近年、年に複数本という驚異的なペースで新作を発表し、奇想天外な発想と唯一無二の世界観で映画界に旋風を巻き起こしているフランスの奇才、
カンタン・デュピュー(クエンティン・デュピュー)監督。第77回カンヌ国際映画祭のオープニング作品にも選出され、
レア・セドゥ、
ヴァンサン・ランドンを主演に迎えた『セカンド・アクト』に加え、話題作『ダリ!!!!!!』『ヤニック』を併せた特集上映「カンタン・デュピュー特集」(配給:Stranger/提供:JAIHO)が、8月15日(金)より東京・ヒューマントラストシネマ渋谷、Strangerにて、9月12日(金)より大阪・テアトル梅田にて、10月10日(金)より京都・アップリンク京都にて開催されます。
『セカンド・アクト』(2024年)は、第77回カンヌ国際映画祭のオープニング作品としても選出された作品。フローレンスが熱愛する男性・ダヴィッドを父・ギヨームに紹介しようとする一方、ダヴィッドはフローレンスにまったく惹かれずに、彼女を友人のウィリーに押し付けようとする。そんな4人が辺ぴな場所にあるレストランで顔を合わせることになって……という、虚構と現実の狭間で4人の男女の思惑が錯綜する展開を描きます。
『ダリ!!!!!!』(2023年)は、画家の
サルバドール・ダリのシュルレアリスムを体現した作品。若きフランス人ジャーナリストがドキュメンタリー映画の企画のためにサルバドール・ダリと何度も面会を重ねるが、撮影は一向に始まらずに……という迷宮的な異作で、5人の大物俳優が代わる代わるダリに変貌するシーンが見どころのひとつです。
『ヤニック』(2023年)は、演劇『寝取られ男』の公演中に観客のひとりの男性・ヤニックが突如立ち上がると、舞台を制止。「こんな芝居に付き合っていられない」と銃を片手に俳優たちを脅迫し、自ら“理想の舞台”を作り上げようとするが……という、観客が舞台をジャックしていく、痛烈なユーモアが炸裂する不条理劇となっています。
これら近年の話題作3本を一挙上映する「カンタン・デュピュー特集」の予告編とポスター・ヴィジュアルが公開。予告編の冒頭で映し出されるのは『セカンド・アクト』の映像で、レア・セドゥやヴァンサン・ランドンらが演じる登場人物たちが、かわるがわる映画の内容を説明していく様子を描き、虚構と現実の狭間で揺れる彼らの思惑を予感させます。画家サルバドール・ダリを描いた『ダリ!!!!!!』では、ダリをさまざまな俳優が演じていく様子が垣間見え、シュールで奇想天外な演出への期待を高め、『ヤニック』では、舞台を突如中断させた男が役者たちを銃で脅すスリリングな映像が登場するなど、各作品の世界観を鮮烈に印象づける予告編となっています。
ポスター・ヴィジュアルは、「すべてが現実(リアル)で、すべて虚構(フィクション)」というコピーとともに、各作品の印象的な場面写真をモザイク状に用いたポスターに仕上がっています。
また、ライターのISOからのコメントも到着。ISOは「苛立ちを覚えるか芯から魅了されるかの2択を迫るデュピュー監督流、不条理の美学。人間の愚かさがぶつかり、唐突な暴力が降りかかり、その事蹟に悪戯なユーモアが立ち上がる。タイトな時間で強烈な印象を残す手技は変わらずだが、この3作品はいつになく多層的で、理想・虚構・夢と現実を自在に反復横跳び。物語の先を見通そうとする我々の思惑は悉く裏切られることになる。この弄ばれるような感覚がもう病みつき!一度ハマれば抜け出せません」とカンタン・デュピュー監督作品と本特集への期待を寄せています。
ユーモアと不条理、そして現実と虚構が錯綜するカンタン・デュピューの迷宮的映画体験へ誘う「カンタン・デュピュー特集」に、映画ファンならずとも注目です。
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