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佐野元春の40周年アニバーサリーライヴの放送を前に、コメント入りライヴ・レポートが公開

佐野元春   2021/10/22 12:32掲載
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佐野元春の40周年アニバーサリーライヴの放送を前に、コメント入りライヴ・レポートが公開
 2021年春に日本武道館と大阪城ホールで開催された佐野元春デビュー40周年アニバーサリーライヴ。この公演の模様が、10月23日(土)夜9:00よりWOWOWで独占放送・配信されます。この放送を前に、佐野のコメントを交えた40周年アニバーサリーライヴのライヴ・レポートが公開されました。WOWOWのウェブ・サイトでは番組『ヤァ!40年目の武道館&大阪城ホール』のトレーラーとプロモーション動画も公開中です。

 また、佐野元春が2022年春にリリース予定のニュー・アルバムからの先行シングル「銀の月」が、10月22日に配信開始されました。

[ライヴ・レポート]
 2020年、人類を襲った新型コロナウイルスの猛威。デビュー40周年を迎えた佐野元春も活動の制限を余儀なくされた。荒れ地と化した世界、「不要不急」の名のもとに閉ざされたライブエンタテイメントの扉。厳しい状況下で、佐野は今年春の日本武道館・大阪城ホールでの40周年アニバーサリーライブ開催を決意、年が明けて即座に発表した。万全な対策が施され行われたこのライブでは、時代を超えた輝きを放つ名曲の数々が披露され、大観衆を音楽の魔法で魅了した。

 感動のライブから半年、ついに映像が完成した。佐野はこの作品についてこう語る。「ストーリーを感じました。COVID-19の状況下で僕とバンドが何を感じていたのか、それを観てもらえる映像です」。 

 特設サイトで発表された開催宣言ではファンを勇気づける一方、「君に会えるのは これで最後だろうか」とも吐露していた。「コンサートが中止になる可能性も考えていた。無事に開催出来て本当に良かった」。バンドメンバー・スタッフと力を尽くして、ライブが実現したのだ。 

 今回のライブのために特別編成されたバンドは、THE COYOTE GRAND ROCKESTRA。佐野とザ・コヨーテバンドにザ・ホーボーキング・バンド時代からの盟友Dr.KyOn (key.)と山本拓夫(sax.)、そして西村浩二(Tr.)が加わった大編成となった。「彼らのパフォーマンスは素晴らしいの一言。彼らがいなければ、僕の音楽は成立しない。改めて感謝したい」。

 ライブは「ジュジュ」から始まり、1989年発表のアルバム『ナポレオンフィシュと泳ぐ日』収録楽曲が3曲続いた。開演直後から客席のテンションの高さは鳥肌が立つ程だった。1989年といえば、ベルリンの壁が壊され、日本では昭和から平成に元号が変わった年。激動の時代の空気を感じさせた楽曲たちが、コロナ禍の世界を生きる者たちへのアンセムの様に会場に鳴り響いた。

 「『ナポレオンフィシュと泳ぐ日』からの3曲。無意識のうちに今の自分の気持ちを伝えたかったのかもしれない。セットリストは新旧ファンが喜んでくれる曲の中から、ビートや雰囲気を考えて全体を構成しました」。


 今回のライブは80・90年代の楽曲は勿論、コロナ禍で発表された「エンタテイメント!」などここ数年で発表された楽曲も多かった。佐野らしい前向きな姿勢が伝わった。「ライブはただ昔を懐かしむためにやるんじゃない。今を生きていくんだ、そんな気持ちをオーディエンスと確かめ合うためのものだと思います」。

 その中でも特に深い感慨を与えた曲がある。1981年に発表された「ハートビート」だ。「この曲をザ・コヨーテバンドで演ったのは初めてでした。ザ・ハートランド時代の曲をザ・コヨーテバンドがオリジナルアレンジで演奏して歌う。それはとても意義のあること。この曲のときだけは、何だかちょっぴりセンチメンタルな気持ちになりました」。収録カメラが佐野に近付き、佐野の歌い上げる表情や革ジャンとTシャツの下の鍛え上げられた胸板も浮かび上がる。番組のみどころのひとつだ。 

 ライブは畳みかけるように加速度を増す。「La Vita é Bella」「優しい闇」などザ・コヨーテバンドを代表するナンバーから「悲しきレイディオ」「SOMEDAY」と続き、本編ラストは「アンジェリーナ」。声を出せない観衆の心の大合唱が木魂する。会場がまさにひとつになった瞬間だった。

 武道館ライブが開催されたのは、佐野の65歳の誕生日。ステージ上でサプライズもあった。コロナ禍での開催で神経を研ぎ澄ませて臨んでいた佐野も「グッとくるものがありました」と語る、感動的な演出も映像に収められている。

 アンコールで「約束の橋」を歌い、長時間のライブはフィナーレを迎えた。大団円のステージで、佐野は40周年に句読点を打った。

 集大成ではなく、句読点―。佐野はすでにザ・コヨーテバンドと共に、アフター40周年に向けて始動している。「来春には新作をリリースします。まさにNEW SOUND、新しい時代を生きる新しいジェネレーションに是非聴いてもらいたい。そんなロックンロールアルバムになると思います」。

 11月からは最新ツアーに出る。そして、WOWOWのオリジナル音楽レギュラー番組「INVITATION」にも出演する。「普段はやらないカバー曲や、スカパラ ホーンズを迎えて〈愛が分母〉と80年代のヒップホップナンバー〈コンプリケイション・シェイクダウン〉も演奏する予定です。楽しみにしていてください」。

 佐野とWOWOWとの繋がりは、開局日1991年4月1日のスタジオライブ放送まで遡る。そして、今回のコラボレーションは、佐野の30周年以来実に10年振りとなる。「流れた年月はあっても、僕の音楽への情熱には変わりがありません。番組は昔からのファンだけじゃなく新しいファンにも楽しんでもらえると思う。ぜひ観てほしい」。

 佐野元春が紡いできた音楽の軌跡とその先に見据える未来。決して見逃すことは出来ない。


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