1月に急逝したジャズ評論家・中山康樹の遺作となる、『ウィントン・マルサリスは本当にジャズを殺したのか?』が7月27日(月)に発売されます。
80年代の幕開けとともに登場した、稀代のトランぺッターこと
ウィントン・マルサリス(Wynton Marsalis)。ジャズ、クラシックといったジャンルを超え9つのグラミー賞を受賞、また初めてジャズ・ミュージシャンとしてピューリッツァー賞音楽部門も受賞、さらには
エリック・クラプトンや
ウィリー・ネルソンなどとも共演し、その演奏やソングライティングの実力、そして人気も評価も超一流の存在となりました。しかし、ここ日本での評価や人気はそれほど高くはなく、今では“忘れ去られそうな天才ジャズマン”という位置づけになっています。
『スイングジャーナル』編集長時にウィントンを“新伝承派”として猛烈にプッシュした中山が改めてそのキャリアのすべてを生い立ちから検証、ウィントンの魅力と実績を積み上げていく本書。さらには、ウィントンの兄ブランフォードをして「日本人はジャズを理解していない」と言わしめた、日本人のジャズ観、ジャズとの向き合い方にも同時に迫ります。“ジャズ史の見直し”を提唱していた中山が精魂を傾けて最後に書き上げた、問題提起の一冊です。