『Techno Logic (feat. Theon Cross & Ben LaMar Gay)』には、ベン・ラマー・ゲイとセオン・クロスが参加。2017年のロンドン、2024年のベルリン、そして2025年のニューヨークでのライヴ録音から構成されており、この3人の間に築かれてきた約8年間にわたる音楽的な信頼関係が刻まれています。
『The People's Mixtape』は、2025年1月にブルックリンのPublic Recordsで行なわれたライヴ録音を土台としたもの。この公演は、マカヤが自身の代表作『In the Moment』の10周年を記念して開催したものであり、同作のセッションを通じて確立した即興言語に、意図的に立ち返る試みでもありました。この特別な夜にマカヤと共演したのは、『In the Moment』において重要な役割を果たしたベーシストのユニウス・ポールとトランペット奏者のマーキス・ヒル。さらに、『Universal Beings』(2017年)のセッション以来の常連コラボレーターであるヴィブラフォン奏者のジョエル・ロス、そしてマカヤにとって初共演となるアンビエント・ジャズ・プロジェクト、SMLの共同リーダーであり、〈International Anthem〉所属のシンセ奏者、ジェレミア・チウも加わわっています。
『PopUp Shop』は、2015年にマカヤがロサンゼルスのDel Monte Speakeasyで初めてパフォーマンスを行なった際の録音がベース。このとき彼は、シカゴのDJ / キュレーターであるキング・ヒッポと、サンフランシスコ発の前衛的な音楽プラットフォーム「Grown Kids Radio」が企画したイベント〈RAWS:LA〉に出演し、ギタリストのジェフ・パーカー、ヴィブラフォン奏者のジャステファン、ベーシストのベンジャミン・J・シェパードと即興セッションを行なっています。
これら4枚のEPは、GRAMMYが「マクレイヴン史上もっとも野心的な作品」と評した2022年の傑作『In These Times』以来の作品。マカヤが2015年のデビュー作『In the Moment』で確立し、その後の『Highly Rare』(2017年)、『Where We Come From』(2018年)、『Universal Beings』(2018年)で深めてきた “オーガニック・ビート・ミュージック”の真髄があらためて表現されています。マカヤはライヴ音源をシカゴの自宅スタジオで、編集・オーバーダブ・ポストプロダクションを重ねることで、彼独自のサウンド世界へと再構築。そんな4つのEPまとめた『Off the Record』は、単なる音源集ではなく、創造性と共同性に満ちた、“その場にいた”からこそ生まれた音楽の瞬間を祝福するドキュメント作品と言えます。