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ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー、新作アルバム『Tranquilizer』を発表 新曲3曲公開も

ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー   2025/10/21 13:07掲載
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ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー、新作アルバム『Tranquilizer』を発表 新曲3曲公開も
 2024年に開催したジャパン・ツアーも大盛況だったワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(Oneohtrix Point Never / 以下OPN)が、ニュー・アルバム『Tranquilizer』を発表。「Warp」より11月17日 (月) にデジタル / ストリーミングで配信がスタートし、11月21日(金)にはCDとLPが発売。あわせて、新曲「For Residue」「Bumpy」「Lifeworld」が公開され、OPNならではの幻想的で超現実的なサウンド世界が姿を現しました。

 精神安定剤を意味する『Tranquilizer』の出発点は偶然の光景だったとのこと。歯医者の椅子に横たわり、歯に響く振動を受けながら、ふと見上げた蛍光灯のカバー。灰色のタイル天井に貼られた、青空とヤシの木のプリント――安っぽい人工の楽園に、この世界の音とは何か、日常と非日常がかろうじて均衡を保ちながら共存する、この薄っぺらな現実の音とは?という問いかけがOPNに生まれます。

 さらに、数年前、インターネット・アーカイブから、巨大なサンプル・ライブラリがインターネットから忽然と消えた事件も創作の引き金に。90年代から2000年代にかけての何百枚ものクラシックなサンプルCD、すなわち『サイレントヒル』から『X-ファイル』まで、数え切れない作品に陰影を与えてきた音源たちが、一瞬にして闇に呑み込まれたという出来事は文化の断絶、時代の記憶を繋ぐ回線が無慈悲に断ち切られるような体験。幸いにも、失われかけた音の断片は再び救出され、文化的アーカイブとして息を吹き返しましたが、本作は、過去への逃避とは何を意味するのか、そしてその先に何が待っているのかを問いかけ、超現実的でディープなテクスチャーで聴く者を包み込みます。

 OPNは「このアルバムは、かつて商業用オーディオ・キットとして作られた音源群に形を与えた作品だ。陳腐なサウンドの索引を裏返しにしたようなもの。今日の文化の奥底にある狂気と倦怠を最もよく表現できる、プロセス重視の音楽制作へと回帰した作品なんだ」とコメント。

 また、アルバム発表にあわせて解禁された「For Residue」「Bumpy」「Lifeworld」の3曲は、メディアの崩壊、アンビエントな不穏さ、そして儚い美が交錯する、まさにOPNらしい世界が描かれた作品となっています。

 『Tranquilizer』のアートワークは、インディアナ州を拠点とするアーティスト、アブナー・ハーシュバーガーによって描かれた絵画で、アブナーが育ったノースダコタの平原を抽象的かつ有機的に再構築したもの。忘れ去られた素材や農村風景に根ざしたヴィジュアルは、『Tranquilizer』のテーマである崩壊、記憶、クラフト感と呼応しています。

 なお、11月21日(金)にリリーさうされる国内盤CDにはボーナス・トラック「For Residue (Extended)」が追加収録され、解説書が封入。LPは通常盤(ブラック・ヴァイナル)に加え、限定盤(クリア・ヴァイナル)も発売。限定盤LPは数量限定の日本語帯付き仕様(解説書付)でも発売されます。

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Photo by Aidan Zamiri

■2025年11月21日(金)リリース
ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー
『Tranquilizer』

beatink.com/products/detail

[収録曲]
01. For Residue
02. Bumpy
03. Lifeworld
04. Measuring Ruins
05. Modern Lust
06. Fear of Symmetry
07. Vestigel
08. Cherry Blue
09. Bell Scanner
10. D.I.S.
11. Tranquilizer
12. Storm Show
13. Petro
14. Rodl Glide
15. Waterfalls
16. For Residue (Extended) *Bonus Track


「For Residue」「Bumpy」「Lifeworld」配信リンク
warp.net/opn-tranquilizer
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