リサーチ

“ビーフ”って何?

2006/07/07掲載
はてなブックマークに追加
ビーフといえば牛肉! キン肉スグルのみならずとも“吉野家”の並たまごが恋しい昨今、輸入再開の報を聞けど……と連想する平和な日本人には想像するだに恐ろしい“BEEF(ビーフ)”とは、“中傷合戦”や“揉め事”を意味するスラングでもあります。ヒップホップの世界にはびこる抗争や中傷合戦についてCDJournal.com的考察をまとめてみました。
 ヒップホップ史上最大、かつ最悪だった“ビーフ”はいわゆる「東西抗争」で、1990年代から東海岸(イーストコースト:NY中心)を代表するラッパー、パフ・ダディノトーリアス・B.I.G.を擁するレーベル、バッド・ボーイ・エンターテインメント(Bad Boy Entertainment)と、西海岸(ウエストコースト:LA中心)を代表するスヌープ・ドッグ2パックらが所属するデス・ロウ・レーベルとの関係が悪化。その対立を大きな本流として、アメリカの東西間で“舌戦”が繰り広げられました。ラッパー以外にもギャングをも巻き込んだ暴行事件や襲撃事件、はたまた発砲事件などに発展、最終的には2パック、ノトーリアスB.I.Gという才能あふれる二人のラッパーを、それぞれ銃撃事件で失いました。(写真は2パックのデス・ロウ時代のベスト『モア・ベスト・ワークス・オン・デス・ロウ』)近日発売されるDVD『2PAC&Notorious BIG/Welcome to the Hood』(HMBU-1015\3,990(税込) 8/25発売)はこの二人の軌跡を辿り、全26曲のミュージック・ビデオを収録。友人、親族、関係者にこの二人の間に起こったことを紐解こうとインタビューを敢行した作品は注目です。

 ヒップホップ・カルチャーは本来、ストリートで発生していたキッズやギャングたちのケンカで不要な血を流さないために、暴力の代わりにブレイク・ダンスやラップの優劣で競いあった事がその発端。エミネムの自伝映画『8マイルズ』に収められているマイク・バトルが如く、身も心もプライドもすべてを賭けた男と男の真剣勝負なのです。“G-ファンク”の中心人物ドクター・ドレの尽力などで、現在では命を落とすような大きな抗争は起こっていませんが、個人間の中傷は日常的に起こっています。

 最近ではエリカ・バドゥをめぐるコモンとアンドレ(アウトキャスト)、NASJAY-ZネリーKRS-Oneザ・ゲームG-UNITなどの間で起こったいざこざが有名でしょうか。もっと詳しく知りたい方は、2pacとBiggieの抗争をはじめ、NWAIce Cubeから50 CentJa Ruleまで新旧抗争の歴史を網羅したDVDシリーズ「ビーフ」(『ビーフ1』 『ビーフ2』 『ビーフ3』が日本語字幕付でリリース)をぜひご覧ください。日本でもいわゆる“J-RAP”のアーティストをおちょくるような形で頻繁に小さなディス(disrespect:軽蔑するという意味が転じて悪口をいう/批判するなど)合戦が行なわれており、渋谷の首領ことK DUB-SHINEDev LargeBudda Brand)がアンサーソングを連発しあった事などが、日本のヒップホップ専門誌に取り上げられ知られています。
※ 記事は掲載日時点での情報をもとに書かれています。掲載後に生じた動向、および判明した事柄等は反映しておりません。ご了承ください。
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] chay 「今の時期だからこそ歌えた歌」心の成長や変化が昇華された新作[インタビュー] みずからを解き放ち、どこへでも自由に羽ばたいて行ける――ミロシュの復帰第1作『サウンド・オブ・サイレンス』
[インタビュー] 大阪在住の4人組、POP ART TOWNの1stアルバムに満ちるフレッシュなポップ・センス[インタビュー] 大切なのは生活リズムのメリハリ。“睡眠研究の権威” 西野精治教授が監修する眠りと目覚めのクラシックCD
[インタビュー] のろしレコード 松井文、折坂悠太、夜久一、シンガー・ソングライター3人が出会って生まれた歌[インタビュー] ピアニスト、ユップ・ベヴィンが映画『楽園』に提供した寂しさと希望の共存する音楽
[特集] 1日だけのポイントカラーを楽しむ毛髪着色料「PAF 1-day hair tint」×ファッション・アイコン「lol」が盛り上げる「特別な1日」[インタビュー] インドで生まれ、アメリカで学び、現在は日本で活躍する異色のシンガー・ソングライター、teaがメジャー・デビュー・アルバム『Unknown Places』を発表
[インタビュー] ジョヴァンニ・アレヴィ ポップからクラシックまでジャンルを横断するイタリア出身のピアニストの“愛のアルバム”[インタビュー] 高野寛 デビュー30周年の締めくくりとなるアルバムは“今”を表現する原点回帰作
[インタビュー] 第2番の協奏曲には“青年ベートーヴェン”の力強さがみなぎっている――ピアニスト児玉麻里、〈東芝グランドコンサート2020〉に出演[インタビュー] ZOC “共犯者”大森靖子が仕掛ける超個性派アイドル・グループ
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015