今年で結成10周年を迎えた
ハロー!プロジェクトに所属する
つばきファクトリーが、4月30日に〈つばきファクトリー 10th Anniversary Concert at BUDOKAN 〜OUR DAYS〜〉を東京・日本武道館で開催しました。
ライヴ前日の29日にグループ結成10周年を迎えたつばきファクトリー。同日には6月4日(水)発売の最新シングル「
My Days for You」のミュージック・ビデオを公開しただけでなく、公式YouTubeで「結成10周年記念パーティー」を放送するなどお祝いムード一色に。その勢いのまま、ライヴではインディーズ時代から未発表だった最新シングルまで、シングル作品全曲を含む全44曲をパフォーマンス。グループの歴史が詰まったセットリストを展開しただけでなく、前日までタイトルを含めて未発表であった新曲2曲も初披露するなど、アニバサリーイヤーをお祝いする記念ライヴに自ら花を添えました。
また、メンバーの
八木栞(2021年7月加入)が、本公演をもってグループ及びハロー!プロジェクトを卒業。約7,500人のファンが訪れたほか、全国48の映画館及び台湾(1館)でもライヴ・ビューイングを実施。CSテレ朝チャンネル1でも生中継されるなど、結成10周年&八木の卒業公演にふさわしいライヴとなりました。
[ライヴ・レポート] 本編はライブの定番ナンバーである『今夜だけ浮かれたかった』でスタート。今回の日本武道館公演に向け、1ヶ月以上にわたりグループの公式Xアカウントでシングル曲のミュージックビデオを“#毎日つばき”として毎日紹介し続けており、同曲では秋山眞緒が「この曲を聴くと心のボルテージが上がる、つばきらしさもありつつ、盛り上がる楽曲です」とコメント。その言葉どおり、メンバーもファンも1曲目から熱気が一気に上昇していく。
続けて『ハナモヨウ』『鼓動OK?』『笑って』と、つばきファクトリーらしい春にぴったりなポップなナンバーを披露し、会場も盛り上げていく。
冒頭のMCでメンバーが「日本武道館にお集まりの皆さん、こんばんは!つばきファクトリーです」と挨拶し、前日に結成10周年を迎えたことに触れ、メンバーの小野田紗栞は「日本武道館で10周年の記念コンサートができるのも、いつも応援してくれる皆さんのおかげです」と感謝の言葉を述べる。リーダーの谷本安美が「早速ですけど、6月4日に発売になります、私たちの新曲の中から本日初披露のこちらの楽曲を聞いてください!」とサプライズ発表すると、会場から再び大きな歓声が。そして、前日までタイトルも未発表となっていた6月4日発売の最新シングルの一つ『悲しみが止まらない』を初パフォー
マンスする。
同曲はシンガーソングライターの杏里が1983年11月にリリースした楽曲のカバーで、これまで数多くの切ない乙女心を歌ってきたつばきファクトリーにぴったりな楽曲だ。そんなつばきファクトリーらしい世界観にぴったりな『間違いじゃない 泣いたりしない』『独り占め』『弱さじゃないよ、恋は』を続けて歌いあげ、最新シングルからアディショナルトラック曲の『月夜のパ・ド・ドゥ』を初披露。このターンで2曲の未発表最新曲をパフォーマンスし、会場からは大きな歓声が上がっていた。
ここからはメドレーのターンへ。『青春エクサバイト』『アイドル天職音頭』『春恋歌』『ベイビースパイダー』『意識高い乙女のジレンマ』など、10年の歴史で培ってきたグループとしての楽曲の引き出しの多さを発揮。清楚さと可憐さと、力強いパフォーマンスを兼ね備えたつばきファクトリーだからこそ出せる歌の力で、ファンを魅了していく。何より11曲で構成されたメドレーだったが、それぞれの楽曲で11人いるメンバーが一人ずつフィーチャーされるという、いつもと違った特別な演出も印象的な光景だった。
ステージ上のスクリーンに流れるVTRをはさみ、再びメドレーのターンへ。ここではグループの10年の歴史と継いでいくメンバーを表現した構成となっており、スタートは河西結心、八木、福田真琳、豫風瑠乃の“リトキャメ(ファンからの愛称)”の同期4人。グループに今や欠かすことのできない高い表現力と歌唱力で『ふわり、恋時計』『ガラクタDIAMOND』『涙のヒロイン降板劇』でファンの視線をステージに一瞬で引き込んでいく。何より八木が本公演をもって卒業となるため、リトキャメだけで1曲をパフォーマンするのはここが最後。そのため、4人で一つの歌を紡ぎ上げていく時間を、それぞれが大切に噛み締めている表情が印象的だった。
リトキャメに続くのは、昨年2月に加入した石井泉羽、村田結生、土居楓奏の同期3人。グループでいちばん下の“ひなーず(ファンからの愛称)”の3人は、『私がオバさんになっても』『気高く咲き誇れ!』『青春まんまんなか!』といったインディーズ時代の楽曲を披露。次世代へのバトンの受け渡しを行っているような演出に、これからもグループの歴史を積み上げていく強い決意を感じさせてくれる。
そして、メジャーデビュー発表の約1ヶ月前にグループに加入した、小野瑞歩、小野田、秋山眞緒の“さにこ(ファンからの愛称)”の3人が登場。メジャーデビュー曲の一つである『Just Try!』をはじめ、『低温火傷』『就活センセーション』というメジャーデビュー後の初期の楽曲を歌い上げる。後輩メンバーに負けない安定したパフォーマンスで、先輩メンバーとしてプライドを見せつけてくれた。
最後は唯一の結成メンバーであり、個人としても10周年迎えた谷本がソロでパフォーマンス。谷本はつばきファクトリーが結成して初めて客前でパフォーマンスした曲である『17才』を披露するというエモい演出で、結成時代から応援しているファンを惹き込んでいく。
最後は全員がステージに揃い、『うるわしのカメリア』『Power Flower 〜今こそ一丸となれ〜』をパフォーマンス。その後『君と僕の絆』を優しく歌い上げ、同曲ではメンバーが卒業する八木へのメッセージを伝える一幕も。
村田が「優しくて元気で声楽もできる八木栞さんは大勝利です!」と笑顔を見せれば、同期の福田は「栞は本当に真面目で真っ直ぐで、そんな栞なら、きっと心配ないさ〜」と八木が大好きなミュージカルのテイストでエールを贈る。最後となった谷本は一人涙を見せ、コメントに詰まってしまう。メンバーから「時間が!」と迫られ、なんとか「ヤギシオリ」とだけ言葉を振り絞り、寂しさをにじませていた。
また、10周年と八木の卒業を祝うかのように桜の舞う演出が加わり、会場が愛情に満ちた空間となっていた。
本編ラストは『三回目のデート神話』『アドレナリン・ダメ』『断捨ISM』グループきってのアップチューンのオンパレード。なかでもメジャーデビュー曲の一つである『初恋サンライズ』では、曲中にジャンプをする“サンライズジャンプ”でメンバーがエネルギッシュなジャンプを見せ、会場は大盛り上がり。また、『大好きなのに、大好きだから』ではファンも一緒になって歌うなど会場のボルテージは最高潮に達していた。そして最後に『妄想だけならフリーダム』を披露し、本編は終了となった。
アンコールでは会場が八木のメンバーカラーであるオレンジに染まり、「ヤギシオリ!」コールが巻き起こる。この声援に応えるように、白いドレスを着た八木が一人でステージに登場。卒業衣装に関して八木は「“何色にでも染まれる私に戻る”という意味で、白と無地にこだわったシンプルなデザインにしました。帯を引き締めるという言葉に気合を入れるという意味が込めているように、私のメンバーカラーのオレンジを腰回りに入れることで、つばきファクトリーでの経験や学んだことを自分の軸に一つ置いておき、これからも頑張っていこうという意味を込めています」という八木自身の想いが詰まっている。
鮮やかなドレスを着た八木は、つばきファクトリーの楽曲『My Darling 〜Do you love me?〜』をソロで披露。同曲を選んだ理由は、“つばきファクトリーへの愛を伝えられる曲だと思ったのと、この曲を歌う私を好きと言ってくださるファンの方が多かったから。自分の気持ちを込められる曲であり、自分とファンの方にとって思い入れのある曲がいいなと思ったから。”だという。
ファンと自分への思いを歌い上げた八木はステージ上で、ファン、スタッフ、メンバーに向けて感謝のメッセージを語る。
八木は手紙の冒頭で「自分のあまり上手ではない料理を“八木メシ”と愛してくださったり、ヤギシオリコールは賛否両論あったものの、皆さんがやり続けてくださったから、私の個性の一部になっていきました。私のアイドル像を作り上げてくださったのは、皆さんの力がとても大きかったです!ありがとうございます」とファンへの感謝を口にする。
続けて八木は、メンバーへ想いを語る。後輩メンバーにあたる“ひなーず”の3人には「可能性がぎゅっと詰まっている皆が加入して1年、ものすごい成長を見せてもらいました」と話し、3人の成長が楽しみとエールを贈る。
先輩メンバーには「私がこんなにも伸び伸びと活動できたのは、先輩方のおかげです」とコメント。谷本に向け「嘘のない言葉がいつも嬉しかった」など、各メンバーに向けても自分の素直な気持ちを吐露していく。
同期である“リトキャメ”の3人に向けては「本当に性格もなにもかもバラバラで意見が合わないことも多かった」と前置きし、「4人で同じ方向をむいて集まったときの力は、何者にも勝ると思ってしまうほど、私にとっては頼もしい存在でした。3人と切磋琢磨していくことができたから、私もここまで成長できたと思います」とライバルであり仲間であった同期に向けての感謝の言葉で締めくくっていた。
最後に八木は「つばきファクトリーで過ごした日々は、かけがえのない宝物であり、誇りです。今までも、これからも、つばきファクトリーの夢は私の夢。つばきファクトリーがもっともっと大きなグループになっていきますように、私もお力添えできればと思います。これからもつばきファクトリーの応援、よろしくお願いします!つばきファクトリー愛してる!」と叫び、会場からは大きな拍手が起こっていた。
その後は八木以外のメンバーも登場し、再び11人でパフォーマンス。全員で八木の門出を祝うかのように、背中を押すかのように『勇気 It's my Life!』と『スキップ・スキップ・スキップ』を歌い、最後は谷本から感謝の言葉が語られた。
「今日こうして11人揃ってステージに上がれたこと、こんなにもたくさんの方が私たちのパフォーマンスを見てくれたことに幸せを感じています」とコメント。谷本は続けてグループ結成10周年を迎えたことに触れ、「結成当初は毎日のように泣いて悔しい日々を過ごしてきました。こうして何かあるたびに、皆さんが暖かい言葉をかけてくださったり、メンバーが頼もしく、そのおかげで乗り越えられたこともたくさんあって、今のつばきがあると思います」と10年間の歩みを振り返る。
最後は「10年間続いて来られたグループになったことを誇りに思い、11年目も進化し続けるつばきファクトリーになっていきたいので、これからも応援よろしくお願いします」とこれからの目標を宣言。ファンも大きな拍手で谷本の想いに応えていた。
最後は全員で最新シングルの一曲である『My Days for You』を披露する。同曲は数あるハロー!プロジェクトの楽曲の中でも、ファンだけでなくメンバーたちから大切に歌い継がれている真野恵里菜の代表曲。歌詞に「ありがとう」「これからもよろしくね」というフレーズがあり、10周年を迎えたグループにぴったりな楽曲で記念ライブは終了となった。
10周年イヤーで勢いに乗っているつばきファクトリーは、今回は発表となった楽曲を含む新曲を引っ提げて、10人の新体制での10周年記念ツアー〈つばきファクトリー 10th Anniversary Live Tour 2025 Spring 〜OUR DAYS GO ON〜〉を5月10日(土)からスタートさせる。結成当初から“アイドル界の主役になる”と語っていたつばきファクトリー。10年という節目の年に、アイドル界の主役となるべく、さらなる進化を遂げていくことだろう。








