ニューヨークに拠点を置き、音楽活動を行なっている
矢野顕子が、毎年日本に里帰りして開催している年末恒例の〈さとがえるコンサート〉。今年は福岡・名古屋・大阪・東京の4都市で開催、チケットは全会場ソールドアウトというプレミアムなライヴとなりました。今回は、矢野の1stアルバム
『JAPANESE GIRL』でのセッション以来の仲である
TIN PAN(
細野晴臣,
林 立夫,
鈴木 茂)との共演ライヴという形で開催され、さる12月14日、東京・NHKホールにてツアーファイナルが行なわれました。以下当日の模様をレポート。
1曲目の「大いなる椎の木」で、客席の気負いはほぐれていく。自在に展開していく矢野顕子のヴォーカルに、TIN PANの3人はそっと寄り添うような演奏で曲をスイングさせる。自らのテクニックをひけらかすのではなく、歌の鼓動を魅力的に伝えるアンサンブルのために、全員がその卓越した演奏技量を集中させている。演奏を聴いているうちに、実は昔からこの4人で活動を続けてきたのではないかと錯覚してしまいそうだ。矢野の曲だけでなく、細野や鈴木の楽曲や内外のカヴァー曲、そして4人のために書き下ろされた新曲までの多彩な楽曲が、それぞれのリアルな息づかいとともに心の奥に届けられてくる。そんなとびきり贅沢な、音楽を聴く喜びを再確認させてくれる時間だった。
なお、この東京・NHKホールでの模様は、WOWOWプライムにて12月31日(水)14:00よりオンエアされることが決定。また、2015年にCD音源としてとしてリリースされる予定も。詳細は、さとがえるコンサートのオフィシャルサイト(
satogaeru2014.com)で随時公開。
撮影: 三浦憲治