ご質問の曲はブラジルの伝統音楽“ショーロ”の曲で、メウ・プリメイロ・アモールの演奏による「初恋」です。この演奏はブラジル音楽界の大御所、ヒルド・オーラがプロデュースした本格的な“ショーロ”のコンピレーション盤『カフェ・ブラジル』にて聴くことが出来ますよ。
　ブラジル音楽と言えば、日本ではボサノヴァが有名ですが、そのボサノヴァは、天才A.C.ジョビン達が作り出して、60年代に一世を風靡した、言うなれば“新しい”音楽であるのに対して、この“ショーロ”は、もっとブラジルのルーツ・ミュージックに近い音楽と言えるもの。古さを感じさせない、洗練された、たいへん魅力的な音楽ですよ。
　“ショーロ”(“ショリーニョ”とも言います)は、ブラジル音楽にヨーロッパのサロン音楽の影響が加わって、1900年代初期に生まれたジャンルで、20年代から40年代にかけて、即興的器楽形式音楽へと発展。アコースティックな弦楽器に、クラリネットやフルートといった西洋の管楽器が加わるところが、実にユニークな音楽です。日本ではインスト・グループの“ショーロクラブ”が、日本ならではの“ショーロ”を演奏していますので、ご存知の方もいらっしゃるのでは？
　通常、“ショーロ”は、楽器だけを演奏するインスト音楽ですが、上記のCD『カフェ・ブラジル』には、ブラジルの国民的歌手マリーザ・モンチ(凄い美人なんですよ!!)など、豪華ゲスト・ヴォーカルが多数参加した、歌入りのショーロも聴けます。そういった意味でも、とても面白い作品ですので、是非ともお試し下さい!!