昨年の初来日公演が完売となるなど、日本でも人気の高いアンビエント・ジャズの旗手、
ナラ・シネフロ(Nala Sinephro)が
ベニー・サフディ監督によるA24の新作映画『The Smashing Machine』の音楽を担当。自身初となるサウンドトラック・アルバム『The Smashing Machine (Original Motion Picture Soundtrack)』が、10月3日(金)よりデジタル / ストリーミング配信、12月12日(金)に国内盤CDが先行発売、そして2026年1月23日(金)に輸入盤CDとLPで発売されます。アルバムからはリード曲「Grand Prix」が先行配信されています。
ジャズの感性、ハープとモジュラー・シンセが奏でる瞑想的なサウンド、フォーク音楽やフィールドレコーディングを融合させた独特の世界観で、広く賞賛を集めるナラ・シネフロ。このサントラでは、作曲・プロデュース・編曲・ミックス・マスタリングに至るまで、すべてを自らが担当。ロンドンで行なわれたレコーディングには監督のベニー・サフディも立ち会い、ジェイムス・モリソン(SAX)、
ヌバイア・ガルシア(sax,fl)、モーガン・シンプソン(ds)、シーラ・モーリス・グレイ(hr)、ライル・バートン(syn)、マーク・モリソン(g)、ドウェイン・キルヴィントン(syn-bs)、そして『
Endlessness』でも弦楽を提供したロンドンの若手音楽家からなるオーケストレイトなど、彼女の常連コラボレーターたちが参加しています。
映画『The Smashing Machine』は、ベニー・サフディが監督を務め、“ザ・ロック”こと
ドウェイン・ジョンソンが主演。伝説的な総合格闘技&UFCファイター、マーク・ケアーの生涯を描いた作品です。
ナラ・シネフロの瞑想的で空気のように漂う音楽は、一見レスラーの物語には矛盾して映るかもしれません。ですが、彼女はマーク・ケアーの物語に深く共鳴し、その中に隠された柔らかさや感情を敏感に掬い取っています。作品全体はナラ・シネフロらしい広がりと温もり、美しいストリングス、抑制されたテーマ、悠然としたハープを湛えながら、敗北の恐怖、依存、脆さ、痛み、火山のような人間関係、プレッシャー、恍惚といった映画のテーマに合わせて一層研ぎ澄まされたものに。その一例として、タイトル曲では、モーガン・シンプソンとナトシェット・ワキリという2人の凄腕ドラマーが、実際の格闘シーンに合わせて演奏し、まるで自らが戦っているかのように鋭く俊敏で攻撃的なプレイを披露。スネアは打撃、地鳴りのようなキックは高鳴る心臓を思わせる演奏を繰り広げています。
Nala Sinephro press shot by Kris Tofjan