASH自身が何度も現地を訪れ、土地の空気、人々の営み、風景の中で受け取った感覚を、丁寧に音と言葉へと昇華し、日々の暮らしの中にひっそりと息づく“かけがえのなさ”を描いた、温度のあるフォーク・ソングとなっています。
歌詞には“当たり前”だと思っていた景色への気づき、ないものねだりをしてしまう人の心の弱さ、そしてそれでも失いたくない日常への愛情が、やさしい言葉で綴られており、夜風に吹かれて雲が流れ、月が顔を出す情景や、コオロギが“バイオリンを弾く”という比喩は、現実と童話の境界を溶かし、想像力をやわらかく刺激していきます。日本海から吹く風、空を舞うトンビ、広がる田園風景――金石の景色は、MASH自身の生まれ育った故郷の記憶と静かに重なり合いながら、楽曲に深い郷愁を与えています。
サウンドは、過度な装飾を避け、言葉とメロディがまっすぐに届く構成に。まるで静かな夜に耳を澄ませば聞こえてくる自然の音のように、心にそっと寄り添いながら、“おかえり”“ただいま”というフレーズが象徴するように、“帰る場所”の存在を思い出させてくれます。
楽曲完成後には、ジャケット制作をイラストレーターの鷲尾友公に依頼したのを機に思わぬ縁がつながり、12月初頭の寒さも厳しくなる奥能登で、愛知を代表する音楽フェス〈橋の下世界音楽祭〉の復興応援イベント〈奥能登音楽祭〉へ参加。MASHはシンガー・ソングライターの
タテタカコやバンド“
TURTLE ISLAND”のフロントマンの
永山愛樹らとともに歌を届けるほか、珠洲市、輪島市にも訪問。未だ復興途上にある奥能登の色を失った風景は、本人も言葉を失うほど胸を詰まらせるものでしたが、しかし、現地で出会った人々の姿に心を動かされ、必ずまたこの地を訪れ、「この歌を届ける」という想いを強くすることとなりました。
20年にわたる歩みの中で培われた眼差しが結実した「コオロギの歌」。それは、特別な出来事ではなく、いくつもの必然が重なった先に“今”があるということ、そして今日という一日を大切に生きることの尊さを、静かに教えてくれる一曲といえます。MASHは「コオロギは小さな羽を震わせて歌う。僕らもまた、気づかぬうちに自分の人生が誰かに影響を与え、響き合いながら生きている。こんな時代だからこそ、歌を届け続けたいです」とコメントしています。
なお、MASHは「コオロギの歌」リリース・ツアー・ライヴを開催。2月13日(金)に名古屋、2月21日(土)に東京にて「コオロギの歌」を届けます。