4月2日にビクターとエイベックスの大手レコード会社2社から同時にソロ・メジャー・デビューして話題を呼んでいる歌手・
歌心りえ(51)が、6月25日、東京・世田谷区のせたがやイーグレットホールで〈バースデー&活動30周年記念コンサート『Sing A Soul』〉と銘打った初の全国ツアーの東京公演を開催しました。
1995年に3人ユニット“
Letit go(レティットゴー)”のヴォーカルでデビューし、2ndシングル「
200倍の夢」がポカリスエットのCMソングに起用されてスマッシュヒットを記録するも、翌96年に活動を休止。その後、2004年に3人ユニット“
September”を結成し、「冬のソナタ」の日本初の公式カヴァー曲を発表しましたが、ヒットには至らず。それから19年後の2023年、日韓共同プロジェクトのオーディション番組『トロット・ガールズ・ジャパン』に応募し、その表現力と透明感のあるヴォーカルが高く評価され、ファイナリスト入り。翌2024年に韓国MBNの『韓日歌王戦』に出場し、大ブレイクを果たした歌心りえ。MBN公式YouTubeで「雪の華」(
中島美嘉)のカヴァーは1,000万回再生、「道化師のソネット」(
さだまさし)は900万回再生を超え、本人映像の総再生回数が累計4,000万回超えを記録するなど、注目を浴びています。
2025年に入るとフジテレビ系『歌ウマ女王日韓決戦 -JAPAN ROUND-』に出演してソロ部門で最高得点を獲得し、なんと51歳でのソロ・メジャー・デビューすることに。ビクターエンタテインメントからは『
SONGS』と題したアルバムを発売。YouTubeで爆発的な人気を博した「雪の華」「道化師のソネット」をはじめ、
五輪真弓の「恋人よ」、
スターダスト☆レビューの「木蓮の涙」、オリジナル曲「ふたりのバースデー」など全12曲を収録。一方、エイベックス・ミュージック・クリエィティヴから同時発売されたアルバム『
HEARTS』には、
オフコースの「言葉にできない」、
松田聖子の「瑠璃色の地球」などの全12曲が収録されています。
今回は、その2レコード会社からリリースされたアルバムを携えての初の全国ツアーで、6月14日の出身地・栃木からスタート(現在、9月21日[日]の兵庫まで全国8ヵ所でのスケジュールが決定)。
6月25日の東京・世田谷公演では、開演前、歌心は「30周年を世田谷のこんな大きな会場で迎えられるとは思ってもいなかったのですごくうれしいです。全国ツアーの初日が栃木、その翌日が愛媛での公演で、連日、体力的に大丈夫かと心配していたのですが、思ったよりうまく消化できて、どちらの公演もすごく楽しく歌えました。今日の会場は、私が世田谷区民でもあることからぜひこちらでやらせていただけたらと思っていたのでうれしいです。今日はスペシャルな内容になっていまして、2枚のアルバムの楽曲を皆さんに生で聴いていただけるのが楽しみですし、皆さんの表情を楽しみにしながら一段と気合いを入れてステージに立たせていただきます」と意欲を見せました。
この日は3ヵ所目の東京公演で、52歳のバースデー(6月30日生まれ)を冠としたスペシャルな内容で構成。過去に結成し、活動していた“Sptember”のメンバーを迎えて、当時の曲の再現や初期の曲のカヴァーも含めて選曲されました。約900席の会場は、熱烈なファンで満席(チケットは完売)の中、最初のデビュー・グループ“Letit go”時代の「200倍の夢」(アルバム『HEARTS』収録)から幕開け。曲の終わりに本人へのサプライズで実の娘からのバースデーのボイスメッセージが流れ、いきなりのことに本人もビックリ。その後も活動初期の曲を披露し、4曲目と5曲目にはかつて組んでいたSeptemberのメンバーを呼び込んでのパフォーマンスも。
途中、「本当に歌を辞めなくて、歌い続けていて良かった」「カバー曲のアルバムは凄くハードルの高いものでした」と率直な気持ちを伝えつつ、2枚のソロ・デビュー・アルバムからの曲を披露していきました。伸びのある素晴らしい歌声が続き、本編最後は長く歌い続けている母を思ったナンバー「おかあさんのうた」。すぐさまアンコールが掛かり「本当にみなさんと会えて良かった。この日を迎えられて良かった」と涙ながらに感謝を述べ、注目を浴びるきっかけとなった「雪の華」、「道化師のソネット」のカヴァーでコンサートを締めくくりました。
撮影 中村嘉昭