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アジカン主催〈NANO-MUGEN FES.〉、2日間にわたる熱狂を伝える公式レポートが公開

ASIAN KUNG-FU GENERATION   2025/06/04 12:49掲載
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アジカン主催〈NANO-MUGEN FES.〉、2日間にわたる熱狂を伝える公式レポートが公開
 ASIAN KUNG-FU GENERATIONが主催するロック・フェスティバル〈NANO-MUGEN FES. 2025〉が、5月31日と6月1日の2日間、神奈川・Kアリーナ横浜で開催されました。

 2014年以来、11年ぶりの開催となったこのイベントには、国内外から計13組が出演。2日間にわたる熱狂を伝える公式レポートが公開されています。

[公式レポート]
 ASIAN KUNG-FU GENERATION主催のロックフェス「NANO-MUGEN FES. 2025 in Yokohama」が、5月31日・6月1日の2日間にわたって神奈川・Kアリーナ横浜にて開催された。

 ASIAN KUNG-FU GENERATIONの自主企画イベントとして2003年にライブハウスでスタートした「NANO-MUGEN FES.」は、2004年の日本武道館での実施を経て、2005年以降は横浜アリーナに舞台を移して文字通りのロックフェスティバルとして開催。朝から夜まで洋邦精鋭アーティストの音楽が鳴り響く「アーティスト主催の音楽フェス」の先進的存在=「NANO-MUGEN FES.」は、2005年〜2014年の10年間で計7回にわたって横浜アリーナを歓喜の渦に巻き込んできた。そして今年、実に11年ぶりの「NANO-MUGEN FES.」復活開催が実現した。

 「NANO-MUGEN FES.」史上初の試みとして5月24日・25日に予定されていたインドネシア・ジャカルタ公演「NANO-MUGEN FES. 2025 in Jakarta」は、ジャカルタ現地の諸事情によって残念ながら開催中止となってしまったが、今回初めて「NANO-MUGEN FES.」の会場となったKアリーナ横浜には2日間で延べ3万5千人が集結。過去最大キャパシティが生み出す期待感と高揚感の中、数々の歴史的名演が飛び出す珠玉の音楽祝祭空間となった。

 初日・5月31日には、ASIAN KUNG-FU GENERATIONとともに2000年代からしのぎを削ってきた盟友バンド=ELLEGARDEN/ストレイテナーが登場。同じステージに立つのは2019年の対バンツアー「NANA-IRO ELECTRIC TOUR 2019」以来約6年ぶり、「NANO-MUGEN FES.」での共演は2008年以来約17年ぶりのこととなるASIAN KUNG-FU GENERATION/ELLEGARDEN/ストレイテナー。それぞれの音楽性と方法論でロックシーンど真ん中を目指して戦ってきた3組が、お互いへの惜しみない感謝とリスペクトを語り、最強の選曲と熱演でオーディエンスの期待に応えてみせた。

 ASIAN KUNG-FU GENERATIONと同時期に横浜で活動を開始したSPECIAL OTHERSは、アコースティック編成のSPECIAL OTHERS ACOUSTICとして登場。ASIAN KUNG-FU GENERATION・後藤正文を招き、SPECIAL OTHERS×後藤のコラボ曲“DANCE IN TSURUMI”で会場を歓喜で包んでいった。

 「NANO-MUGEN FES.」の特色でもある海外アクトとして、今回はUSパワーポップの雄・Fountains Of Wayneをはじめ、Hovvdy(US)/Nick Moon(UK)/THE YOUNG PUNX(UK)といった多彩なアクトが2日間通しで登場。さらに、女性メタルトリオバンド・VOICE OF BACEPROT(1日目)、極彩色インディーロックバンド・The Adams(2日目)といったインドネシア出身のアーティストが、「NANO-MUGEN FES.」に鮮烈な足跡を残していった。

 2日目・6月1日には、2014年に次いで2回目の「NANO-MUGEN FES.」となるくるりも出演。同い年ながらここまでコラボレーションの機会がなかったくるり・岸田繁とASIAN KUNG-FU GENERATION・後藤正文だが、ASIAN KUNG-FU GENERATION楽曲“Little Lennon / 小さなレノン”再録のプロデュースを岸田が務める形で今年初めてコラボが実現。両者の縁とそこに至る奇跡を、それぞれのステージで感慨深げに語っていた。

 ASIAN KUNG-FU GENERATIONのアクトには、ゲストとして岸田が登場。後藤&岸田が歌う“Little Lennon / 小さなレノン(Born in 1976 ver.)”に、満場の観客が高らかなシンガロングで応えていた。また、ギター弾き語りの清冽な歌にインディーポップ精神を滲ませるYeYeも、「NANO-MUGEN FES.」との独自の親和性を印象づけていた。

 そして、2日目のヘッドライナーを務めたのは、1990年代から現在まで唯一無二の存在として、アメリカのみならず世界のシーンを牽引し続けるアーティスト・BECK。ASIAN KUNG-FU GENERATIONもカバーしている名曲“Loser”も含め、グラミー賞7度受賞のキャリアを全18曲のセットリストに凝集したような、圧巻のグランドフィナーレを体現していった。

 バンドセット・アコースティックセット合わせて、2日間で計4ステージを披露する中で、ASIAN KUNG-FU GENERATIONは当初はインドネシア公演のみ参加予定だった谷口鮪(KANA-BOON)、たかはしほのか(リーガルリリー)、畳野彩加(Homecomings)といった後進世代のアーティストを、同公演の中止を受けて改めてゲストボーカルとして迎えていた。憧れの先人世代と、苦楽を共にした同世代と、未来を担う次世代が共存する形となった今回のラインナップへの想いを、後藤正文は1日目ヘッドライナー時のMCで次のように語っていた。

 「ずっと一緒にやってきた人たちとか、Fountains of Wayneみたいに僕たちが憧れてきた世代とかが、連なりというか、川の流れのように続いていて。そのどこに自分たちがいるかはわからないけど……音楽を続けている限りは、その流れにちゃんと浸かっていたいなって。それが文化に対する自分たちのマナー。その水流を豊かにできるバンド、ミュージシャンになりたいなって思いながら、最近は活動してます」

 《もう何を振り返る/振り返るなよ/そう今を誰より抱きしめて/暗闇を振り返らずに朝陽が昇る頃だね》……「NANO-MUGEN FES. 2025」のテーマソングとしてASIAN KUNG-FU GENERATIONが演奏していた最新シングル曲“MAKUAKE”で、後藤正文が繰り返し歌っていたフレーズがそのまま、これまでの経験も足跡も「今」と「未来」の糧にして前進する決意として、ひときわ強く響いていた。

――高橋智樹

〈NANO-MUGEN FES. 2025〉
www.nano-mugenfes.com
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