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ジェネシスのスティーブ・ハケット、10回目となるジャパン・ツアーがスタート 初日(大阪公演)レポート到着

スティーヴ・ハケット   2025/07/03 12:53掲載
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ジェネシスのスティーブ・ハケット、10回目となるジャパン・ツアーがスタート 初日(大阪公演)レポート到着
 ピーター・ガブリエルフィル・コリンズらと並ぶジェネシス黄金期のメンバーであるギタリスト、スティーブ・ハケットの2年ぶり、10回目となる来日公演が7月2日に大阪・なんばHatchでスタートしました。

[ライヴ・レポート]
 スティーブ・ハケットをサポートするのは、2010年8月の来日公演以来、15年振りに参加するスティーヴの義妹アマンダ・レーマン(ギター,ヴォーカル)を始めとする6人編成の鉄壁のアンサンブル。

 “ジェネシス リヴィジテッド 2025”と題された今回の日本公演では、傑作の誉れ高い「フォックストロット」(1972年)、2枚組コンセプト作「眩惑のブロードウェイ」(1974年)の2作から選りすぐったナンバーと、ソロの代表作での2部構成のステージとなる。

 2部構成の前半は、ソロを中心とするセット。冒頭から最新スタジオ・アルバム「サーカスと夜鯨の秘話」からのナンバーが3曲立て続けに演奏され、会場からは大きな拍手と歓声が巻き起こる。なかでも圧巻だったのは、ソロ1作目「ヴォヤージ・オブ・ジ・アカライト」に収録されていた「シャドウ・オブ・ザ・ハイアラファント」。アマンダの美声をフィーチャーした英国トラッド・フォーク風のヴォーカル・パートで幕開け、徐々にリズムが激しさを増しながら、バンド全体でシンフォニックに上り詰めていくドラマティックな展開は、これぞライヴならではの、きわめてファンタスティックな演奏だった。

 ステージの後半は、いよいよジェネシスのナンバー。オリジナルのテイストを絶妙に残しつつも、そこかしこにアップデートを施すなど、良質の仕上がりを見せていた。「眩惑のブロードウェイ」から取り上げられたのは全部で9曲。これは、コンセプト・アルバムのストーリー性を維持するのにも有効な数だった。オープニングに「ザ・ラム・ライズ・ダウン・オン・ブロードウェイ」、ラストに「イット」を配するなど、構成もしっかりと計算されている。一方の『フォックストロット』からは「サパーズ・レディ」のみだったが、この曲自体が7部構成で20分超の大作。これをフルコーラスで、しかも高い集中力で演奏し切るだけでも凄まじいのだが、そのなかでやはりアレンジの改変を試みたり、ギター・ソロに変化をつけたりしながら、なおかつ作品の質を損なわないところがハケットの魅力である。

 公演を重ねるごとに進化する、あるいはそうあろうと弛まぬ努力を続けるハケットと彼のバンドの様を、とにかく見せつけてくれるコンサートだった。75歳のハケットがいつまで現役であり続けるのか、さすがにそれはわからない。もしかしたら、これが最後の日本公演になるかもしれない、という焦燥感をもってライヴに臨むのは、もちろんありだ。ただ、少なくともこの日の演奏を聴くかぎりにおいては、まだまだ現役であり続ける気配しか読み取れなかった。もしハケットが今後も現役にこだわるならば、我々もまた、進化を続ける彼の変わらぬ姿を追うことになるだろう。

 スティーブ・ハケットの東京公演は7月4日(金)から3日間、EXシアター六本木で開催される。チケットのお求め及びグッズ情報は公演特設サイト参照。当日券は各公演の開場時間より販売。


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文: 松井 巧
撮影 or PHOTO: 畔柳ユキ


スティーヴ・ハケット 来日公演
特設サイト
www.cittaworks.com/event/steve-hackett2025
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