伝説のジャズマン、
ジョン・コルトレーンが1963年に残した発掘音源を収録するアルバム『ザ・ロスト・アルバム』(
デラックス・エディション UCCI-9295〜6 3,200円 + 税 /
通常盤 UCCI-1043 2,400円 + 税)が6月29日(金)に全世界同時発売されます。
このアルバムは、コルトレーンのほか、
マッコイ・タイナー(p)、
ジミー・ギャリソン(b)、
エルヴィン・ジョーンズ(ds)で構成された“黄金のカルテット”で録音されたもの。米ニューヨーク・マンハッタンのジャズ・クラブ、バードランドでの公演期間中だった1963年3月6日の昼間にニュージャージーのヴァン・ゲルダー・スタジオで行なわれた公式セッションを収録しており、バンドはその翌日にも同スタジオで名盤『
ジョン・コルトレーン・アンド・ジョニー・ハートマン』を録音しています。
『ザ・ロスト・アルバム』は、レコーディング・セッションの記録は残っていたものの、海賊盤も含めこれまで一切に世に出たことがなかった幻の音源。マスターテープが所在不明になっていた「失われた」音源でしたが、録音終了後にコルトレーンがスタジオから持ち帰り、当時の妻ナイーマに渡していたモノラル録音のリファレンステープが彼女の遺族によって発見され、録音から55年のときを経て、コルトレーンが当時在籍していたインパルス・レーベルより発表されることとなりました。
マスターテイク全7曲(約47分)のうち、「アンタイトルド・オリジナル11383」「アンタイトルド・オリジナル11386」はコルトレーンの未発表のオリジナル曲。また、代表曲「インプレッションズ」と初録音のジャズ・スタンダード「ネイチャー・ボーイ」の2曲は、ピアノのマッコイ・タイナー抜きのトリオ編成での録音。そして、これまで非公式録音のライヴ盤でしか世に出ていなかったコルトレーンのオリジナル曲「ワン・アップ、ワン・ダウン」のスタジオ録音と、貴重音源が多数含まれた内容となっています。
今回のアルバム発表について、コルトレーンの友人であり現役最高峰のサックス奏者である
ソニー・ロリンズは、「これはまるで、巨大ピラミッドの中に新たな隠し部屋を発見したようなものだ」と喜びのコメントをしています。また、現在インパルス・レーベルを管轄するヴァーヴ・レーベル・グループの社長兼CEOのダニー・ベネットは、「現在ジャズは21世紀のオルタナティヴ・ミュージックになりつつありますが、誰もジョン・コルトレーン以上にジャズの境界を壊す表現を成しえたアーティストはいません。彼は音楽の流れを変えた先見の明があり、この“失われた”アルバムは一生に一度の発見と言えます。」と語っています。
アルバムは、マスターテイク7曲を収録した通常盤と、別テイク7曲収録のボーナス・ディスク付2枚組のデラックス・エディションの2形態でリリース。わずか40年の生涯ながら、ジャズ史のみならず、アメリカ音楽史に偉大な功績を残したジョン・コルトレーンの絶頂期の演奏が堪能できる作品です。