作詞家として多くのヒット曲を音楽シーンへ送り込み、
AKB48グループや坂道シリーズをはじめとするアイドル・グループのプロデューサーとしても名を馳せている
秋元康は、5月2日がバースデー。1958年に東京で誕生しました。
高校時代から放送作家として頭角を現すと、『ザ・ベストテン』『オールナイトフジ』『夕やけニャンニャン』などのTV番組の構成を手掛け、担当番組が高視聴率を獲得。その一方で、80年代から作詞家としても活動し、
稲垣潤一「ドラマティック・レイン」や
長渕剛「GOOD-BYE青春」などで認知度を高めると、1985年には
菊池桃子「卒業-GRADUATION-」「BOYのテーマ」、
小泉今日子「なんてったってアイドル」をチャート1位に送り込みました。また、
とんねるずの本格的なデビュー曲「一気」以降、
見岳章とのコンビで楽曲を手掛け、1985年の「雨の西麻布」のヒットで、とんねるずの歌手としての存在感を確立させました。
同年には、秋元の女性アイドル・グループのプロデュースのさきがけにもなった、
おニャン子クラブが「セーラー服を脱がさないで」でデビュー。それまでのアイドル像とは異なり、『夕やけニャンニャン』を通して、10代の男子中高生を中心とした視聴者を巻き込む形で学園アイドル・カタログ的に結成されたこのグループは、“おニャン子現象”といわれるほどの社会現象へと発展。翌年の
新田恵利「冬のオペラグラス」をはじめ、メンバーから
国生さゆり、
城之内早苗、
渡辺美奈代、
渡辺満里奈、
工藤静香などが次々とソロ・デビューを果たし、派生グループも含めてチャートを席巻していきました。
1991年には『グッバイ・ママ』で映画監督デビュー。ホラー映画『着信アリ』シリーズなどの原作や、『真犯人フラグ』『Dr.チョコレート』など人気ドラマの原案を手掛け、数々の要職に就くなど、マルチな才能をいかんなく発揮しています。
2005年に始動したAKB48においては、総合プロデューサーに就任。AKB48が国民的アイドルとなり、各地に姉妹・派生グループが誕生、選抜総選挙などがメディアで大々的に取り上げられるなど、一大ムーヴメントとなりました。2009年の「RIVER」を皮切りに、数多くの楽曲がチャートのトップに上り詰め、「ヘビーローテーション」「フライングゲット」「恋するフォーチュンクッキー」などが幅広い世代に親しまれることに。2011年からはAKB48の公式ライバルとして
乃木坂46を始動させ、その後“坂道シリーズ”として
櫻坂46(元・欅坂46)、
日向坂46(元・けやき坂46)などを誕生させています。
近年では、2023年に
僕が見たかった青空、
WHITE SCORPIONなどのアイドル・グループのほか、昭和歌謡&ポップス・グループの
SHOW-WA、
MATSURIのプロデュースを担当、2024年にはアイドル・グループのRain Treeや、人気菓子「たべっ子どうぶつ」の企画から生まれた小学生ユニット“
たべっ子キッズ”などを手掛けています。
これまでに4800曲以上を作詞し、AKB48グループや坂道シリーズの関連楽曲だけでも700曲以上といわれています。代表曲をひとつ選ぶのも至難の業ですが、同グループ関連楽曲や前述の楽曲以外では、
美空ひばり「川の流れのように」や日本作詩大賞を受賞した
ジェロ「海雪」をはじめ、次のような楽曲が挙げられます。
稲垣潤一「1ダースの言い訳」「クリスマスキャロルの頃には」
今井美樹「彼女とTIP ON DUO」
Wink「トゥインクル トゥインクル」
EXILE「EXIT」
KinKi Kids「SNOW! SNOW! SNOW!」「変わったかたちの石」「夢を見れば傷つくこともある」
国武万里「ポケベルが鳴らなくて」
小泉今日子「夜明けのMEW」「キスを止めないで」
郷ひろみ「もう誰も愛さない」
少年隊「デカメロン伝説」「湾岸スキーヤー」
千秋「ノンタンといっしょ」
ともさかりえ「エスカレーション」
中島美嘉「STARS」「WILL」
ネプチューン「イッショウケンメイ。」
V6「MUSIC FOR THE PEOPLE」
藤谷美和子・大内義昭「愛が生まれた日」
本田美奈子「1986年のマリリン」「Sosotte」「Oneway Generation」
森口博子「夢がMORI MORI」
矢沢永吉「アリよさらば」 これまでよく聴いていたり、口ずさんでいた曲は、実は秋元が作詞を手掛けていた……と気づくことがあるかもしれません。数多ある秋元ワークスですが、コンピレーション・アルバム『
秋元流〜虎ノ門編』『
秋元流〜市ヶ谷編』などで一部のラインナップを知ることもできます。バースデーという記念日に、秋元ワークスを楽しんでみてはいかがでしょうか。
(写真は、2010年10月リリースのAKB48のシングル「
Beginner(TYPE A) 」)