雑誌『米国音楽』の創刊者であり、2010年からは文芸誌『IN THE CiTY』(発行: BEAMS)にて短編小説を発表している作家・ライターの川崎大助が、日本のロックのオールタイム・ベスト作品1位から100位を独自の“五つの指標”と“レコードじゃんけん”でランキングした新刊
『日本のロック名盤ベスト100』(発行: 講談社)が8月20日(木)に発売されます。
著者曰く、「リスナーズ・ガイドとして、文化史的読み物として、あるいは“お前が選んだ100枚がどんなものか、見てやろうじゃないか!”なんて真っ向勝負、どんな角度からのご興味でも大歓迎」という本書。
佐野元春『SOMEDAY』、
矢野顕子『JAPANESE GIRL』、
山下達郎『SPACY』、
荒井由実『ひこうき雲』、
たま『ひるね』、
X『BLUE BLOOD』、
暗黒大陸じゃがたら『南蛮渡来』、
大滝詠一『ロング・バケイション』、
電気グルーヴ『A(エース)』、
サザンオールスターズ『人気者で行こう』、
PUFFY『JET CD』、
宇多田ヒカル『ファースト・ラヴ』、
Mr.Children『Atomic Heart』……と多くの作品が並ぶ中、栄光の1位に輝いた名盤とは? ご注目ください。
こんにちは。川崎大助です。ここのところ小説ばかり書いていたのですが、ひさしぶりに音楽の本を仕上げました。後世に残るだろう日本のロック音楽のオールタイム名盤アルバムを100枚選び、順位を付けて紹介した一冊、『日本のロック名盤ベスト100』です。国際的なロック博物館の学芸員になったつもりで、僕ひとりでこれをやりました。本書は評論であり、エッセイであり、そして僕にとっての文学という運動の一部です。07年に僕が〈ローリングストーン〉日本版でやった同種企画は、海外のウェブサイトに数多く転載され、英語版のウィキペディア記事でも盛んに引用されているようです。ちなみに日本のロック・アルバムの「オールタイム・ベスト100」が選ばれたのは、僕のこれが本邦初でした。そのアップデート版にして完全版が本書です。「ベスト100」チャートとレビュー100連発を第一部に、第二部では「米英のロックと比較し検証した日本のロック全歴史」を、すべて書き下ろしで記しました。なぜ日本のロックは、歌謡曲を仇敵としたのか。ニューミュージックやJポップという呼称によって、どんなふうに「貶められた」のか。「外来の文化」だったロック音楽が、どんな過程を経て「日本語の世界」のなかに移植され、花開いていったのか……ロック論を超える日本論、日本論を超えるロック論がここにある、との評もすでに頂戴しています。リスナーズ・ガイドとして、文化史的読み物として、あるいは「お前が選んだ100枚がどんなものか、見てやろうじゃないか!」なんて真っ向勝負、どんな角度からのご興味でも大歓迎です。ぜひ手に取ってみてください。ロックンロールの神殿の門はすべての人に開かれているのですから。――川崎大助